「肩甲骨ストレッチ」 という言葉を耳にします。 どんな効果があるのか探ってみました。 | ◆ |
肩甲骨は、背中側の左右両肩の下方にある大きな三角形の骨だ。 京都大医学研究科の小林雅彦講師( 整形外科 )は 「胴体と上腕をつなぐ重要な骨で、腕や肩の動きと密接に関係します。 周辺の筋肉は、背筋が伸びて胸を張った、いい姿勢に必要です」 と説明する。 たとえば、指先を真下に向けて腕を伸ばし、そのまままっすぐ前方に上げ、指先が天井に向くまで180度動かす。 この時、腕の上部の関節の動きで動くのは120度ぐらいで、残りは肩甲骨の動きによっている。 肩甲骨周辺の筋肉が衰えたり、猫背だったりすると、両方の肩甲骨が開いて、前方に張り出す。 肩の骨も前方に張り出し、腕の上部の骨に触れて、炎症が起きる。 それが 「五十肩」 の一種だ。 五十肩の予防に役立つ 「肩甲骨ストレッチ」 を習った。 「まず十分に肩甲骨回りの筋肉をリラックスさせましょう」 と小林さん。 肩や首のこりの緩和にも効果的だという。 |
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次は、周辺の筋肉、特に両方の肩甲骨の前側にある前鋸筋を鍛えよう。 肩甲骨の動きや姿勢が良くなる。 手軽な方法は腕立て伏せ。 できない場合、壁やテーブルに両腕をつき、両腕を曲げたり伸ばしたりするといいという。 首と肩甲骨をつなぐ筋肉、僧帽筋や肩甲骨周辺の筋肉の緊張は、首や肩のこりの一因だ。 「特に、長時間パソコン作業をしていると、顔が画面に近づき、肩が前に出て、肩甲骨が両側に引つ張られて開きます。 その姿勢を長く続けると、肩甲骨周辺の筋肉が緊張してこわばり、肩や首のこりを引き起こします」 と、東海大スポーツ医科学研究所の有賀誠司教授は説明する。 予防・緩和には肩甲骨や周辺の筋肉を動かすストレッチ。 「できればパソコン作業1時間に1回はやってほしい。 血行が良くなり、筋肉がほぐれます」 と有賀さん。 | ◆ |
肩甲骨周辺を特殊な生地で軽く固定し、肩甲骨がバランス良く動くように工夫したスポーツ着 「肩甲骨ウェア」 も市販されている。 小林さんは、ワコールの肩甲骨ウェアの効果を調べた。 ウェアを着て練習したバドミントンの選手約10入は、着用後5ヵ月で、ひじを曲げた状態での腕の可動域が約10度広がった。 着用していない選手約10入はほとんど変化がなかった。 ラケットを上から振り下ろす時の筋力は、面用したグループの方が2割弱増した。 「ウェアにより肩甲骨の動きが艮くなって姿勢が安定したためだと考えられます」 と小林さん。 ただし、ダイエット効果まではなかったという。 |
東海大の有賀さんによると、パソコン作業時は両ひじが胴体の横にくる姿勢がいいという。 「両腕が胴体の横にあれば、肩や肩甲骨は自然な状態で、緊張が少ない」 と説明する。 富士通のサイトでは、パソコンを使うときの姿勢を解説している。 ( http://jp.fujitsu.com/about/design/ud/vdt/index_page3.html ) |
突然、肩が上がらなくなる五十肩。 激痛に耐えられず、病院に駆け込む人も少なくない。 五十肩の原因は何なのか、どんな治療法があるのか ―。 |
五十肩は医学用語ではなく、江戸時代から呼ばれている中高年特有の症状。 中年以降に起きる痛みを伴った肩関節周囲炎のほか、特別の原因がないのに痛みで動かせなくなり、時間とともに自然に治癒するが硬くなる凍結肩( 肩拘縮 )などがある。 関東労災病院( 川崎市中原区 )の肩の専門医、岩噌弘志・第2スポーツ整形外科部長は凍結肩について、 「関節包と呼ばれる肩関節を覆う弾力性のある組織が硬くなり、骨に癒着してしまう。 そのため、動きが悪くなって痛みを感じる。 重い物を持ったり、自転車で転んだりして痛くなるケースもあるが、原因がなく突然起きる」 と説明する。 原因は不明だ。 岩噌部長によると、凍結肩は3つの経過をたどる。 発症から治癒までは平均8ヵ月で、血流の悪い糖尿病患者の場合は治癒までに平均2年かかるとされる。 ただ、糖尿病がなくても治癒までに3年かかったケースもあり、個人差は大きい。 |
対処法として、凍結進行期では、痛みを和らげるために鎮痛剤を飲んだり、消炎剤入りの湿布を張ったりする。 完成期に入ったら、消炎剤入り湿布の上にカイ口を当てるなどして、しっかり温める。 痛いからといって動かさないでいると、筋力がどんどん衰え、動きが悪くなる。 リハビリとして、プール歩きやゴルフの素振り、テニスなどでよく動かすとよい。 はり・きゅうやマッサージも個人差はあるが、効果がある人は多い。 ただし、整体などで無理やり動かすと、関節包が内出血を起こし、さらに癒着が悪化する場合があるので要注意だ。 岩噌部長は 「凍結肩の場合、医療機関への受診は不要。 気長に楽しみながらリハビリを続けることです。 ただ、まれに凍結肩だけでなく腱板損傷を合併したり、首の骨の異常から肩が動かなくなったりすることもある。 2~3ヵ月たっても痛みが進むときは受診した方がよい」 と話す。 予防法は、ストレッチがその一つ。 凍結した肩をほぐすときと同様、ぬるめの湯に入り、痛くない範囲で背中の後ろ側に腕を回したり、頭頂部と首の間辺りで両手を組めるように伸ばしたりする。 腕立て伏せの姿勢から右腕と左足、左足と右腕を交互に上げ、肩と肩甲骨の周囲を伸ばすと同時に、筋力を付ける方法も効果的だ。 岩噌部長は 「五十肩の始まりは関節包での( 関節の可動域が制限される )拘縮。 毛細血管の血流が関与しているとみられ、周囲の 筋肉の血流を良くしておくことで予防できるのでは」 とアドバイスする。 |
