( 2017.05.24 )

   


 中国人による “爆買い” が一段落付く一方で、昨今、日本で検診や病気の治療を行う 「医療ツーリズム」 が活気づいている。 しかし、制度の盲点を突き、日本の医療制度に “タダ乗り” している中国人も急増しているという

 「中国からの患者が押し寄せ、とにかく大変。 言葉が通じず、しかも 『はるばる来たのだから先に見ろ』 などとわがままを言う人も多く、日本人の患者にしわ寄せが及んでいる。 しかし、日本人へのしわ寄せはそれだけではない …」

 こう語る医師が所属するがん専門の大手病院には、ここ数年、中国人のがん患者が大挙して訪れている。 中国では承認されていないクスリの投与を望む患者や、最先端の治療を受けたいという患者が多いためだ。

 中国でも、がんは死因の上位を占める国民病。 中国の研究チームが米国がん協会発行の学術誌に発表した報告書によれば、2009~11年に収集された全人口の6.5%にあたるデータに基づいて推計した結果、中国全土における浸潤性がんの2015年の新規診断例は429万2000例に上るとみられている。

 つまり、がんの新規診断は毎日1万2000例近くに上り、7500人が日々命を落としている計算だ。 それだけの病気となった中国のがん患者たちにとって、日本の医療レベルは高く信頼性も高いため、検診や治療を望む人たちが殺到しているというわけだ。

 ところが、である。 こうした中国人たちの中に、 “招かれざる客” が多数紛れているというのだ。

 先の医師は匿名を条件に語る。
「がんの治療費、なかでも最先端治療の費用は高く、中国人でも超富裕層しか受けられないはず。 しかし、ここ数年、そうでもない一般の患者が急増している」



 たとえば、悪性黒色腫と非小細胞肺がん、腎細胞がんなどに適応する薬として承認された 「オプジーボ」。 病状やステージなどにもよるが、薬代だけで1日当たり3万9099円はかかる。 年間で見てみると、体重40キログラムの人の場合約1144万円、60キログラムの人で約1792万円かかる計算だ。

 そのライバル薬としてMSDが発売、悪性黒色腫と非小細胞肺がんなどに適応するとして承認された 「キイトルーダ」 でも、年間1427万円はかかるとされている。 しかも、あくまでこれらの薬は症状を悪化させない意味合いが強く、長期間にわたって投与する必要があるのだから、その費用はかなりの金額に上る。

 もちろん、がんの種類や症状によって治療法や薬は異なり、すべての患者がこれだけの費用を負担しているわけではないが、いずれにしても治療費は高額だ。 では、こうした費用を、なぜ一般の中国人が負担することができるのか。 そこにはあるカラクリがある。

 中国でがんと診断され、2ヵ月前に夫と一緒に来日、がんの専門病院で治療を受けている40代の女性は明かす。
「渡航費、滞在費、治療にかかる費用など、合わせて300万円程度でいいと業者に誘われ、日本にやってきた」
 関係者によれば、この女性が日本で治療を受けた場合、実際にかかる費用は一般的に見て1000万円程度だとみられる。 それが3分の1程度の負担に収まっているのは、来日する際の 「ビザ」 に理由があるのだ。

 通常、日本で病気を治療する際には、 「医療滞在ビザ」 で入国する。 しかし、この女性の場合、 「経営・管理ビザ」 で入国していた。

 これは、日本で会社を経営するため滞在する場合に発給されるビザ。 こうしたビザで入国し、3ヵ月以上合法的に滞在していれば、国民健康保険の加入が義務付けられる。 もちろん、保険料を負担しなければならないが、同時に医療費が 「3割負担」 で済むという “恩恵” を受けることができるのだ。 負担する必要がある保険料についても、前年に日本で所得がない場合、月額わずか4000円だ。

 この女性は、決して日本で会社を経営しているわけではない。 事情に詳しい医療関係者によれば、 「経営・管理ビザは、資本金500万円以上で会社を設立、その代表取締役が申請できるもの。 そこでペーパーカンパニーを設立して、ビザを申請しているのだ」 という。

 さらに、 「会社設立に必要な資本金の500万円は、患者が用意できなくても、あたかも持っているかのよう見せる “見せ金” として用意する業者がいる。 あくまで見せ金だから、業者は一時的に貸し付けて、ビザが発給された段階で回収して次の患者に回す。 そうしたことを繰り返し、何人もの中国人を来日させている」 と明かす。

 この関係者によれば、 「がんや肝炎など高額治療の患者を集めて斡旋、ツアーを組む業者までわんさかいる。 もちろん、日本の行政書士などとグルになってやっている」 という。

