( 2017.05.24 )

   


 中国人による “爆買い” が一段落付く一方で、昨今、日本で検診や病気の治療を行う 「医療ツーリズム」 が活気づいている。 しかし、制度の盲点を突き、日本の医療制度に “タダ乗り” している中国人も急増しているという

 「中国からの患者が押し寄せ、とにかく大変。 言葉が通じず、しかも 『はるばる来たのだから先に見ろ』 などとわがままを言う人も多く、日本人の患者にしわ寄せが及んでいる。 しかし、日本人へのしわ寄せはそれだけではない …」

 こう語る医師が所属するがん専門の大手病院には、ここ数年、中国人のがん患者が大挙して訪れている。 中国では承認されていないクスリの投与を望む患者や、最先端の治療を受けたいという患者が多いためだ。

 中国でも、がんは死因の上位を占める国民病。 中国の研究チームが米国がん協会発行の学術誌に発表した報告書によれば、2009~11年に収集された全人口の6.5%にあたるデータに基づいて推計した結果、中国全土における浸潤性がんの2015年の新規診断例は429万2000例に上るとみられている。

 つまり、がんの新規診断は毎日1万2000例近くに上り、7500人が日々命を落としている計算だ。 それだけの病気となった中国のがん患者たちにとって、日本の医療レベルは高く信頼性も高いため、検診や治療を望む人たちが殺到しているというわけだ。

 ところが、である。 こうした中国人たちの中に、 “招かれざる客” が多数紛れているというのだ。

 先の医師は匿名を条件に語る。
「がんの治療費、なかでも最先端治療の費用は高く、中国人でも超富裕層しか受けられないはず。 しかし、ここ数年、そうでもない一般の患者が急増している」



 たとえば、悪性黒色腫と非小細胞肺がん、腎細胞がんなどに適応する薬として承認された 「オプジーボ」。 病状やステージなどにもよるが、薬代だけで1日当たり3万9099円はかかる。 年間で見てみると、体重40キログラムの人の場合約1144万円、60キログラムの人で約1792万円かかる計算だ。

 そのライバル薬としてMSDが発売、悪性黒色腫と非小細胞肺がんなどに適応するとして承認された 「キイトルーダ」 でも、年間1427万円はかかるとされている。 しかも、あくまでこれらの薬は症状を悪化させない意味合いが強く、長期間にわたって投与する必要があるのだから、その費用はかなりの金額に上る。

 もちろん、がんの種類や症状によって治療法や薬は異なり、すべての患者がこれだけの費用を負担しているわけではないが、いずれにしても治療費は高額だ。 では、こうした費用を、なぜ一般の中国人が負担することができるのか。 そこにはあるカラクリがある。

 中国でがんと診断され、2ヵ月前に夫と一緒に来日、がんの専門病院で治療を受けている40代の女性は明かす。
「渡航費、滞在費、治療にかかる費用など、合わせて300万円程度でいいと業者に誘われ、日本にやってきた」
 関係者によれば、この女性が日本で治療を受けた場合、実際にかかる費用は一般的に見て1000万円程度だとみられる。 それが3分の1程度の負担に収まっているのは、来日する際の 「ビザ」 に理由があるのだ。

 通常、日本で病気を治療する際には、 「医療滞在ビザ」 で入国する。 しかし、この女性の場合、 「経営・管理ビザ」 で入国していた。

 これは、日本で会社を経営するため滞在する場合に発給されるビザ。 こうしたビザで入国し、3ヵ月以上合法的に滞在していれば、国民健康保険の加入が義務付けられる。 もちろん、保険料を負担しなければならないが、同時に医療費が 「3割負担」 で済むという “恩恵” を受けることができるのだ。 負担する必要がある保険料についても、前年に日本で所得がない場合、月額わずか4000円だ。

 この女性は、決して日本で会社を経営しているわけではない。 事情に詳しい医療関係者によれば、 「経営・管理ビザは、資本金500万円以上で会社を設立、その代表取締役が申請できるもの。 そこでペーパーカンパニーを設立して、ビザを申請しているのだ」 という。

 さらに、 「会社設立に必要な資本金の500万円は、患者が用意できなくても、あたかも持っているかのよう見せる “見せ金” として用意する業者がいる。 あくまで見せ金だから、業者は一時的に貸し付けて、ビザが発給された段階で回収して次の患者に回す。 そうしたことを繰り返し、何人もの中国人を来日させている」 と明かす。

