( 2016.11.19 )

    






職場でブランケットを使ったりカーディガンを羽織ったりして、
冷え症対策をする女性を見かけませんか?
 一説には日本人女性の70%、つまり4000万人以上が悩んでいるといわれる 「 冷え性 」。 男性も悩んでいるという「便秘」とは違い、冷え症に悩まされるのは今も女性が中心だ。 したがって 「 要するに温めればいいんでしょ、重ね着でもすれば 」 「 手足が冷たいってそんなに辛いことなの? 」 という程度の認識の男性は少なくなく、職場の冷暖房の設定をめぐるトラブルも生じている。 よって、主に男性の立場から 「 冷え性 」 について学び、女性との認識のギャップを埋めていきたい。

 そもそも 「 冷え性 」 とは、手足や全身に 「 冷え 」 を感じて辛いことの総称である。 西洋医学では、ホルモンバランスの乱れやストレスによる自律神経失調症が原因と考えられている。

 人間が気温の変化に関係なく体温を一定に保つことができるのは、自律神経が正常に働き、血流などをコントロールしているからであるが、この自律神経が乱れると体温調節もうまくできなくなってしまう。

 ストレスによる自律神経の乱れは誰にでも起こりうることだし、体温調節の機能にだけ悪影響があるというわけではない。 しかし、男女の体格差によって、体温調節のしやすさは根本的に異なる。 熱をつくり出すための筋肉が女性は男性にくらべて少なく、皮膚の表面温度も低くなる。 さらに女性は貧血や低血圧の人が多いため、 「 冷え 」 が表出しやすい。




 体温調節がうまくいかないと、寒いときはもちろん、通常の室温でも手足に冷たさを感じる場合がある。 前述の男性にありがちな意見のように、 「 温めれば 」 「 重ね着すれば 」 ある程度は症状は軽くなる。 ただし日常生活、とくに勤務時間の中で手足を暖めながら作業するのは難しい。 ソックスの重ね履きにも限度があるだろう。 そもそもの原因が自律神経の乱れにあるので、温めても冷えの感覚がなくなるとは限らない。

「 手足が冷たいってそんなに辛いことなの? 」 という疑問に関しては、ほとんど経験者にしかわからないことなのだが、通常の室温でも身体の一部分にずっと冷えを感じ続けることを想像すれば、その不快さが少しは理解できるだろうか。

 不快感だけでなく、冷え性の人は頭痛、腰痛、肩こりなど自律神経の乱れに起因する、他の症状も抱えていることが多い。 血行の悪さは内臓の働きや免疫力、新陳代謝にも悪影響を与える。 「 手足が冷えて困る 」 という人は、それだけではない最悪のコンディションにあるのかもしれないのだ。

 冷え性への対策は体操やマッサージ、入浴による血行促進、ソックスの上手な重ね履き、身体を温めるとされる食物を摂るなど数多くあるので、上手に生活に取り入れたい。 規則正しい生活、バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動という、いつもの万能薬も効くはずだ。

 日常生活で気をつけていても、もともとの原因が 「 ストレスやホルモンバランスの乱れなどによる自律神経の異常 」 にあるのならば、医療の出番ではないか。 西洋医学には 「 冷え性 」 という病名はないが、現に症状はあるのだから受け皿もある。 近年は 「 冷え性外来 」 を名乗る病院も増えていて、個人の症状に合わせた治療や生活指導が行われている。

 実は、ここまで述べた 「 冷え性は女性に多く、ほとんどの男性には他人事 」 という前提は、一部の男性にとっては他人事ではない。 調査により数字に幅があるが、最も低い数字を採用しても10%程度の男性に 「 冷え 」 の自覚があるようだ。 冷えの自覚があること=冷え性ではないが、その予備軍は少なくないということである。

 男性の冷え性は更年期障害の症状の1つとしても起こりうる。 いまは冷え性とまったく無縁の男性でも、もしかしたら10年後にはストレスと更年期障害の合わせ技で当事者になっているのかもしれないのだ。











女性の半数以上が冷え性!?