◆ | 【 腱板損傷 】 関節包の上にある腱板に穴が開いたり、切れたりした状態。 手術で縫合する治療法がある。 人に手伝ってもらうと、腕を上げることができる。 |
◆ | 【 石灰沈着性腱板炎 】 腱板の中に石灰がたまり、炎症を起こした状態。 激痛を伴う。 ステロイド薬の注入が有効。 超音波で石灰を破砕したり、摘出手術を行う治療法がある。 |
◆ | 【 頚椎 症 】 首の骨や椎間板が変形し、肩へ向かう神経を刺激している状態。 首を傾けると肩に電気が走ったように感じる。 |
“太もも” を中心とした下半身の強化を説いた健康法が、幅広い男女から高い支持を得ている。 静脈の血液を上半身に押し上げるポンプである “太もも” は 「第二の心臓」 と呼ばれ、健康や長寿の秘密が隠されている。 また “太もも” などの下半身の強化は、肩こり・腰痛・高血圧・糖尿病・狭心症・便秘・不眠などの症状の改善につながり、さらに太らない体質を作りダイエットにも大きな効果がある。
腰痛を防いだり、改善するためには腰の筋肉を適度に刺激することが大切なので、30分程度は速足で歩きましょう。 速足の目安は男性では1分間に100メートル以上、女性は80メートル以上歩くこと。 ちなみにこのスピードで30分歩くと約180キロカロリーが消費されます。 つまり肥満の防止や解消にも効果があるのです。 肥満は腰への負担を増やす、腰痛の原因の一つ。 30分の速足は腰のマッサージと腰痛の原因となる肥満防止という両方の効果があるのです。 重要なポイントは、30分程度続けないと、腰痛改善には十分な効果が発揮できないということです。 歩き始めて約10分たつと心拍数が上がり、血行が良くなり、体温も上昇し始めます。 この状態になって初めて、身体が運動の効果をスムーズに受け入れることができるようになるのです。 速足歩きだけでも腰痛退治に効果的ですが、速足歩きに 「つま先歩き」 を加えるとさらに効果が増します。 つま先歩きは、健康を支える筋肉・遅筋繊維( 赤筋 )を鍛える運動です。 基礎運動として優れているだけでなく、腰痛のような中高年の方に多い悩みにもピンポイントで効くのです。 ちょっとつま先立ちしてみてください。 ふくらはぎが引っ張られるような感じになりませんか? つま先立ちすると、ふくらはぎの筋肉が鍛えられるのと同時に、日常生活ではあまり使わない殿筋( お尻の筋肉 )やすねの前面にある前脛骨筋、さらに腹筋も鍛えられるのです。 また、つま先歩きをしようとすると、自然と姿勢が良くなります。 ねこ背などの姿勢が悪い人は運動不足で腹筋が弱くなっているため、前かがみになっている場合が多いのですが、前かがみでつま先歩きをしようとすると、重心が前よりになるので倒れそうになります。 そこで倒れないようにするため、自然と殿筋と太ももの後ろ側にある大腿二頭筋が働き、上体をまっすぐに起こし、正しい姿勢になるのです。 椅子に座り続けることが多く、運動不足が続くと、腰の部分を中心に筋肉が衰え、背骨をしっかりと支えられなくなります。 これも腰痛を引き起こす原因となっています。 したがって、腰痛退治には姿勢を良くすることも大事なのです。 なお、つま先歩きはくれぐれも長時間は行わないでください。 やりすぎると足首の筋肉や腱を痛めることもあります。 30分間の速足歩きの中に30秒ほどのつま先歩きを2~3回取り入れていただければ十分です。 軽い腰痛ならこれらの歩き方を始めて1ヶ月で効果が出ます。 重い腰痛でも半年続けると大きく改善しますので、ぜひ、根気よく速足歩き+つま先歩きを続けてください。 |
股関節に関してしばしば思うのは、その名前はよく知っていても正確な位置や構造、しくみや働きになると、首を傾げてしまう人が多いことです。 他の関節に比べ、股関節はいくつもの大きな筋肉に囲まれていて見えにくいことも、そんな理由の 1つかもしれません。 高齢化社会が進むに伴い、変形性股関節症など股関節疾患を抱える患者さんは、非常に目立ってきています。 股関節疾患は、生命にかかわるものではありませんが、それだけに、たとえば痛みの度合いがどの程度生活に影響しているか、手術をするかしないか、どのような運動療法を受けるべきか、といったことで、患者さんご自身の考えや判断も非常に大切になります。 理論武装とまではいいませんが、やはり患者さんも股関節に関する一定の知識を備えることが必要です。 病の正体がわかっていれば、日常のケアやインフォームドーコンセント( 患者が正しい情報を得たうえで合意すること )の必要性などに関しても、より的 確な対応ができるでしょう。 まず、股関節は、骨盤の下部に位置します。 骨盤下部は両側の骨がくぼんでおり、これを寛骨臼といいます。 この寛骨臼に左右の大腿骨の頂点部分( 大腿骨頭 )がはまりこみ、股関節という、人体で最も大きな関節を形成しているのです。 股関節は、体幹と下肢( 足 )とをつなぐ関節であり、直立し、さらに二足歩行を可能にした私たち人間にとっては、進化の象徴ともいえる重要な関節です。 立ったり座ったり、歩いたり走ったり、飛んだりハネたり、体を曲げたりひねったり ……。 こうした他の動物にはマネできない、自在な動きを生んでいるのが股関節なのです。 |