 この関係者によれば、 「がんや肝炎など高額治療の患者を集めて斡旋、ツアーを組む業者までわんさかいる。 もちろん、日本の行政書士などとグルになってやっている」 という。

 入国制度の盲点を突き、中国人が日本の健康保険を使って高額ながん治療を行っているというわけで、前出の医師が語るように 「日本人にしわ寄せが及んでいる」 形だ。




 それだけではない。 国民健康保険の加入者が海外で医療費を支払った場合、一部を加入者に返す 「海外療養費支給制度」 という制度がある。 海外でけがをした、病気にかかったといった場合、帰国後に申請すれば療養費の一部が返還されるというものだ。

 この制度を、国民健康保険に加入している中国人が悪用し、中国に一時帰国した際に入院したかのように装って虚偽の申請を行い、療養費をだまし取ったりするケースが後を絶たないのだ。 これまで、大阪府警などが詐欺容疑で摘発したりしているものの、 「海外の病院に確認を取るのも大変だし、現地の医師とグルになられると虚偽の証明が容易ではない。 だから摘発されたのはあくまで氷山の一角だ」 と、事情に詳しい関係者は明かす。

 さらには、 「一円も払わずがん治療を受ける中国人もいる」 ( 別のがん専門病院の医師 )という。 この医師は、 「中国残留孤児が呼び寄せた中国国籍の家族が生活保護を受け、高額のがん治療を受けている。 その数は決して少なくない」 と明かす。 生活保護受給者なので医療費はタダ。 国民健康保険に加入する必要もないので、完全な “タダ乗り” をしているというわけだ。

 もちろん、きちんと医療費を支払って治療している中国人も少なくなく、不正を働いているのは一部であろう。 だが、複数の医師は、 「現場では、決して無視できないほどの人数が治療に訪れている」 と危機感を強める。

 


──── これだけではない ────




( 2013.02.24 )

 

 中国人一族はチェック態勢の不備を突き、公金を食い物にしていた。 堺市南区に住む中国人が、国民健康保険の加入者が海外で支払った医療費の一部が給付される 「海外療養費支給制度」 を悪用し、療養費をだまし取った事件。 大阪府警が詐欺容疑で逮捕した20~50歳の中国人男女13人はほとんどが親族関係にあり、2年近くの間に9件の虚偽申請を繰り返し、約240万円を詐取していた。 同区では近年、一族以外の中国人による療養費の申請が相次いでいたが、事件の発覚以降はぴたりと止んだという。 捜査関係者は 「口コミで広がり、公金に群がっていた可能性がある」 と指摘する。

不自然な申請

 「これはおかしい」

 平成23年7月、同区の職員は、中国人の一家から提出された療養費の申請書類に首をかしげた。 書類には、同じような時期に中国人の男( 42 )と娘が中国で入院したと記されていたためだ。

 不審に思い、府警に相談。 府警が現地の病院に確認したところ、入院していないことが分かり、虚偽の申請で療養費をだまし取ろうとしたとして、24年2月、男とその妻らを詐欺未遂容疑で逮捕した。

 同制度は、国民健康保険の加入者が対象。 3ヵ月を超えて日本国内に滞在する場合、国保への加入が義務付けられる外国人にも適用される。

 仕組みはこうだ。 被保険者が海外に滞在中、病気やけがで治療を受けると、帰国後に区役所や市役所の窓口で、症状や治療内容を説明する 「診療内容明細書」 などの書類を受け取る。

 それらを現地の医療機関に郵送し、診療した医師に記入して返送してもらったものを窓口に提出すると、現地で支払った医療費の一部が被保険者に戻ってくる。 ただ、日本国内で保険診療が認められた治療が対象で、臓器移植など治療目的で渡航した場合は適用されない。

 詐欺未遂容疑で逮捕された中国人一族はこれを悪用し、男と娘が滞在先の中国・黒竜江省の病院に風邪で入院したと偽装、治療費の一部の約50万円を請求していたのだ。

 ところが、男と娘の書類は別の医師の名で記入されていたが、筆跡が酷似していることに職員が気付き、不正が発覚した。 ただ、これは事件全体の入り口に過ぎず、その後の捜査で、親族ぐるみの虚偽請求の実態が明らかになる。