 冷え性は女性に多い症状です。 個人差はありますが、女性の半数から7割近い方が冷えをつらいと感じています。 女性は男性に比べると、熱を作り出す筋肉が少ない、皮膚の表面温度が低い、貧血や低血圧の人が多いことなどがその理由と考えられます。 また、月経の影響などで、腹部の血流が滞りやすいといったことも、女性に冷え性が多い理由でしょう。


冷え性と低体温はちがう

 一般に体温を測って36℃未満の人を 「 低体温 」 と呼ぶことがありますが、冷え性は 「 体温が何度以下 」、という考え方とはちがいます。
 冷え性は、 「 普通の人が寒さを感じないくらいの温度でも、全身や手足、下半身など体の一部や全身が冷えてつらい症状 」 とされています。


意外に多い夏の冷え性

 冷え性というと冬を連想しますが、冷房の効いた現代では夏の冷え性も多く見られます。 外の暑さで汗をかき、冷房がきいた室内で冷やされ、汗が乾くときにも熱が奪われて冷え性の原因となってしまうというパターンです。 これに加え、冷たい生ビールをガブガブ飲む、暑いからと浴槽に入らずシャワーですませるといった夏の生活習慣も、冷え性を招きます。




 冷え性は女性に多い症状ですが、男性でも冷え性に悩んでいる人はめずらしくありません。 ある調査では、男性でも約1割の方が冷え性を辛いと感じているようです。


冷えの陰に生活習慣病がかくれていることも

 男性の冷え性の原因は、運動不足による筋肉の減少やストレス過多、生活習慣病による動脈硬化などが関わっているケースが多くみられます。 とくに高齢者では動脈硬化が進み、血行が悪化した結果として冷え性が起こることも多いのです。


調


 わたしたち人間の生命活動を維持する上で大切な働きをしている酵素の働きは、37℃で最も高まります。 そこで、内臓のある体の中心部の温度をつねに37℃に保つために、環境の変化に応じて体温を調節するわけです。

 暑いときは四肢末端や皮膚表面近くにある血管を拡張させ、血液の流れる量を増やすことで外気に向けて熱を逃がそうとします。 それでも足りなければ、汗を出すことで熱を逃がします。

 逆に寒いときは、四肢末端や皮膚表面などの血管を収縮させて熱の拡散を防ぎ、心臓や肝臓など重要な臓器が集まる体の中心部に血液を集めて、体温を維持しようとします。 そのため血液が行き渡りにくくなった手先や足先は、温度が下がるのです。 さらに寒いと、体がふるえますが、これは筋肉を動かすことで熱を作り出そうとする反応です。





 冷え性は、いわゆる体質的な部分だけでなく、生活習慣のなかで冷えにさらされることの積み重ねが原因になることがあります。 このことを、東洋医学では 「 積冷 」 と呼びます。 たとえばエアコンの普及や衣服・食生活の変化、それに夜型の生活やストレスの増大も影響して現代人は冷えを感じやすくなっています。
 「 生活習慣病 」 という言葉がよく使われるようになって来ましたが、食事や運動など生活習慣を改善することで疾病の予防や治療に役立つことが西洋医学的でも、ようやく認識されてきました。
 漢方では古くから衣食住をはじめとする生活全般にわたる注意、つまり 「 養生ようじょう 」 が重視されており、冷え性対策においても、いろいろな角度から日常生活を改善していくことが有効です。




 




 カラダの中心部分の温度である深部体温は、細胞が最も働きやすい37度にいつも保たれている必要があります。
 外気温が下がると、この深部体温を維持するために、手足や表皮の血管を収縮し血流を低下させて、体内の熱を逃がさないようにします。 この状態が長く続くと、手足や表皮に温かい血液が運ばれなくなり、末梢の体温が下がって 「 冷え 」 を感じるのです。 特に、 「 冷え 」 に敏感な人は、それほど寒くない環境でもこのような末梢の状態が起こりがちです。




 ヒトはカラダを動かすときにも頭を使うときにも体内で常に熱を生みだしていますが日常生活が活動的でないと熱を作り出すチカラが弱まります。
 また、胃腸の働きが弱いヒトは、消化・吸収能力が低下しているので、食べる量もおのずと減り、カラダの中で熱を作る力が弱まって、 「 冷え 」 になりやすい傾向があります。
 「 冷え 」 をそのまま放っておくと、血液の循環が悪い状態が続くため、肥満や下痢、肌荒れなど、さまざまな体調不良を引き起こす原因となります。




 「 冷え 」 は、冷える部分や症状によって、大きく5つのタイプに分けられます。 自分がどのタイプに当てはまるのか、確認してみましょう。


四肢末端型
手足の末端が冷えるタイプ
無理なダイエットによる栄養不足や運動不足などにより、熱源が不足するため、熱が逃げないよう手足の血流を減らしてしまう過剰な防御反応が原因
冷え症の典型的なタイプ、特に若い女性に多い