では、股関節はいかなるしくみによって、そうした動きを可能にしているのでしょうか。 医学部の新人生たちに股関節のイメージを尋ねると、次のような答えがよく返ってきます。 「軸部分が球形になっていて、どの方向にも回転するペンホルダー 」これでは、まだ60点の回答です。 確かに、ペンホルダーはあらゆる角度に動かすことができますが、実は股関節は、それ以上に自在になっているのです。 そのカギを握っているのが大腿骨頚部と呼ばれる、いわば大腿骨の “首” です。 ![]() ペンホルダーにはくびれの部分がなく、まっすぐ軸受け( 股関節でいえば寛骨臼 )に接しています。 このちょっとした形状の違いが、股関節の動きをさらに自在にしているのです。 最も特徴的な動きは、内旋・外旋、内転・外転、屈曲・伸展です。 内旋・外旋は、足を内側や外側に回す動き。 内転・外転は、足を開いたり閉じたりする動き。 屈曲・伸展は、ひざを折り曲げて足を前方に上げたり、後方に伸ばしたりする動き。 これらは、ほかの動物には見られない、私たち人間ならではの、すばらしい機能なのです。 老化や事故などで、こうした股関節のしくみが正常に働かなくなると、さまざまな故障が発症します。 たとえば、代表的な股関節疾患の一つである変形性股関節症は、寛骨臼と大腿骨頭が接している部分の軟骨や骨が変形してきた結果、動きが悪くなったり、痛みが生じたりしてくるものです。 こうした股関節疾患、とくに変形性股関節症の予防や改善には、ストレッチなど股関節を鍛える運動も非常に有効です。 もちろん、鍛えるといっても、骨や関節自体を鍛えるわけではありません。 正確にいうと 「股関節を支えている周囲の筋肉を鍛える」 ということです。 股関節は、腸腰筋や大臀筋をはじめとする、さまざまな筋肉によって支えられています。 これらを鍛えてその働きを高めれば、股関節の機能が少々悪くなっていても、大きな不都合は生じEません。 それだけでなく、筋肉が股関節の動きそのものをサポートしてくれるようにもなります。 また、股関節とその支持筋肉の強化が、腰やひざの動き、あるいは痛みの改善につながることも少なくありません。 本来、ひざや腰の動きは、股関節が支点になって連動しています。 ですから、股関節の働きが悪くなれば、ひざや腰にも悪影響を及ぼしますし、当然ながらその逆もあるわけです。 筋肉強化には多少の時間がかかりますが、信頼できる医師や治療家などのアドバイスを受けながら、根気よく続けることが大切です。 |
■ 自宅やオフィスで簡単にできる上半身ストレッチを伝授します!![]() 背中が丸まり、胸やおなかの筋肉が縮むのは、上半身の筋肉バランスが崩れているせい。 テレビを見ながら、オフィスで、イスに座ってできる上半身ストレッチにトライしてみませんか。 胸と背中の筋肉をほぐして美姿勢に 座り姿勢が悪いのは、上半身の筋肉バランスが崩れているから。 「姿勢が悪いと胸の大胸筋やおなかの腹直筋、背中の脊柱起立筋が硬くなります。 座って行うストレッチで上半身の筋肉をほぐせば、正しい姿勢をとるのがラクになりますよ」 |
■ CHECKPOINT◆上半身のここをほぐす!![]() 姿勢別に胸、おなか、背中の硬くなっている筋肉をストレッチ。 毎日、最低1 回以上、疲れを感じた時に行うと体が軽くなる。 |
■ 縮んだ胸とおなかの筋肉を伸ばす![]() 頭が下がって、あごが前に出た猫背姿勢。 垂れバストと下腹ぽっこりの原因にもなる体の前面の筋肉を集中的にストレッチ。 |
■ 縮んだ胸とおなかの筋肉を伸ばす![]() (1)イスに浅く座り、ひざが直角になる位置に足を置く。 ひざは腰幅に開いて、両手は太ももの上へ。 ![]() (2)イスのふちをつかんだら、上体をゆっくりと後ろに倒す。 ![]() (3)首と上体を後ろに反る。 息を吐きながら、首を後ろに反らせて胸とおなかを伸ばしたら、自然呼吸で10秒キープ。 これを2~3セット行う。 |
■ 手でイスの背をつかんでも!![]() 上体を倒して首を反るのがつらい場合は、手でイスの背をつかんであごを軽く上げるだけでもOK。 背中のこりや疲れをオフ! |
■ 反り腰で縮んだ背中をストレッチ![]() 常に腰を反っているワニ姿勢は、背中の筋肉が縮んでいる状態。 背中を丸めながら伸ばすことで、背中のこりや疲れもオフ! |
■ 反り腰で縮んだ背中をストレッチ![]() (1)片脚を伸ばして座る イスに浅く座り、左ひざは直角に曲げ、右ひざは伸ばしてかかとを床につける。 両手は左の太ももの上に置く。 ![]() (2)左ひざを両手で抱える あごを軽く引き、背すじは伸ばしたまま、左ひざを両手で抱えて持ち上げる。 ![]() (3)首から背中を丸める 曲げたひざにぶら下がりながら、首から背中を丸めて、10秒キープ。 2~3セット行ったら、反対側も同様に。 |
■ 背中が丸まっていない![]() ひざを抱えた時に、背中を丸めないと、背中の筋肉は伸びない。 ひざを引き寄せたら、しっかり背中を丸めよう。 |
■ 眠った筋肉を目覚めさせて背中にカーブを![]() ペンギン姿勢は、運動不足で背中のS字曲線がなくなっているタイプ。 S字曲線を取り戻すために、背中と胸の筋肉を刺激! |