親族間で役割分担

 府警によると、一族は中国残留孤児の家族として入国。 一連の事件を主導したのは、詐欺未遂容疑で逮捕された妻の弟( 38 )だった。

 弟は19年ごろ、中国に滞在中に病院を受診。 帰国後に偶然知った同制度を利用したことで、 「書類を偽造すれば、治療を受けていなくても療養費がもらえるのではないか」 と思いついたのだという。

 申請には、病院の領収書なども必要なため、姉の夫である詐欺未遂容疑で逮捕された男に、中国で病院の印鑑が押された偽の領収書を入手するよう依頼した。

 さらに、兄の娘で、日本語が堪能な女子大学生( 23 )に文書の偽造や申請書類の作成を手配。 こうして役割を分担した上で、ほかの親族らに入院したように装って次々と療養費を請求させていった。

 不正受給額は、府警が立件した分だけで21年10月~23年7月の9件の 虚偽申請で約240万円 に上った。

 さらに、最初に詐欺未遂容疑で逮捕された家族が以前、 生活保護を受給していたことも判明 した。 生活保護受給者の場合、長期間海外に滞在する際は自治体に届け出る必要があるが、この家族は無断渡航を繰り返し、中国に滞在していた期間も保護費を受給していたため、保護を打ち切られたという。

 生活保護受給者は医療費が無料のため、保険に加入する必要はなく、この家族は保護が打ち切られた後、国保に加入。 海外療養費の虚偽申請をしており、捜査関係者は 「別の形で金を得ようとして、この制度を狙ったのではないか」 と憤る。


難しい不正防止

 なぜ、虚偽申請は長期間見過ごされてきたのか。

 同区の担当者は、 「申請の真偽を調べようにも、言葉の問題で海外の病院関係者とコミュニケーションが取れなかったり、照会をかけても反応がなかったりして確かめるのは困難」 と打ち明ける。

 こうした事情は、同制度だけに限らない。

 府警が今年1月、生活保護費をだまし取ったとして、詐欺容疑で逮捕した大阪府枚方市の60代の中国人夫婦は、 「無収入で資産もない」 と偽って保護を申請していた。

 だが、支給が始まった17年12月以降、夫婦の複数の預金口座には、保護費以外に約4100万円の入金があり、府警が捜査したところ、夫婦は中国にマンションを所持。 入金は、このマンション売却金の一部の疑いが強いことが判明した。

 同市の担当者によると、日本国内の資産であれば、税務当局との協力などで把握は可能だが、 「海外の資産を調べるのは極めて難しい」 という。

 行政関係者の話では、海外療養費支給制度はほかの自治体でも、申請の真偽を1件ずつ病院に確認することはほぼなく、不正受給の狙い目となる恐れはある。

 実際、堺市南区では、逮捕された親族ら以外の中国人からも頻繁に申請があったが、府警が事件に着手して以降はほとんどなく、周辺で虚偽申請が蔓延まんえんしていた可能性もある。 関東では堺市の事件後、暴力団関係者が同様の手口で虚偽申請し、療養費を詐取していた事件も発覚した。

 堺市は事件の発覚後、中国語のできる臨時職員を雇用。 現地の病院への確認を徹底するようにしたほか、渡航歴を確認するため、申請時にはパスポートを提出してもらうなどの不正防止策を取っている。

 





 我々が支払った医療費を、中国人に “食いモノ” にされ続けている。
 医療費が高騰していくなかで、以前から問題視されているいるにも関わらず、まったく対策をとっていない。
 永田町や霞が関の住人は、支那や朝鮮の方ばかりを向いて、国益となる仕事をまったくしていない





( 2018.05.20 )

  


 外国人による国民皆保険の 「不当利用問題」。 入国制度の盲点を突き、日本の健康保険に加入し、高額治療を安く受ける外国人の実態は …… 海を渡って日本に治療を受けに来る 「タダ乗り患者」が増殖中。

「留学ビザ」 で国保に加入

 「最近、日本語がまったく話せない70代の患者が、日本に住んでいるという息子と一緒に来院し、脳動脈瘤の手術をしました。

 本来なら100万~200万円の治療費がかかりますが、健康保険証を持っていたので、高額療養費制度を使って自己負担は8万円ほど。

 日常会話もできないので、日本で暮らしているとはとても考えられませんでした。 どうやって保険証を入手したのかわかりませんが、病院としては保険証さえあれば、根掘り葉掘り確認することはありません」