下半身型
下半身だけが冷えるタイプ
血液がうっけつしたり、下肢の血管を調節する神経が腰や臀部で圧迫されたりして、下半身の血流が悪くなることが主な原因
多くの冷え症の人に見られ、特に中高年に多い

内臓型
カラダの中心( 内臓 )が冷えるタイプ
副交感神経優位の体質やアレルギー体質の人に多く、体表面の血流が多いため手足は温かいが、熱が逃げやすいためカラダの中心が冷えてしまうことが主な原因
男性に多い

全身型
カラダ全体が冷えるタイプ
ストレスや不規則な生活などにより自律神経が乱れ、代謝が低下して熱をうまく作れなくなるため、脳が体温の基準値を下げてしまうことが主な原因
自覚のない低体温の場合があり 「 隠れ冷え性 」 ともいわれる
高齢者や子どもに多い。若い男性にも見られる

局所型
カラダの一部だけが冷えてしまうタイプ
坐骨神経痛やヘルニアなどの神経系の障害や、動脈硬化などの循環器系の障害を患っている人に多い
 ※局所型はかかとだけ、ももの横だけ、背中の一部だけ、二の腕だけなど

 冷えを放置すると、いくつかのタイプが組み合わさって、冷えの症状がより重くなってしまうこともあります。







 冷えの症状は、手足が冷える以外にも、さまざまな体調不良があります。 冷えを感じないから大丈夫と思っているあなたも、実は隠れ冷えの可能性が ……。 冷えに関連する症状をチェックしてみましょう!


  

 西洋医学では、 「 冷え 」 は 「 冷え性 」 と書き、病気ではなく 「 冷えに過敏な性質たち 」 とされています。
 一方、東洋医学では、 「 冷え 」 は万病のもととなる 「 未病 」 と捉えられており、 「 冷え症 」 と書きます。 「 冷え 」 は体質だからと思って放っておくと、さらに別の症状を引き起こすこともあります。 本人がカラダの 「 冷え 」 を苦痛に感じれば、その人は 「 冷え 」 だといえます。 自分のカラダの 「 冷え 」 をしっかりと自覚することが大切です。




 「 冷え 」 の原因は、カラダが熱をうまく作れないことと、せっかく熱を作っても手足などカラダの隅々まで上手に運べないことの、主に2つが考えられます。


1 

 胃腸が弱いヒトやダイエットで食事制限をしているヒト、偏った食事や不規則な食事をしているヒトは、熱を作るエネルギー源が不足しています。 また、運動不足のヒト、カラダを使う、頭を使うなどの日常生活で活動が活発でないヒトも熱を十分に作ることができず、カラダが冷えてしまいます。
 筋肉はカラダの熱産生に重要な役割を果たしますが、女性は男性に比べて、筋肉量が少ないため、 「 冷え 」 になりやすい傾向があります。


2 

 体内で熱が十分に作られると、血液とともにカラダの隅々まで温かくなります。
 しかし、せっかく体内で熱が作られても、血液循環が悪いと熱がカラダの隅々まで行き届かず、手足などの末端が冷えてしまいます。 血液循環が悪くなる原因としては、貧血や低血圧、動脈硬化、姿勢の悪さ、運動不足などがあげられます。




 「 冷え 」 で悩む人は、カラダを外側から温めることに気をとられがちです。 しかし、 「 冷え 」 のそもそもの原因は、カラダの内側で 「 熱をうまく作れない 」 「 せっかく熱を作っても、手足などカラダの隅々までうまく運べない 」 ことにあります。
 抜本的な 「 冷え 」 解決の秘訣は、代謝を高めることです! これにより、カラダで熱を作る力が高まり、それがカラダの隅々まで運ばれるようになりカラダ全体が温まるのです。




 エネルギー代謝とは、食事から摂取した栄養素を使って、呼吸や体温維持、運動などあらゆるヒトの生命活動に必要なエネルギーを作り出すことです。 そして、そのエネルギーのかなりの部分が熱を作りだすことに使われているのです。
 エネルギー代謝の内訳は、何もせずにじっとしていても、生命を維持するために必要な 「 基礎代謝( 約60% ) 」、食事を消化・吸収する際に生じる 「 食事誘発性熱産生( 約10% ) 」、歩行やスポーツなど 「 身体活動による代謝( 約30% ) 」 になります。