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( 2019.05.13 )
世論調査


 世論調査では、皇室伝統の一大転換となる女系天皇について、 「賛成」 との回答が64.2%に達した。 ただ、女性天皇と女系天皇の違いに関しては 「理解していない」 との回答が過半数で、問題の所在はまだ国民に十分周知されていない。

 126代続く皇室の歴史では、皇位は例外なく父方の系統に天皇を持つ 「男系」 で継承されてきた。 皇室典範も 「皇位は、皇統に属する男系の男子がこれを継承する」 と定める。 現在、歴史的にも法的にも正統な後継者がいるにもかかわらず、女系天皇容認論が再び浮上したのはなぜか。

 もともと女性・女系天皇容認論は平成17年、当時の小泉純一郎首相が設置した皇室典範有識者会議が打ち出した。 若年の男性皇族がいなくなっていたためだ。

 小泉首相もそのため、典範改正を急ぐ姿勢を示していたが、秋篠宮家に男系男子である悠仁さまが誕生されたことで、立ち消えとなった。 当時も知る現在の政府高官は語る。
「現在は悠仁さまがいらっしゃる。 だから、今回の調査結果であまり驚く必要はない。 女性宮家創設といっても、女性皇族方はそれを望んでいないだろう」
 小泉政権時を振り返ると、当初は国会議員もマスコミも女性・女系天皇の相違や男系継承の歴史などをよく知らずに賛意を示したこともあった。 事実関係を知るにつれ、徐々に慎重論や反対論が強まっていった。

 一方、今回の世論調査結果をみると、女性天皇と女系天皇の区別がよくついていない実態が浮き上がる。 こうした理解の浅さや、過去に女性・女系天皇容認論が後退した経緯が忘れられたことも、調査結果に表れているのだろう。

 調査を支持政党別に見ると、女系天皇に 「賛成」 とする回答は立憲民主が71.1%で、自民も62.3%と高い。 女性宮家創設への賛成者は自民67.8%、立憲58.2%とむしろ自民支持者の方が10ポイント近く高い。

 また、設問によってこれらとは矛盾するような結果も表れている。 男系男子の皇族を増やすため、戦後に皇籍離脱した旧宮家の復帰を認めてもよいかとの質問に対しては、 「認めてもよい」 (42.3%)が 「認めない方がよい」 (39.6%)を上回った。

 旧宮家をはじめとする男系男子の血統を持つ人々の皇籍復帰や養子縁組案については従来、 「長年民間で暮らしていることから国民の理解は得られない」 との指摘が有識者や政府、マスコミらから出ていた。 ところが、国民意識は必ずしもそうだとはいえない。

 もっとも、男系男子の皇籍復帰への賛否は支持政党のカラーが出ており、自民の賛成50.7%( 反対35.2% )に対し、立憲は賛成31.3%( 反対57.0% )だったのは特徴的だった。




( 2019.05.15 )

 


 世論調査で、極めて深刻な結果が出た。 「女系天皇」 に賛成が64.2%で、 「女性天皇」 に賛成は78.3%だったのだ。 女系天皇の誕生は 「皇統の終わり」 を意味するものだが、その危険性が明確に理解されていないようなのだ 皇室制度に詳しい麗澤大学の八木秀次教授に聞いた。
万世一系とされる皇統は一貫して男系継承で、天皇の正統性の根拠といえる126代の天皇はこの原理を外れたことはない皇位継承を、感情論や女性活躍といった次元で論じてはならない
 八木氏はこう語った。

 まず、 「女性天皇」 と 「女系天皇」 はまったく違う。 女性天皇は過去に8人10代存在したが、すべて男性の天皇や皇太子の皇女だった女性が即位されたもので、 「男系女子」 の天皇である。

 一方、女系天皇は、女性天皇と民間出身の夫の間に生まれたお子さま( 男女問わず )が即位する場合であり、その時点で男系の皇統は終わる。 男系を簡単にいうと、父方だけをさかのぼれば皇室と血のつながりがあることである。
 八木氏は、皇位継承の基本を次のように示す。
(1)皇統は一貫して男系継承
(2)過去の女性天皇は「男系の女子」
(3)女性天皇は、次期天皇(男系の男子)が幼少などの理由で中継ぎ役
(4)女性天皇のお子さま(女系)が天皇になったケースはない
(5)過去の皇統断絶の危機には、別の男系の血筋から天皇となっている
(6)皇位は直系継承ではなく、あくまで男系継承である。
 こうした基本を踏まえて、八木氏は総括する。
「GHQ( 連合国軍総司令部 )占領下だった1947年、皇籍離脱を余儀なくされた旧11宮家の系統の男子に皇籍に戻ってもらうべきだ。 初代天皇以来の男系の血筋を引く家系だ。 その男系の男子を、男性の継承者が存在せずに廃絶する可能性がある宮家に 『養子』 として迎え、宮家を存続できるように皇室典範を改正するのも一案だ。 いずれにせよ、万策尽きるまで、男系継承の道を探るべきだ」


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