■ 反り腰で縮んだ背中をストレッチ![]() (1)イスに浅く座る イスに浅く座り、ひざが直角になる位置に両足をつき、ひざは腰幅に開く。 背すじを伸ばし、両手は太ももの上へ。 ![]() (2)肩甲骨から腕を出す 両腕を肩の高さで上げて背中を丸める。 背中を丸めながら、肩甲骨を押し出すように両腕を前に伸ばして交差する。 ![]() (3)ひじを引いて胸を張る 出した両腕のひじを後ろに引きながら、胸を張る。 (2)と(3)の動きをゆっくりと10回くり返す。 |
■ ただ腕だけを伸ばす![]() (2)のポーズで腕だけを出しても、背中は伸びないのでNG。 背中を丸めながら、肩甲骨から腕を前に出して。 |
![]() 湿布を貼っても腰痛は治らない! 腰痛に悩まされている人は、根本治療ではなく対症療法をとりがち。 その代表が、湿布を貼ることです。 湿布は、痛みの元となっている筋肉の炎症は鎮めてくれますが、腰痛の根本原因にアプローチするものではありません。 ですから時間がたって薬効が切れれば、また痛みが出てきます。 すると多くの人は新しく湿布を貼り替え、切れてはまた貼り替え …… を繰り返します。 その結果、皮膚がかぶれてしまう人も少なくありません。 実は慢性的な痛みは、冷やすより温めるほうが有効です。 ならば温湿布を貼ればいいのでは? と思うかもしれませんが、市販の温湿布のほとんどは 「温感湿布」。 温かいと感じるだけで、本当に患部を温めているわけではないのです。 対症療法で根本原因を放置していると、かえって腰痛が悪化してしまうことも。 湿布の貼り過ぎには注意が必要です。 腰のマッサージをうけると、一時的に痛みが和らぐこともあります。 でもこれは、こわばっている筋肉を揉みほぐしたことで 「気持ちいい」 と感じているだけ。 湿布と同様、根本治療ではありません。 とはいえマッサージは一時的な気持ち良さを味わえるので、繰り返し受けている人も多いでしょう。 これがけっこう危険なのです。 痛みを発生している筋肉に、集中的に強い刺激を与えることで、かえって筋肉のこわばりが強くなり、痛みが増してしまうことも多いから。 筋肉がこわばってしまう原因を取り除かない限り、腰痛が治ることはありません! 腰痛の根本治療となると、病院に行って西洋医学の治療を受けよう、と考えることが多いでしょう。 腰痛で訪れる病院の科といえば、整形外科です。 ですがそこで主に診るのは、骨に異常があるかないか。 レントゲンを撮ってとくに異常が見当たらなければ、 「腰痛症」 という診断が下り、結局は対症療法として湿布と痛み止めが処方されるだけなのです。 さらに病院では、痛みが改善しない場合、根本治療として手術を提案されます。 これも受けて完治するのなら良いのですが、実際には痛みが残ったままだったり、 「足のしびれが強くなった」 などとかえって悪化したりする方もいます。 また女性は筋肉が少なく骨も弱いため、残念ながら、手術を受けても腰痛が再発しやすいのが実情なのです。 では腰痛を根本から治すには、どうしたらいいのでしょう? よく 「腰痛は運動不足が原因」 という話を耳にします。 たしかに腹筋や背筋を鍛えることは、腰痛を和らげるためには大切です。 でも多くの人は、なかなか左右均等に鍛えられないため、運動をしてもかえって腰痛を悪化させてしまうことが多いのです。 人の体にはクセというものがあって、誰しも左右どちらかに傾きながら動かしているものです。 左右均等に動かしているように思える腹筋や背筋運動でも、実際は多少の偏りがあります。 そのため、やりすぎると偏ったまま筋肉がついてしまい、かえって背骨や骨盤に負担がかかるようになってしまうのです。 腹筋や背筋ですらそうですから、ゴルフやテニスといった、左右に偏りのあるスポーツは尚さら。 腰痛を治すために始めた運動で、反対に腰痛を悪化させてしまっては、本末転倒ですよね。 |
腰痛というと、腰のどこかに悪い部分があり、それによって痛みが引き起こされている、と思いがち。 でも実際は、腰以外の違うところに痛みの原因がある場合が多いのです。 その三大要因が、次の3つになります。意外かもしれませんが、腰痛の原因は腰からは離れた部分に潜んでいることが多いもの。 この3つを一気に解決してくれる方法があるんです。 腰痛になる主な原因は 「背骨のゆがみ」 「左右非対称な足の使い方」 「血流の悪さ」 にあるとのこと。 この3つを一気に改善する 「朝30秒の正座」 のやり方をご紹介します! |
正座をすると膝が痛い、といった人は、お風呂タイム中に、湯船の中でおこなってください。 お湯の量は、浴槽内で正座したときにおへその少し上にくるくらいまで入れます。 この状態で正座をおこなえば、お湯の浮力によって膝への負担が減りますので、足首 や膝の痛さも軽減できるはず。 湯船の中での正座に慣れたら、様子を見ながら、床やマットの上でおこなうようにしていくといいでしょう。 |
正座をすると骨盤の位置が安定しますから、骨盤から伸びる背骨も正しいS字カーブを作れるようになります。 また、正座は両足に同じ力の圧をかけるので、左右不均等になっている足首やひざの筋肉、関節の状態を均等に戻してくれるのです。 さらに普段は圧があまりかからないふくらはぎにバランスよく圧がかかるため、血流が促されます。 血流が良くなると全身の筋肉が柔らかくなりますから、背骨がしっかり支えられるようになり腰痛が改善される、というわけなのです。 |