 入国制度の盲点を突き、中国人が日本の健康保険を使って高額ながん治療を行っているというわけで、前出の医師が語るように 「日本人にしわ寄せが及んでいる」 形だ。




 それだけではない。 国民健康保険の加入者が海外で医療費を支払った場合、一部を加入者に返す 「海外療養費支給制度」 という制度がある。 海外でけがをした、病気にかかったといった場合、帰国後に申請すれば療養費の一部が返還されるというものだ。

 この制度を、国民健康保険に加入している中国人が悪用し、中国に一時帰国した際に入院したかのように装って虚偽の申請を行い、療養費をだまし取ったりするケースが後を絶たないのだ。 これまで、大阪府警などが詐欺容疑で摘発したりしているものの、 「海外の病院に確認を取るのも大変だし、現地の医師とグルになられると虚偽の証明が容易ではない。 だから摘発されたのはあくまで氷山の一角だ」 と、事情に詳しい関係者は明かす。

 さらには、 「一円も払わずがん治療を受ける中国人もいる」 ( 別のがん専門病院の医師 )という。 この医師は、 「中国残留孤児が呼び寄せた中国国籍の家族が生活保護を受け、高額のがん治療を受けている。 その数は決して少なくない」 と明かす。 生活保護受給者なので医療費はタダ。 国民健康保険に加入する必要もないので、完全な “タダ乗り” をしているというわけだ。

 もちろん、きちんと医療費を支払って治療している中国人も少なくなく、不正を働いているのは一部であろう。 だが、複数の医師は、 「現場では、決して無視できないほどの人数が治療に訪れている」 と危機感を強める。

 


──── これだけではない ────




( 2013.02.24 )

 

 中国人一族はチェック態勢の不備を突き、公金を食い物にしていた。 堺市南区に住む中国人が、国民健康保険の加入者が海外で支払った医療費の一部が給付される 「海外療養費支給制度」 を悪用し、療養費をだまし取った事件。 大阪府警が詐欺容疑で逮捕した20~50歳の中国人男女13人はほとんどが親族関係にあり、2年近くの間に9件の虚偽申請を繰り返し、約240万円を詐取していた。 同区では近年、一族以外の中国人による療養費の申請が相次いでいたが、事件の発覚以降はぴたりと止んだという。 捜査関係者は 「口コミで広がり、公金に群がっていた可能性がある」 と指摘する。

不自然な申請

 「これはおかしい」

 平成23年7月、同区の職員は、中国人の一家から提出された療養費の申請書類に首をかしげた。 書類には、同じような時期に中国人の男( 42 )と娘が中国で入院したと記されていたためだ。

 不審に思い、府警に相談。 府警が現地の病院に確認したところ、入院していないことが分かり、虚偽の申請で療養費をだまし取ろうとしたとして、24年2月、男とその妻らを詐欺未遂容疑で逮捕した。

 同制度は、国民健康保険の加入者が対象。 3ヵ月を超えて日本国内に滞在する場合、国保への加入が義務付けられる外国人にも適用される。

 仕組みはこうだ。 被保険者が海外に滞在中、病気やけがで治療を受けると、帰国後に区役所や市役所の窓口で、症状や治療内容を説明する 「診療内容明細書」 などの書類を受け取る。

 それらを現地の医療機関に郵送し、診療した医師に記入して返送してもらったものを窓口に提出すると、現地で支払った医療費の一部が被保険者に戻ってくる。 ただ、日本国内で保険診療が認められた治療が対象で、臓器移植など治療目的で渡航した場合は適用されない。

 詐欺未遂容疑で逮捕された中国人一族はこれを悪用し、男と娘が滞在先の中国・黒竜江省の病院に風邪で入院したと偽装、治療費の一部の約50万円を請求していたのだ。

 ところが、男と娘の書類は別の医師の名で記入されていたが、筆跡が酷似していることに職員が気付き、不正が発覚した。 ただ、これは事件全体の入り口に過ぎず、その後の捜査で、親族ぐるみの虚偽請求の実態が明らかになる。


親族間で役割分担

 府警によると、一族は中国残留孤児の家族として入国。 一連の事件を主導したのは、詐欺未遂容疑で逮捕された妻の弟( 38 )だった。

 弟は19年ごろ、中国に滞在中に病院を受診。 帰国後に偶然知った同制度を利用したことで、 「書類を偽造すれば、治療を受けていなくても療養費がもらえるのではないか」 と思いついたのだという。