 こう明かすのは都内の総合病院で働く看護師。

 いま日本の医療保険制度を揺るがしかねない事態が起きている。 ビザを使ってやってきた外国人が日本の公的保険制度を使い、日本人と同じ 「3割負担」 で高額治療を受けるケースが続出している、というのだ。

 厚生労働省が発表する最新のデータによると、日本の年間医療費は9年連続で最高を記録し、42兆円( '15年度 )を突破した。

 とくに75歳以上の後期高齢者の医療費は全体の35%を占め、その額はおよそ15兆円にのぼる。 「団塊の世代」 が75歳以上となる'25年には、全体の医療費が年間54兆円に達する見込みだ。

 4月25日、増え続ける医療費を抑制するため、財務省は75歳以上の高齢者( 現役並み所得者以下の人 )が病院の窓口で支払う自己負担額を1割から2割に引き上げる案を示した。

 日本の医療費は危機的状況にある。 その要因が高齢者医療費の高騰であることは論を俟たないが、冒頭のように日本で暮らしているわけでもない外国人によって崩壊寸前の医療費が 「タダ乗り」 されているとなると、見過ごすわけにはいかない。

 法務省によれば、日本の在留外国人の総数は247万人( '17年6月時点 )。
 東京23区内でもっとも外国人が多い新宿区を例にとれば、国民健康保険の加入者数は10万3728人で、そのうち外国人は2万5326人( '15年度 )。 多い地域では、国保を利用している4人に1人が外国人、というわけだ。 もちろん、まっとうな利用ならなにも咎めることはない。 だが、実態をつぶさに見ていくと、問題が浮かび上がってくる。

 そもそも医療目的( 医療滞在ビザ )で日本を訪れた外国人は、国保に入ることができない。

 たとえば、昨今の 「爆買い」 に続き、特に中国の富裕層の間では、日本でクオリティの高い高額な健康診断を受ける 「医療ツーリズム」 が人気となっているが、こうしたツアー参加者が日本で治療を受ける場合は全額自腹( 自由診療 )で治療費を支払う必要がある。 保険料を負担していないのだから当然であるが、相応のおカネを払って日本の医療を受けるなら、何の問題もない。

 深刻なのは、医療目的を隠して来日し、国保に加入して不当に安く治療する 「招かれざる客」 たちだ。

 なぜ彼らは国保に入ることができるのか。

 一つは 「留学ビザ」 を利用して入国する方法だ。

 日本では3ヵ月以上の在留資格を持つ外国人は、国保に加入する義務がある( かつては1年間の在留が条件だったが、'12年に3ヵ月に短縮された )。 つまり医療目的ではなく、留学目的で来日すれば合法的に医療保険が使えるのである。

 多くの在留外国人が治療に訪れる国立国際医療研究センター病院の堀成美氏が語る。

 「うちの病院で調査をしたところ、明らかに観光で日本に来ているはずなのに保険証を持っているなど、不整合なケースが少なくとも年間140件ほどありました。

 国保の場合、住民登録をして保険料を支払えば、国籍は関係なく、だれでも健康保険証をもらえます。 そうすると保険証をもらったその日から保険が使えるわけです。

 来日してすぐの留学生が保険証を持って病院を訪れ、しかも高額な医療を受けるケースがありますが、普通に考えれば、深刻な病気を抱えている人は留学してきません。

 来日してすぐに、もともと患っていた病気の高額な治療を求めて受診するケースでは、治療目的なのかと考える事例もあります」

 さきほど 「医療ツーリズム」 の話に触れたが、日本の病院を訪れる中国人の間で、とりわけ需要が高いのがC型肝炎の治療である。 特効薬のハーボニーは465万円( 3ヵ月の投与 )かかるが、国保に加入し、医療費助成制度を活用すれば月額2万円が上限となる。

 肺がんなどの治療に使われる高額抗がん剤のオプジーボは、点滴静脈注射100mgで28万円。 患者の状態にもよるが、1年間でおよそ1300万円の医療費がかかる計算になる。

 仮に100人が国保を利用し、オプジーボを使えば1300万円×100人=13億円の医療費が使われることになる。 ころが、国保に入っていさえすれば高額療養費制度が使えるので、実質負担は月5万円程度( 年間60万円 )。 たとえ70歳や80歳の 「ニセ留学生」 でも保険証さえあれば、日本人と同じ値段で医療サービスを受けられるのだ。