それならもっと長い時間正座をおこなえば、より効果があるのでは!? と思うかもしれません。 でも腰痛改善には、30秒で十分なのです。 というのも、運動時の血液は約30秒で体を一周しているのですが、正座をしたときも、ふくらはぎに圧がかかることで血液は約30秒で体を巡るようになるのです。 つまり、30秒で充分に血流はアップしているということ。 長さよりも大事なのは、毎日続けることです。 わずか30秒でも毎日続ければ、脳がそれを記憶し、 「この姿勢を維持しなさい」 と筋肉に指令を送るようになります。 そうすると、朝の30秒だけでなく普段の生活においても、自然と正しい姿勢が取れるように。 つまり朝30秒の正座は、腰痛が起こりにくい体のクセをつける目的もあるのです。 |
起きているとき、心臓は脳に血液を送るためしっかりポンプを働かせています。 反対に寝ているときというのは、体を横にしていますから、心臓がそこまで頑張らなくても脳へ送る血液量を一定に保てます。 また寝ているときは筋肉は動いていませんから、起きているときほど毛細血管にも多くの血液量は流れなくなっています。 そのため、起きて間もない朝は、筋肉がこわばっていて血流も不足ぎみ。 そこから少しずつ体を動かしているうちに、筋肉が目覚めて血流も良くなっていき、脳にも血液が運ばれるようになるのです。 低血圧の人というのは、この心臓から脳に血液を送り出す力が弱い、ということなんですね。 正座はふくらはぎに圧をかけることで血流を良くするもの。 ですから朝におこなうと、休んでいた下半身の血流が促され脳にもしっかり血液が運ばれるようになり、目覚めが良くなるのです。 反対に夜におこなうと、かえって目が冴えて寝つけなくなってしまうこともあるので、避けたほうがいいでしょう。 |
両足のかかとをくっつける正座は、足の内側全体の筋肉を鍛えてくれます。 すると座っていても足が開きにくくなるだけでなく、O脚改善も期待できるのです。 O脚で歩き続けていると体にゆがみが生じ、腰痛が起きやすくなるだけでなく、ひざも傷めてしまう危険が。 O脚に悩んでいる人は、立ち姿が綺麗になるだけでなく、腰痛やひざ痛の防止のためにも正座を始めてみてください。 また正座を続けて姿勢が良くなると、胃腸の働きも改善されます。猫背は内蔵、とくに胃腸を圧迫して消化機能を妨げてしまう、という問題があります。 どうも胃腸が弱い …… と悩まされている人にも、30秒正座はオススメ。 何より、姿勢が良くなると内蔵の働きが正常化し代謝機能が高まりますから、太りにくくなるというダイエット効果も。 腰痛改善だけでなく、様々な美容・健康効果も期待できる 「朝の30秒正座」。 ぜひ試してみてください! |
今、 “開脚ブーム” と呼ばれる状況が続いている。 それを牽引しているのは、バレリーナのような美しい180度開脚にあこがれる女性たち …… と思いきや、じつは世の男性たちも開脚に対して高い関心を寄せているという。 「筋肉デザイナー」 として股関節ストレッチスタジオを開設・運営し、新刊となる 『体がかたい人でもラクに開脚できるようになる本』 をまとめた藤本陽平氏に、 「男性が開脚で得られるメリット」 について聞いた。 |
「開脚」 というと、何となく “女性向けのもの” というイメージを持つ人が多いと思います。 かくいう私もそうでした。 女性が理屈抜きで 「きれいな180度開脚をしたい!」 と望むのに対し、やや理屈っぽい傾向のある男性の場合、 「開脚なんかやって何の意味がある?」 と冷めた目で見ているだろう、と。 しかし、いろいろな人の体を見てきた経験をもとにあらためて考えると、開脚は特にデスクワーク中心に働く男性にもピッタリなのではないかと考えます。 ホルモンバランスと筋肉量の影響で、男性は股関節の筋肉が硬くなりがちです。 けれども、女性に比べ狭くて縦長な形の骨盤は、開脚動作に向いているように思います。 日頃 「あぐら」 をかくなど、男性は股を開く動きにじつは慣れ親しんでいるのです。 別に開脚できないからといって困るわけではないのですが、数あるストレッチのうち、開脚という動作の運動効率がいいのは間違いありません。 なぜなら、股関節は体の中で肩の次に動かしやすい関節で、体でもっとも筋肉が集まっている部分だからです。 ■ 開脚すると、ねこ背が治る 開脚で得られるメリットはいろいろありますが、1つは見た目が変わることです。 仕事上でも相手の信頼感を得るには、すっきりした姿勢は大きな武器になりますが、この信頼感を揺るがし、実年齢よりも老けて見られる要因の1つになるのが 「ねこ背」 でしょう。 ねこ背は、無理に背筋を伸ばしたりしても治りません。 背骨の根元にあたる股関節が硬くなっていることで、腰が丸まってしまっているからです。 例えるなら、股関節は “体の土台”。 股関節が硬くなって腰が丸まった状態は、基礎工事をしていない土地にビルを建てたようなもので極めて不安定です。 開脚に取り組むことで体の土台、つまり股関節に柔軟性が出てくれば、安定性のある体勢に調整しやすくなり、背筋が正しい状態に収まってくるのです。 股関節に適度な柔軟性があれば、姿勢を保つのもラクになる。 開脚を通じて姿勢をよくしていくことで、より若々しく見られるようになるわけです。 |