 申請には、病院の領収書なども必要なため、姉の夫である詐欺未遂容疑で逮捕された男に、中国で病院の印鑑が押された偽の領収書を入手するよう依頼した。

 さらに、兄の娘で、日本語が堪能な女子大学生( 23 )に文書の偽造や申請書類の作成を手配。 こうして役割を分担した上で、ほかの親族らに入院したように装って次々と療養費を請求させていった。

 不正受給額は、府警が立件した分だけで21年10月~23年7月の9件の 虚偽申請で約240万円 に上った。

 さらに、最初に詐欺未遂容疑で逮捕された家族が以前、 生活保護を受給していたことも判明 した。 生活保護受給者の場合、長期間海外に滞在する際は自治体に届け出る必要があるが、この家族は無断渡航を繰り返し、中国に滞在していた期間も保護費を受給していたため、保護を打ち切られたという。

 生活保護受給者は医療費が無料のため、保険に加入する必要はなく、この家族は保護が打ち切られた後、国保に加入。 海外療養費の虚偽申請をしており、捜査関係者は 「別の形で金を得ようとして、この制度を狙ったのではないか」 と憤る。


難しい不正防止

 なぜ、虚偽申請は長期間見過ごされてきたのか。

 同区の担当者は、 「申請の真偽を調べようにも、言葉の問題で海外の病院関係者とコミュニケーションが取れなかったり、照会をかけても反応がなかったりして確かめるのは困難」 と打ち明ける。

 こうした事情は、同制度だけに限らない。

 府警が今年1月、生活保護費をだまし取ったとして、詐欺容疑で逮捕した大阪府枚方市の60代の中国人夫婦は、 「無収入で資産もない」 と偽って保護を申請していた。

 だが、支給が始まった17年12月以降、夫婦の複数の預金口座には、保護費以外に約4100万円の入金があり、府警が捜査したところ、夫婦は中国にマンションを所持。 入金は、このマンション売却金の一部の疑いが強いことが判明した。

 同市の担当者によると、日本国内の資産であれば、税務当局との協力などで把握は可能だが、 「海外の資産を調べるのは極めて難しい」 という。

 行政関係者の話では、海外療養費支給制度はほかの自治体でも、申請の真偽を1件ずつ病院に確認することはほぼなく、不正受給の狙い目となる恐れはある。

 実際、堺市南区では、逮捕された親族ら以外の中国人からも頻繁に申請があったが、府警が事件に着手して以降はほとんどなく、周辺で虚偽申請が蔓延まんえんしていた可能性もある。 関東では堺市の事件後、暴力団関係者が同様の手口で虚偽申請し、療養費を詐取していた事件も発覚した。

 堺市は事件の発覚後、中国語のできる臨時職員を雇用。 現地の病院への確認を徹底するようにしたほか、渡航歴を確認するため、申請時にはパスポートを提出してもらうなどの不正防止策を取っている。

 





 我々が支払った医療費を、中国人に “食いモノ” にされ続けている。
 医療費が高騰していくなかで、以前から問題視されているいるにも関わらず、まったく対策をとっていない。
 永田町や霞が関の住人は、支那や朝鮮の方ばかりを向いて、国益となる仕事をまったくしていない





( 2018.05.20 )

  


 外国人による国民皆保険の 「不当利用問題」。 入国制度の盲点を突き、日本の健康保険に加入し、高額治療を安く受ける外国人の実態は …… 海を渡って日本に治療を受けに来る 「タダ乗り患者」が増殖中。

「留学ビザ」 で国保に加入

 「最近、日本語がまったく話せない70代の患者が、日本に住んでいるという息子と一緒に来院し、脳動脈瘤の手術をしました。

 本来なら100万~200万円の治療費がかかりますが、健康保険証を持っていたので、高額療養費制度を使って自己負担は8万円ほど。

 日常会話もできないので、日本で暮らしているとはとても考えられませんでした。 どうやって保険証を入手したのかわかりませんが、病院としては保険証さえあれば、根掘り葉掘り確認することはありません」

 こう明かすのは都内の総合病院で働く看護師。

 いま日本の医療保険制度を揺るがしかねない事態が起きている。 ビザを使ってやってきた外国人が日本の公的保険制度を使い、日本人と同じ 「3割負担」 で高額治療を受けるケースが続出している、というのだ。

 厚生労働省が発表する最新のデータによると、日本の年間医療費は9年連続で最高を記録し、42兆円( '15年度 )を突破した。

 とくに75歳以上の後期高齢者の医療費は全体の35%を占め、その額はおよそ15兆円にのぼる。 「団塊の世代」 が75歳以上となる'25年には、全体の医療費が年間54兆円に達する見込みだ。