 だが現実問題として医療目的の偽装留学かどうかを見抜くのは難しい。 外国人の入国管理を専門に取り扱う平島秀剛行政書士が言う。

 「申請書類が揃っていれば年齢に関係なく、留学ビザを取ることができます。 実際、高齢でも本当に日本語を学びたいという人もいますからね。 厳しくやり過ぎると、外国人を不当に排除しているととられかねない」


「お人好し」 な制度

 この経営・管理ビザを取得するには、資本金500万円以上の会社を設立しなければならない。 ただし、この500万円を一時的に借りて 「見せガネ」 として用意すれば、ビザ申請のためのペーパーカンパニーを立ち上げてくれるブローカーが存在する。 さらにそういったブローカーとグルになって手引きする日本の行政書士もいるという。

 日本の医療の信頼性を求めて、自由診療をいとわない中国人の富裕層が、こぞって日本に押し寄せていることは前述した。 しかし、じつはそんな富裕層のなかにも、治療費を安く抑えようと、日本の保険証を取得する中国人は少なくないという。

 医療ツーリズムを積極的に受け入れている医療法人の元理事が内情を語る。

 「私がいた病院にやってくる中国人富裕層は、医療ツーリズムなどで高額な健康診断を受けたのち、いざ病気が見つかると、会社を設立し、経営・管理ビザをとって日本で治療するのです。 彼らにとって医療ツーリズムは日本の病院の 『下見』 なんです。

 知人ががんになった場合、書類上は日本にある自分の会社の社員にして、就労ビザを取得させる方法もあります。 この手を使えば、だれでも日本の保険に入ることができる」

 残念ながら、こうしたタダ乗りも日本では「合法」なのだ。


治療が終わればすぐ帰国

 留学ビザや経営・管理ビザだけでなく、外国人が日本の公的医療保険を簡単に利用できる方法がある。本国にいる親族を 「扶養」 にすればいいのだ。

 日本の企業に就職すれば、国籍関係なく社保に入ることが義務付けられている。 社保は大別すると2種類に分けられる。

 大企業であれば 「健康保険組合」、中小企業の場合は 「全国健康保険協会」 ( 協会けんぽ )に加入する。 すると外国人であっても家族を扶養扱いにすることができる。

 たとえば子供が日本企業で働いていた場合、本国の両親や祖父母を扶養とすると、この両親や祖父母は日本の保険証がもらえる。 日本に住んでもいないのに健康保険証を所有することができるのだ。

 もし親族ががんになったとすれば、 「特定活動ビザ」 などを利用し、日本に呼び寄せ、日本の病院で高額な手術や抗がん剤治療を受けさせる。 もちろん保険が利くので自己負担は1~3割で、高額療養費制度も使える。 治療が終わればとっとと帰国しても、問題はない。

 さらに本国に戻ってから治療を継続した場合、かかった医療費を日本の国民健康保険が一部負担してくれる 「海外療養費支給制度」 まである。

 ほかにも日本の国保や社保に加入していれば、子供が生まれた際、役所に申請すれば 「出生育児一時金」 として42万円が受け取れる。 これは海外で出産した場合も問題ない。

 たとえば夫が日本に出稼ぎに来て、社保に加入すれば、本国に住む妻が子供を出産した際には42万円がもらえる。 妻は日本で保険料を払っていないにもかかわらずだ。

 前出の国立国際医療研究センターの堀氏は 「在留期間が短く、十分な保険料を納めていない外国人が日本の保険制度を乱用すれば、国民皆保険の信頼が失われる」 と危惧する。

 「一部の外国人が保険制度のうま味だけを奪い取っていけば、真面目に保険料を納めてきた人には不公平感が生まれます。 『フェアじゃない』 と思うのが当然です。

 『そんないいかげんな制度なら俺は払わない』 という人が増えてきたら、それこそが制度の破綻につながってしまう」

 身分や活動目的を偽って国保を利用しようとする外国人について厚労省は、 「入国後1年以内の外国人が国民健康保険を使って高額な医療を受けようとした場合、 『偽装滞在』 の疑いがあれば入国管理局に報告するよう各自治体、医療機関に通達を出した」 というが、そんな悠長なことを言っている時間はない。

 外国人用の保険を作るなど、もう一度制度を見直さないと、日本の医療制度が先に崩壊するだろう。