■ 開脚すると、体の痛みがとれる 腰痛にも効果があります。 腰痛で悩んでいる人がいると、私はまずお尻の筋肉が硬くなっていないかを疑います。 お尻の筋肉が硬くなり、突っ張ることで、腰に痛みが生じているのです。 この場合は安静にしていても改善しません。 動いたほうがいい。 筋肉を動かすにあたっては 「筋トレしなさい」 と言われることも多いのですが、まずは縮まってしまっている筋肉の長さをストレッチでもとどおりに戻すことが先決でしょう。 特に、朝起きたときに腰に違和感があるという人は、前日の就寝前に開脚を通じたストレッチを行うのがお勧めです。 私はよく 「朝起きたときの体の具合の良しあしは、前日の体の動かし方の 『結果』。 前日にストレッチしておけば翌日の痛みは軽減されます」 とお話ししています。 ■ 開脚すると、疲れがとれる 病気でもないのに慢性的に疲れている人は、 「体を動かしていないから疲れている」 可能性が高いです。 特にデスクワーク中心のビジネスマンの場合、頭は使っていても体はあまり使っていません。 長時間、座位の姿勢をとり続けていると、体の筋肉は硬くなり、筋肉の中を通っている血管やリンパ管が圧迫されます。 これが 「疲れ」 の原因となります。 スポーツの世界には 「アクティブレスト」 という言葉があり、日本語で 「積極的休養」 などと訳されます。 たとえば、アメフトの選手が試合翌日にあえてウォーキングなどで体を動かし、疲労回復につなげるという手法がこれですが、開脚を行って血流がうながされることでも、疲労を癒やす効果が得られるのです。 出張での長時間のフライトや時差ボケが生じたときなどに、あえて体を軽く動かしたほうがラクになるというのもこの例です。 なお、疲れすぎたとき誰かにマッサージを施してもらったりするのを私は否定しませんが、疲労回復には、やはり 「自分で筋肉を伸ばすストレッチ」 が最適だと思います。 ■ 開脚すると、メタボが解消する 開脚には意外な効果もあります。 開脚をすると結果的に体が軽くなり、動きやすくなります。 たとえば、階段の上り下りがラクになれば、以前よりも積極的に階段を使おうという意識が働くようになり、結果、活動量が増えて脂肪が燃焼する効果を期待できます。 お腹が出てメタボを気にする中高年男性のうち、腹筋運動や体幹トレーニングでダイエットを試みようとする人も多いのですが、それよりも、開脚動作を通じて股関節まわりをリセットしてあげるほうが大切。 姿勢が改善するだけで、ある程度お腹が引っ込むことにもつながります。 筋トレをするなら、そのあとでも全然遅くはないのです。 男性の場合、積極的に日々運動している人と、まったく運動しない人が極端に二分される傾向があります。 体の不調が出たり太ったりしてからあわてて運動をはじめようとする人もいますが、やはり普段から少しでも体を動かしておくのがベターです。 こんな状況で、手軽に取り組める 「開脚」 はまさにうってつけなのです。 何も無理に180度開脚を目指さなくても大丈夫。 人間の体には 「参考可動域」 という、関節がどのくらいの角度まで動くかの指標があります。 じつは、股関節の参考可動域は左右45度ずつで、合わせても90度。つまり、180度開脚の半分もできれば日常生活ではほぼ支障のないレベルであり、それ以上は 「できる範囲」 でやっていけばいいのです。 |
![]() ![]() 【1】 ① ベッドなどに左半身を乗せて仰向けになる ② 片脚のひざを立て、それを両手で抱える ③ 床に降ろした脚の股関節( 腸腰筋 )を伸ばす( 脚を換えて交互に )⇒ 左右各20秒 ![]() 【2】 ① いすなどに浅めに座る ② 足首を片脚の太ももに乗せ、上半身を前傾させる( 体重を乗せる感じで ) 背中が丸くならないよう注意し、脚を換えて交互に行う ⇒ 左右各20秒 ![]() 【3】 ① 低めのソファーやバランスボールなどに寄りかかり、可能な範囲で両脚を広げる ② 背中を伸ばしてつま先を上に向ける ⇒ 1分 |
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こんな人こそストレッチを! すこし手を止めて、いまの自分の状態を観察してみてください。 以前より呼吸が浅かったり、体が力みがちだったり、無意識に奥歯にギュッと力が入っていたりしませんか? あるいは眠りが浅く、朝起きても疲れが取れていなかったり。 これは、仕事や家事で体が働きすぎになり、交感神経優位の状態になっているせいかもしれません。 交感神経優位とはすなわち戦闘モード。心が休まっておらず、体がつねに緊張状態のままなのです。 そんな体を副交感神経優位の状態に誘導し、心も体も和らげてくれるのがストレッチ。 ここでは、より効果的なストレッチで、働きすぎの体をほぐすための5つの知識をご紹介します。 |
仕事やゲーム、読書などに熱中して同じ姿勢を続けていたら、肩や首が痛くなった、という経験は誰にでもあるはずです。 本来、筋肉というのは収縮と弛緩を繰り返すものなのですが、同じ姿勢を続けていると、収縮のみが行われ、弛緩することができなくなるのです。 すると、体の中でなにが起こるかというと、 ● 収縮した筋肉が血管を圧迫し続けるため、血流が悪くなるつまり、酸素や栄養は来ない、老廃物はたまっていくで、痛みが生じるわけです。 これがコリの正体です。 |