 4月25日、増え続ける医療費を抑制するため、財務省は75歳以上の高齢者( 現役並み所得者以下の人 )が病院の窓口で支払う自己負担額を1割から2割に引き上げる案を示した。

 日本の医療費は危機的状況にある。 その要因が高齢者医療費の高騰であることは論を俟たないが、冒頭のように日本で暮らしているわけでもない外国人によって崩壊寸前の医療費が 「タダ乗り」 されているとなると、見過ごすわけにはいかない。

 法務省によれば、日本の在留外国人の総数は247万人( '17年6月時点 )。
 東京23区内でもっとも外国人が多い新宿区を例にとれば、国民健康保険の加入者数は10万3728人で、そのうち外国人は2万5326人( '15年度 )。 多い地域では、国保を利用している4人に1人が外国人、というわけだ。 もちろん、まっとうな利用ならなにも咎めることはない。 だが、実態をつぶさに見ていくと、問題が浮かび上がってくる。

 そもそも医療目的( 医療滞在ビザ )で日本を訪れた外国人は、国保に入ることができない。

 たとえば、昨今の 「爆買い」 に続き、特に中国の富裕層の間では、日本でクオリティの高い高額な健康診断を受ける 「医療ツーリズム」 が人気となっているが、こうしたツアー参加者が日本で治療を受ける場合は全額自腹( 自由診療 )で治療費を支払う必要がある。 保険料を負担していないのだから当然であるが、相応のおカネを払って日本の医療を受けるなら、何の問題もない。

 深刻なのは、医療目的を隠して来日し、国保に加入して不当に安く治療する 「招かれざる客」 たちだ。

 なぜ彼らは国保に入ることができるのか。

 一つは 「留学ビザ」 を利用して入国する方法だ。

 日本では3ヵ月以上の在留資格を持つ外国人は、国保に加入する義務がある( かつては1年間の在留が条件だったが、'12年に3ヵ月に短縮された )。 つまり医療目的ではなく、留学目的で来日すれば合法的に医療保険が使えるのである。

 多くの在留外国人が治療に訪れる国立国際医療研究センター病院の堀成美氏が語る。

 「うちの病院で調査をしたところ、明らかに観光で日本に来ているはずなのに保険証を持っているなど、不整合なケースが少なくとも年間140件ほどありました。

 国保の場合、住民登録をして保険料を支払えば、国籍は関係なく、だれでも健康保険証をもらえます。 そうすると保険証をもらったその日から保険が使えるわけです。

 来日してすぐの留学生が保険証を持って病院を訪れ、しかも高額な医療を受けるケースがありますが、普通に考えれば、深刻な病気を抱えている人は留学してきません。

 来日してすぐに、もともと患っていた病気の高額な治療を求めて受診するケースでは、治療目的なのかと考える事例もあります」

 さきほど 「医療ツーリズム」 の話に触れたが、日本の病院を訪れる中国人の間で、とりわけ需要が高いのがC型肝炎の治療である。 特効薬のハーボニーは465万円( 3ヵ月の投与 )かかるが、国保に加入し、医療費助成制度を活用すれば月額2万円が上限となる。

 肺がんなどの治療に使われる高額抗がん剤のオプジーボは、点滴静脈注射100mgで28万円。 患者の状態にもよるが、1年間でおよそ1300万円の医療費がかかる計算になる。

 仮に100人が国保を利用し、オプジーボを使えば1300万円×100人=13億円の医療費が使われることになる。 ころが、国保に入っていさえすれば高額療養費制度が使えるので、実質負担は月5万円程度( 年間60万円 )。 たとえ70歳や80歳の 「ニセ留学生」 でも保険証さえあれば、日本人と同じ値段で医療サービスを受けられるのだ。

 だが現実問題として医療目的の偽装留学かどうかを見抜くのは難しい。 外国人の入国管理を専門に取り扱う平島秀剛行政書士が言う。

 「申請書類が揃っていれば年齢に関係なく、留学ビザを取ることができます。 実際、高齢でも本当に日本語を学びたいという人もいますからね。 厳しくやり過ぎると、外国人を不当に排除しているととられかねない」


「お人好し」 な制度

 この経営・管理ビザを取得するには、資本金500万円以上の会社を設立しなければならない。 ただし、この500万円を一時的に借りて 「見せガネ」 として用意すれば、ビザ申請のためのペーパーカンパニーを立ち上げてくれるブローカーが存在する。 さらにそういったブローカーとグルになって手引きする日本の行政書士もいるという。

 日本の医療の信頼性を求めて、自由診療をいとわない中国人の富裕層が、こぞって日本に押し寄せていることは前述した。 しかし、じつはそんな富裕層のなかにも、治療費を安く抑えようと、日本の保険証を取得する中国人は少なくないという。