これはそのとおりで、適切なストレッチによって筋肉を動かすことで、悪くなっていた血流がよくなり、酸素や老廃物の運搬も、老廃物の排出も十分に行われるようになります。 血流というと心臓がポンプの役割をして生み出すもの、と思っている人が多いと思いますが、それは動脈の場合。静脈には心臓の力はほとんど及んでいないのです。 では、どうやって静脈の血流が生み出されているかというと、筋肉の収縮と弛緩がポンプの役割を果たしているのです。 筋肉の柔軟性を高めると 「筋肉ポンプ」 がスムーズに働くようになり、コリや疲労の軽減にもつながるわけです。 筋肉の緊張が緩み、リラックスする効果も 加えて、ストレッチをすることで、次のようなメリットがあります。 ● 関節が大きく動くようになり、動きやすい体になるこれによって筋肉の緊張が緩み、リラックスする効果があります。 寝る前に行えば、よりよい眠りを得る効果もあります。 |
これもそのとおりで、凝っているところだけ狙っても、すぐにコリは戻ってしまいます。 「症状とは結果である」 自分の症状は何が原因か、考えてアプローチすることで、効果を高めることができます。 たとえば、こんな感じです。 このように、痛い部分だけでなく、関係するまわりの部分からほぐしていくほうが、コリがスムーズに緩和し、よい状態が長く続きます。 また、上半身のつらさで悩んでいる方は、血流を改善するために股関節や足首といった下半身のストレッチがオススメです。 特にふくらはぎのポンプ作用は重要で、ここをほぐすと体全体の血流の改善が期待できます。 |
ストレッチは、体が硬い方でももちろん効果があります。 自分の感覚で 「伸びているな」 と感じられればOKです。 よく、ヨガなどで先生と同じポーズを目指してケガをする人がいます。 でも同じポーズじゃなければいけないということはありません。 あくまで自分の感覚で、伸びを感じる角度がベストです。 力を抜いて少しずつ、気持ちよく行うことが大切。 伸びやすいお風呂上がりがオススメですが、日中でも、気がついたときに伸ばす習慣をつけるのがいいでしょう。 継続すれば、筋肉は徐々に柔軟性が増していきます。 「体が硬い」 と疲れやすい ただ 「体が硬い」 というのは、関節の動く範囲が狭いということです。 これは動作をスムーズに行うことが難しいということであり、つまり疲れやすいということです。 逆に言うと、軟らかさが出てくれば、体がスムーズに動くようになって疲れづらくなります。 体が硬くてもストレッチはできるけど、軟らかいほうが疲れにくくてよい、ということです。 |
せっかくストレッチをするなら、同じ時間と労力でもっと効果を得たいもの。 ここではストレッチの効果を倍増させる6つのワザを紹介します。 (1) 伸ばす筋肉をイメージしよう 何も考えずにストレッチをしても思うような効果は得られないもの。 伸ばす筋肉をイメージして行うことが重要です。 (2) 脱力すること ストレッチは安定した姿勢をとり、脱力して行いましょう。 力んでいては、十分に伸ばすことはできません。 (3) 呼吸を意識する 呼吸は吐くときが重要。 ゆっくりと息を吐いていくと副交感神経が優位になってリラックスし、脱力もしやすくなります。 ちなみに、息を止めながらストレッチをする人がいますが、あれはNG。 「ゆっくりと吐きながら」 がポイントです。 (4) 動かすべき関節と固定すべき関節を意識しよう ストレッチは、目的となる関節だけを動かし、それ以外は固定することが重要です。 その際、どの関節を動かし、どこを固定するかを意識しましょう。 たとえば、肩まわりのストレッチをするとします。 そのとき肩甲骨を固定したまま伸ばすのか、腕の土台となる肩甲骨ごと動かすのか、というように、伸ばしたい筋肉の場所を考えて動かすべき関節と固定すべき関節を意識することが重要です。 つられて関係ない部分まで動いてしまうと、効果が薄れてしまいます。 狙っている関節以外は動かさないよう、上手に固定する工夫をしましょう。 (5) 強さは 「イタ気持ちいい」 くらいで ストレッチは 「イタ気持ちいい」 くらいがちょうどよい強さです。 勢いをつけて伸ばそうとする人がいますが、体のセンサーが作動して、脳が 「これ以上伸ばしちゃダメ!」 という命令を出すため逆効果です。 ゆっくりと伸ばしていき、イタ気持ちいいところまで伸びたら、15~30秒キープ。 これを2、3セット繰り返しましょう。 なにより継続が大事です。 1日2、3回でもいいので、お風呂の中、寝る前、あるいはオフィスでの空き時間など、ちょっとした時間に行う習慣をつけましょう。 また、十分に体が温まった状態で行うようにしましょう。 冷えた状態で伸ばすと、筋肉がダメージを受ける可能性があります。 (6) 体全体の柔軟性のバランスを考えて いろいろなポーズをやっていると得手不得手が見えてきます。 得意なポーズというのは、関係する部分がすでに柔軟である場合が多いのです。 逆に苦手なポーズは関係する部分のどこかが硬いから苦手なわけです。 ですので、苦手なポーズほど何度も繰り返して硬い部分を柔軟にしていきましょう。 硬い部分を放置すると体がアンバランスになり、ケガや姿勢悪化の原因にもなります。 ストレッチをして体が柔軟になると、 「体ってこんなに軽いものだったんだ」 と気づくことができます。 柔軟性が高まると関節を動かしやすくなり、血流もよくなるので、体が軽くなりアクティブに動きたくなります。 血流がよくなれば、頭も冴えるので、仕事の効率もよくなります。 朝の目覚めもよくなり、思考もポジティブになります。 ぜひ毎日の習慣として、ストレッチを取り入れてみてくださいね。 |
![]() 眼精疲労からくる肩こりや頭痛に悩まされる人が増えています。 仕事でもオフでもパソコンやスマホをたくさん使うため、手のコリに始まって腕の筋や僧帽筋が固まり、肩と首が張る、作業し続けて猫背の姿勢が続き、肩が前に入ってしまって肩甲骨まわりが固まるなどいろいろなパターンがありますが、こういった肩こりから発生する頭痛は 「緊張型頭痛」 と言われるもの。 緊張型頭痛の場合、たいてい頭皮もカチコチに固まっています。 頭皮を触る習慣がない方が多いと思いますが、毎日触り続けていると、顔がむくんでいるときは頭皮がブヨブヨしている、 まぶたが重く感じたり、目が小さくなったりしているときは頭皮がキツく張っているなどの変化がわかるようになってきて、顔と頭皮は繋がっていることを実感するはずです。 また頭皮は顔だけでなく、首や僧帽筋、肩甲骨まわりにも繫がっているので、頭皮をほぐすことは、頭痛や肩こりの改善に大きく関係するのです。 目の疲れは側頭部から後頭部にかけてのハリを招くので、後頭部を柔らかくすれば、眼精疲労を和らげることができます。 東洋医学には、 「ツボ」 という概念があります。 人間は 「気」 「血」 「水」 の3つの要素で構成されていると考えますが、その 「気」 と 「血」 の通り道は 「経絡」 と呼ばれ、人間の体には経絡が張り巡らされています。 主な経絡は12本あり、胃や大腸など五臓六腑の何かに繋がっています。 一本の経絡とは、身体の奥深い部分を走っていたり、身体の表面部分を走っていたりもして、ある特定の内臓に繋がります。 その身体の表面の浅い部分を走っているところの反応点が 「ツボ」 なのです。 21世紀に入り、WHO( 世界保健機関 )でも 「ツボというものが存在し、そこを刺激すると身体がよくなる」 というのが認められました。 そこで認められたツボというのが360個前後あるのですが、そのうちの多くが首から上に集中しているのです。 頭を刺激すれば、何かに繋がるツボに当たるといっても過言ではありません。 ツボには内臓の不調や不具合を整えてくれるので、頭のツボを刺激することになる頭皮マッサージは、非常に効果的なのです。 |
固くなった頭皮をほぐして血流を促すには、マッサージしかありません。 マッサージの際、とくに押さえたいツボが2つあります。 ひとつめは 「百会(ひゃくえ)」 と言って、たくさんの経絡が通っているツボ。 耳を頭頂部で繋げたところと、顔の中心部を走る正中線が交差する点です。 漢方では、万物は 「陰陽」 に分かれ、陰陽で一対を成すという考え方 「陰陽説」 があります。 人間の身体の前側は陰、背中側は陽とされていて、この陰と陽が交わるところが 「百会」。 陰陽のバランスが整っているのが体にとってベストの状態なので、ココをほぐして巡りをよくしてあげましょう。 もうひとつは 「風池( ふうち )」 というツボです。 漢方の世界では、 「風」 は上に行きたがる性質があるとされています。 忙しくなると頭がポーッとしたり、目が充血したりといった症状がでてくるのですが、これは身体の上部( 首や頭 )に風が溜まっている状態。 風池を刺激してあげると、そういった症状がラクになるほか、イライラや情緒不安定な状態も改善してくれます。 頭皮の揉みほぐしにおすすめのアイテムと言えば、れんげです。 100円ショップなどでも販売されていて、カンタンに手に入ります。 以下に、れんげを使ったマッサージをご紹介しますので、ぜひトライしてみてください。 そのほか各メーカーから出ているマッサージ用のヘアブラシはもちろん頭皮の刺激に有効ですし、 「かっさ」 という道具もあります。 かっさとは中国の民間療法で、血の毒素を削るというものなのですが、そういったツールを使えば、非常にほぐしやすいです。 手を使う場合は、指の力では弱いので、げんこつでもみほぐすのが良いでしょう。 ゴリゴリとした感触があって押すとかなり痛いのですが、そのゴリゴリこそ、毒素の塊。 揉みほぐせば、頭がグッと軽くなるはずです。 ほぐす際は、痛気持ちいいくらいの強さが〇。 ただし、やりすぎると揉み返しが来る場合があるので、気を付けてください。 髪の毛を洗う際には、頭皮を動かすように洗うことを意識してみて。 ただシャンプーやトリートメントなどのヘアケア製品は、あくまでも 「髪の毛」 のケアを目的にしたものであって頭皮用ではないので、頭皮にいいというわけではありません。 頭皮用のケア製品は血行促進などに特化しているので、ヘアケア用と頭皮用ケア製品と、使い分けるのが理想的です。 アウトバスでマッサージオイルなど頭皮ケアを行い、血流をよくしてあげるというアウトバスの習慣をつければ、柔らかい状態の頭皮をキープできます。 |
耳の後ろから後頭部にかけて、れんげの柄の部分を当ててゴリゴリとほぐし、毒素を浮かせる。浮かした毒素を、れんげの柄の部分で首筋に沿って下へと流していく。 |
首と頭の境にあるくぼみ 「風池」 のツボを、れんげの柄の部分でゆっくりと圧をかけて押してほぐし、首筋に沿って流す。![]() |
「風池」 のツボにれんげの柄の先を当てて、痛気持ちいいぐらいの圧をかけて押し、流す。 頭皮以外のマッサージ法も! |