 医療ツーリズムを積極的に受け入れている医療法人の元理事が内情を語る。

 「私がいた病院にやってくる中国人富裕層は、医療ツーリズムなどで高額な健康診断を受けたのち、いざ病気が見つかると、会社を設立し、経営・管理ビザをとって日本で治療するのです。 彼らにとって医療ツーリズムは日本の病院の 『下見』 なんです。

 知人ががんになった場合、書類上は日本にある自分の会社の社員にして、就労ビザを取得させる方法もあります。 この手を使えば、だれでも日本の保険に入ることができる」

 残念ながら、こうしたタダ乗りも日本では「合法」なのだ。


治療が終わればすぐ帰国

 留学ビザや経営・管理ビザだけでなく、外国人が日本の公的医療保険を簡単に利用できる方法がある。本国にいる親族を 「扶養」 にすればいいのだ。

 日本の企業に就職すれば、国籍関係なく社保に入ることが義務付けられている。 社保は大別すると2種類に分けられる。

 大企業であれば 「健康保険組合」、中小企業の場合は 「全国健康保険協会」 ( 協会けんぽ )に加入する。 すると外国人であっても家族を扶養扱いにすることができる。

 たとえば子供が日本企業で働いていた場合、本国の両親や祖父母を扶養とすると、この両親や祖父母は日本の保険証がもらえる。 日本に住んでもいないのに健康保険証を所有することができるのだ。

 もし親族ががんになったとすれば、 「特定活動ビザ」 などを利用し、日本に呼び寄せ、日本の病院で高額な手術や抗がん剤治療を受けさせる。 もちろん保険が利くので自己負担は1~3割で、高額療養費制度も使える。 治療が終わればとっとと帰国しても、問題はない。

 さらに本国に戻ってから治療を継続した場合、かかった医療費を日本の国民健康保険が一部負担してくれる 「海外療養費支給制度」 まである。

 ほかにも日本の国保や社保に加入していれば、子供が生まれた際、役所に申請すれば 「出生育児一時金」 として42万円が受け取れる。 これは海外で出産した場合も問題ない。

 たとえば夫が日本に出稼ぎに来て、社保に加入すれば、本国に住む妻が子供を出産した際には42万円がもらえる。 妻は日本で保険料を払っていないにもかかわらずだ。

 前出の国立国際医療研究センターの堀氏は 「在留期間が短く、十分な保険料を納めていない外国人が日本の保険制度を乱用すれば、国民皆保険の信頼が失われる」 と危惧する。

 「一部の外国人が保険制度のうま味だけを奪い取っていけば、真面目に保険料を納めてきた人には不公平感が生まれます。 『フェアじゃない』 と思うのが当然です。

 『そんないいかげんな制度なら俺は払わない』 という人が増えてきたら、それこそが制度の破綻につながってしまう」

 身分や活動目的を偽って国保を利用しようとする外国人について厚労省は、 「入国後1年以内の外国人が国民健康保険を使って高額な医療を受けようとした場合、 『偽装滞在』 の疑いがあれば入国管理局に報告するよう各自治体、医療機関に通達を出した」 というが、そんな悠長なことを言っている時間はない。

 外国人用の保険を作るなど、もう一度制度を見直さないと、日本の医療制度が先に崩壊するだろう。





( 2017.12.01 )
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 「国民皆保険」がいつの間にか外国人に有利な制度として “活用” され、医療現場で疑問の声があがっている。

 都内の総合病院で受付業務をしている事務員の男性が、こんな体験を話す。

 「高齢の中国人男性が健康保険証を持って来て、 『留学ビザで取った』 と言っていた。 あの歳で本当に学校に通っているのでしょうか」

 別の病院に勤務している受付担当者もこう話す。

 「心臓血管カテーテルの手術を受けた中国人の高齢女性がいて、実費で300万円近く支払ったんですが、何か月か後の再診では、経営・管理ビザで取ったという保険証を持ってきた」

 最近、中国人が健康保険証を提示して受診するケースが増えているという。

 外国人でも後述するような条件を満たせば日本の健康保険に加入できる。 保険が適用されると、医療費が3割負担ですむだけでなく、オプジーボによる肺がん治療や人工関節置換術、冠動脈バイパス術など、実費なら何百万円もかかるような治療も、 「高額療養費制度」 の適用で8000円から最大でも30万円程度( 収入や年齢による )で受けられることになる。

 さらに1児につき42万円が支給される出産育児一時金も受給できる。 これに疑義を唱えているのが小坂英二・荒川区議だ。

 「平成28年度の荒川区の出産育児一時金支払い件数は、総数が304でうち中国籍が79件( 国内出産:48件、海外出産:31件 )にのぼります。 荒川区の人口比で中国籍は3%なのに、支給先の26%を占める。
 出産育児一時金は海外で出産しても受給可能で、病院の出生証明書があれば申請できます。 海外出産の実に63%が中国籍です。 しかし、出生証明書が本物かどうか、区は確認していない。 紙切れ1枚あれば42万円が受け取れるのです」

 この問題は全国で起きている可能性があるという。 外国人が日本の健康保険を “有効利用” している実態が浮かび上がってくる。


◆ 本国にいる親や子にも適用

 背景には2012年に外国人登録法が廃止されて、3か月超の在留資格( ビザ )を持つ外国人は日本人と同様に住民登録する制度に変わったことがある。 住民登録すると、勤務先の健康保険組合などに加入しない場合、自動的に国民健康保険に加入することになる。

 それまで外国人の保険加入には1年超の在留が必要だったが、3か月超へと短縮されたため、対象者が増加したのである。

 3か月超のビザで取得しやすいのは、 「留学ビザ」 と 「経営・管理ビザ」 だ。 メディカルツーリズムの高額な医療費を実費負担するより、渡航費、学費を払って日本語学校に短期留学した上で日本の健康保険を利用したほうが安くつくケースは多々あるし、500万円の “見せ金” があれば、ペーパーカンパニーを設立して経営・管理ビザを取得することもできる。

 加入方法は他にもある。 日本企業に就職すれば、会社の健康保険組合( 中小企業の場合は 「全国健康保険協会」 )に加入できるが、健康保険法では本人と生計を一にしている兄弟姉妹、配偶者、子、孫、父母、祖父母、曽祖父母は、 “同居していなくても” 扶養家族と認め、保険に加入できると定めている。

 また、本人から三親等までの親戚も、生計を一にして “同居していれば” 扶養家族にできる。 つまり、本国に残した親や子などの他、同居している親戚でも加入OKなのだ。

 全国健康保険協会加入者の扶養家族認定を行っている日本年金機構に聞いたところ、 「日本人と外国人で分類を分けておらず、家族や親戚であることを証明する書類の提出は原則、必要ありません」 ( 広報室 )という。

 そもそも、健康保険証には顔写真がないので、なりすましも簡単だ。 出産育児一時金支給の偏りについて、荒川区国保年金課はこう答える。

 「荒川区の総人口で見れば、中国籍の方は3%ですが、区民全員が国保に加入しているわけではありません。 荒川区の国保加入者は約5万7000人で、うち中国籍の方は3757人( 平成27年度 )なので6.6%になります。
 また、高齢化で荒川区の25~40歳の人口は減少傾向にありますが、外国人は留学や仕事で来ている若い人が多い。 出生率が高くても不思議ではない」

 しかし、留学ビザで来日した中国人が子供をもうけるケースがそんなに多くあるだろうか。 特に、海外での出生証明書が本物かどうかについては疑問が残る。

 「海外出産の場合、パスポートを提示して出産日に海外にいたことを証明してもらっています。 現在、海外の医療機関に電話で確認することも検討中です」 ( 荒川区国保年金課 )

 海外にいたことを証明したからといって出産しているとは限らず、 「子供は本国の実家に預けた」 と言われたら、その先は確認しようがないのが現状だ。


◆ 合法であることが問題

 “出産偽装” のような悪用は言語道断だが、冒頭で挙げたようなケースは、ビザを不正取得したり、親戚になりすましたりしていないのなら、違法ではない。 建前上の留学や法人設立もグレーではあるが、合法、違法の線引きは難しい。

 要するに、この問題の本質は、外国人を日本人と同じように扱い、緩い基準で健康保険に加入させて恩恵を与えている点にある。 前出の小坂区議はこう憤る。

 「日本の健康保険は、若い頃に高額な保険料を負担させられ、高齢になってようやく元が取れるシステムです。
 ところが、外国人の場合、本国でどれだけ高収入を得ていても、日本で無収入なら保険料は最低額で月何千円しか払わない。 数年で国に帰るような人に出産育児一時金をあげたり、高額医療を格安で受けさせたりするのはおかしい」

 日本の国民医療費は42兆円に達し、保険料だけでは足りず税金が投入されている。 外国人に大盤振る舞いする余裕があるのかということだ。 この問題について厚労省に見解を聞いた。

 「今年3月から留学や経営・管理ビザを不正に取得して健康保険を利用している事例を全国の自治体で調査しています。 自宅を訪問するなど手間のかかる調査で、まだ結果は出ていません」 ( 国民健康保険課 )

 調査結果を踏まえて制度の見直しを検討するという。

 これに対し、NTT東日本関東病院の外国人向け医療コーディネーター、海老原功氏はこう指摘する。

 「ビザの不法取得というより、制度自体に問題があるのです。 私は 『疾患のある人の留学ビザ発給停止』 『会社設立資本金の引き上げ』 『海外在住の扶養家族には保険適用しない』 などの対策が必要だと考えます」

 小坂区議も 「外国人を別枠にした健康保険制度を作るべき」 と訴える。 性善説に基づく制度設計が通用しない時代になりつつあるとは言えそうだ。





( 2018.11.12 )

 


外国人の、他人の保険証による“なりすまし受診” は既に行われている
高額療養費制度や出産一時金も標的に
すでに日本に移民はいると認定して、議論をしていかないといけない

 東京・新大久保。 ここは多くの外国人が働き、暮らす街だ。 そこでこんなことを聞いてみた。

 「保険証を持っていますか?」

 

 現在の法律では、日本に3か月以上滞在することで、外国人も健康保険に加入の義務が生じる。

 パキスタン人・ネパール人 … など、聞いたところ、ほとんどの外国人が自身の持つ健康保険証を見せてくれた。 しかし先週、この外国人の健康保険の問題に焦点が当たった。

 政府が来年4月から導入しようという 「出入国管理法改正案」 で、外国人労働者が多く日本に入って来た場合、健康保険制度を悪用されるのではないかという懸念があるのだ。

他人の保険証を不正利用して“なりすまし受診”



 上の画像は、中国人観光客がSNSで日本に住む中国人に送ったメッセージだ。

 「友達が日本に来ていて、子供が病気になりました。 誰か保険証を貸してくれる人は、いませんか?」

 保険証の不正利用をしようとしたのだ。


 20年以上日本に住む中国人男性は、こうした “なりすまし受診” はよくあるとした上で、 「保険証を人に貸すというのは、相当昔からあることなんです。 中国では、なにか病気があっても見つけてくれないのではないかという、医療に対する不信感がある。 不正使用だという事を分かったうえで、 “なりすまし受診” している」 とその実情を語った。

 医療の現場で、そのような “なりすまし受診” は見抜けないものなのだろうか?

 埼玉県川口市にある芝園団地。 住民総数およそ4900人の内、2600人余が外国人。 大半は中国人で、リトルチャイナとしても知られている。 この団地で、地域医療を担うのが芝園団地診療所だ。 この日も、この診療所をかかりつけにする中国人患者が多く訪れていた。

 診療所の担当者に話を聞くと “なりすまし受診“ を現場で見抜くのは、やはり難しいという。
 「我々のところでは分からない。 なにしろ見た時に、書面上、カード上に出ているものしか分からないので、受付せざるを得ない」 と悩んでいた。

 

 とはいえ、日本に滞在する外国人が携帯を義務付けられる在留カードと見比べて、防止できないのだろうか?

 「それを言うのだったら、 『健康保険証の記載法』 と 『在留証明書の記載法』 をまず統一してほしい。 名前が漢字表記だったりローマ字表記だったりするんですよ、お一人でも」 と、現実的にチェックすることは難しいという。

「無料で治療を!」 日本の保険制度を狙ったツアーまで!?

 日本の健康保険制度では、高額な医療を受けても、一定以上の負担については税金から支払われる“高額療養費制度”もあり、この制度を利用すれば、ノーベル賞で脚光を浴びた高額なオプジーボによる治療も、格安で受けられることになる。 この制度を使って、中国人が日本で医療を受けるツアーまであるという。

 

 旅行代理店のホームページの書き込みを見ると、

 「中国人が、日本で無料の治療を受ける方法があります」

 とあり、ここではさらにクイズ形式で、日本の健康保険を使い治療費を浮かす方法を指南していた。

 

Q:日本の医療制度を利用して、自己負担は3割に抑え、さらに高額療養費制度を利用し、毎月の医療費が9万円を超えたら、その分は日本政府に払ってもらう方法はないのでしょうか?
A:実はあります。 教えてあげましょう。 日本の健康保険制度を利用するのです。

 この旅行代理店とは連絡はついたものの、ツアー担当者には取り次いでもらえなかった。

出産育児一時金も標的に?

 外国人による健康保険の不適切とも思える利用は、これだけではない。

 東京荒川区で区議を務める小坂英二氏がある資料を見せてくれた。 それは荒川区が1年間に支払った出産育児一時金の件数。 出産育児一時金とは、出産時に支払われる補助金の事。 国民健康保険では子供一人につき42万円が支払われ、保険証を持つ在日外国人も対象だ。

 

 2016年の荒川区での出産育児一時金の支払いは304件、1億2700万円が支払われた。 しかし、304件のうち168人が日本人で、残りの5割近くが外国人と高い数字となっている。

 ここに大きな問題が潜んでいた。
 小坂区議が問題視しているのが、外国人が海外で出産した場合の出産育児一時金の受け取りだ。 国民健康保険制度では、海外で出産しても一時金は受給できる。 荒川区では2016年は49件が海外で出産し、一時金を受け取った。 国別で見ると、アメリカで1件。タイで1件、オーストラリアは2件、ベトナムは少し多く7件。

 

 その中、突出している国が … “中国” だ。
 実に63%を占めている。 一体これの何が問題なのだろうか? 小坂区議はこう語る。

 「それはまさにブラックボックスで、本当に生んだのかということを、役所の窓口では全く調べようがない。 ウソの証明書を出されたら、それを信じて42万円出すしかない」

 別の自治体では、実際に出産一時金の不正受給が明るみに出て、逮捕されたケースもある。

 日本の社会保障制度の穴実は、この他にもある

 

 国民健康保険証と協会けんぽの保険証を見ると、どちらも写真がない。 これが不正の温床となる理由の一つとなっているという指摘がある。

鎌田實( 諏訪中央病院名誉院長 ):
 私の病院は地方の病院なのでこのようなことはあまりないです。 しかし、緊急に外国人の方が運ばれて治療を受けるケースがあるのだが、そこで未収、お金を払ってもらえないというのは、日本全体の病院の3分の1で起きているということで、経営的に非常に困っているという実態があります。
 私は外国人労働者の導入についてはかなり積極的に賛成なんですけれども、日本の 「国民皆保険制度」 というのは世界でも類を見ない素晴らしい制度なんです。
 しかし、この制度も現在かなり土俵際に来ていて、外国人労働者受け入れ拡大を目指す出入国管理法改正案が、国会できちんと議論されずに通ってしまうとますます大きな問題になって、国民皆保険制度が崩壊してしまうきっかけになりかねない。 きちっと議論しないと、悪用しようとする穴がありすぎます。

年金制度にも存在する“穴”

荻原博子( 経済ジャーナリスト ):
 年金は、10年日本にいれば外国人でも受給権が発生することになるんです。 今は5年ですけど、来年4月から10年にしようとしています。 何度か日本に来て10年満たせば、一生日本から年金を送り続けられることになるんです。
 例えば奥さんと子供を国に残して、海外から日本にやってきた方が、入国してすぐであったとしてもその方が亡くなると、子供が18歳になるまでずっと日本から遺族年金を仕送りしなければならない。 そういったところを議論しないといけない。

パトリック・ハーラン:
 以前から移民を受け入れているアメリカでは、財政負担をあまり気にしていません。 健康体で働きに来ている外国人の労働者は、公的サービスで一番お金がかかる “教育” を、自分の国で受けて来ているから、自らの国が教育費を負担した後で来て、それから働きに来て税金を納めてくれる。
 収めた税金から公的サービスの受給額を引くと、差額が “収めた税金” の方が多い。 例えばイギリスのロンドン大学( ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン )が行った研究では、2001年から2011年の間で移民が納めた税金の額から、公的サービスの額を引くと、10年ほどで3兆円以上の財政貢献があったんです。

大前提の“日本に移民はいません”というのがおかしい

荻原博子:
 日本は実は海外から働きに来ている人が128万人と、世界第4位の移民大国と言われています。 ところがこの人たちを移民と認めていない。 移民をどうするかという議論が全くされていないんです。
 「移民を受け入れるんだ」 ということを大前提として、認定しないといけない。 今は移民はいませんということになっていますからね。

佐々木恭子:
 移民を受け入れるという大前提をきちんと認めないで、付け焼き刃で穴だけ塞いでも立ち行かなくなるのではないですか?

鎌田實:
 立ち行かないですね。
 今の国会では政府がなんでも通せるから、法案成立後に省令で物事を解決していくというのは、あまりにも問題が大きすぎるからきちんともっと議論をしないといけません。

 制度に穴があるのを対処療法で塞いでいるだけでは根本的な問題の解決にはならない。
 外国人労働者を受け入れるのであれば、社会保障制度を根本から見直し、外国人が入ってくることを前提とした制度にしていく必要がある。 さらに、日本が外国人にとって魅力のある 「働きたくなる国」 となるようにしていく必要もある。
 そのために何をなすべきか、国会ではこうした議論が望まれる。


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