( 2015.03.18 )


証してみた!
(1) クレーマー
(2) 非常識で理不尽なクレーマーに店員が悲鳴
「ブラックな職場環境以上に恐ろしい」
(3) ネットの普及で“ゲーム化”した 日本のクレーム文化
(4) 面倒くさいモンスター高年者が急増?
自分の非を認めず怒る、 的外れの説教、マナー無視…
(5) お客をあざ笑う 「モンスター飲食店」 仰天体験談
(6) 「モンスター顧客」 犯罪寸前クレーマーたちの事件簿
(7) サービス業に蔓延 「悪質クレーム」 の被害実態
4人に3人が遭遇!法整備に向けた動きも…
(8) 洋菓子店3200店にクレーム“1万2000回”
超モンスター級の常習犯を生んだ「小さな成功体験」とは?
(9) 
退




クレーマー


  

《飲食業》

<居酒屋> お酒も入り横柄になりがちな居酒屋の客。 店員側からすればどんなクレームは 「店側にも非がある」 と納得できるものなのか、はたまたどんなクレームが 「理不尽すぎて許せない」 ものなのか?

「『料理がマズいから謝れ!』 と恫喝された」 ( 37歳・男 )というのは、 「実際にそのセリフを口にするかどうかは別にして、( 本当に料理がマズかったのなら )言いたくなる人の気持ちはわからなくもない」 と納得して受け止めるあたりはプロの料理人ならでは。

しかし、 「ご案内の順番をお客さまが勘違いされて激怒。 土下座までさせられた」 ( 37歳・男 )、 「烏龍茶を客の足に少しこぼしてしまったとき、 『出るとこ出るぞ』 とすごい剣幕で言われた! それほどのことか? と」 ( 28歳・男 )と、酒の入った客の、店員のケアレスミスに対する間尺に合わない暴発は 「許せない」 となるようだ。

さらに、 「酔っぱらい客がなんと、フロアに盛大にリバース。 そのとき、その酔っぱらいが口にしたひと言が、 『この店、トイレまで遠すぎるんだよ!』 ですよ」 ( 31歳・男 )はもう、許せないというより、笑うしかない。

<カフェ> 「隣のテーブルにコートの裾をひっかけて、他人のコーヒーを倒したお客さまが宣ったのが 『店内が狭すぎるのよ!』」。 本人の不注意も否めないが、 「確かに隣のテーブルとの距離が20cmくらいしかないのは、雰囲気より儲け主義のオーナーにも非があるけれど、その客の体形もかなりぽっちゃりで ……」 ( 31歳・女 )と、微妙な納得ライン。

「『店内禁煙とか勘弁して。 彼氏の機嫌が悪くなっちゃったじゃない!』 という若い女、完全に八つ当たり!」 ( 27歳・女 )など、総じて都合の悪いことは全部妖怪、もとい店のせいにされると、さすがに店員側の許容範囲を超えるのだ。



  

《販売業》

<コンビニ> 老若男女を相手にするコンビニ。

「研修中の店員がレジをやっていると 『早く!』 と言われたりします。 コンビニはスピードがウリみたいなところはあるから納得せざるを得ない」 ( 31歳・男 )

とまあ、クレームの数や種類もさまざまなためか、コンビニ店員には諦念のようなものが漂う。

「レジのモニターの年齢確認のお願いに対して、 『オレが10代に見えるか!』 と怒られることしばしば。 気持ちはわかりますが、バーコードを読み取ると勝手に表示されるように設定されているので、僕に怒られても ……」 ( 30歳・男 )

許せる許せない以前に 「そう言われても」 というような案件が販売系はどうも多いようで ……。

<携帯電話会社> 「説明書が 『ぶ厚くて読む気にならない』 『わかりにくい』 というのは、ぶっちゃけ同感」 ( 36歳・男 )できるが、 「『使い方がややこしい』 『充電がすぐなくなる』 『価格が高い』 と言われても ……」( 同 )、 「子供が壊した携帯を 『壊れやすい携帯だ! カネ返せ』 と言われた」 ( 34歳・女 )など、為す術のない苦情に悩まされる。

<書店> 穏やかな空気が流れる書店も、聞けば苦情の嵐。

「そもそも立ち読みしてる客が 『立ち読みの客がムカツク』 と抗議」 ( 48歳・男 )されても、困っているのはお店のほうでして。

一方、 「子供連れの母親に 『コロコロコミック』 のそばに露出の多いグラビア雑誌を置くな」 と言われたときは 『それもそうか』 と思った」 ( 42歳・男 )、 「文庫の棚を出版社で分けるのは本屋の都合だろうと言われた」 ( 48歳・男 )のは思わず納得したそうな。 書店の棚も店の個性なんだけどね ……。

<スーパー> ただ、並ぶ商品に文句をつけるのも次のようなケースは論外。

「無農薬野菜を買った客が 『虫がついてたわよ!』 『ドロが多くて洗うのがめんどう!』 と文句たらたら。 農薬まみれの野菜食ってろ! と心で毒づいた」 ( 29歳・女 )

「閉店間際、缶ビールと空揚げと弁当を買った男性が翌朝、弁当を返品に来た。 理由は 『缶ビール飲んで空揚げ食べたら腹いっぱいで、弁当はいらん』 だと」 ( 38歳・女 )

許せないけど、店員は笑顔の下で言葉を呑み込むしかないとは理不尽なり ……。

<アパレル> また、返品問題でショップ店員が憤懣やるかたないのがアパレル。

「家で着たら印象違ったからくらいは許せるけど、 『プレゼントでもらったんだけど、使わないから、現金に換えてほしい』 とゴリ押し」 ( 38歳・女 )や 「飽きた と返品してくるご婦人」 ( 28歳・女 )は、やはり許しがたい存在。 こんな話に 「やはり女は厚顔で ……」 なんて言ったら、これまたクレーム案件になるわけだ。



  

《サービス業》

<トリマー> 「“毛玉取り” は 『犬がかわいそう』 と言われた」 ( 27歳・女 )というクレームは理不尽に感じるかと思いきや、 「普段当たり前に思っていることも人によって感じ方が違う、と考えさせられた」 と許すトリマーだが、 「飼い主さんから 『短く 』 と言われたので、店では一般的な1cm残しの長さでカットしたら 『短すぎる!』 と怒られた」 ( 27歳・女 )となると、最初から具体的な長さを言えとキレたくもなるようだ。

<冠婚葬祭> 店員が告白した [ 許せる / 許せない ] クレームの境界線 あるいは、結婚式場での 「写真がブスに写っていて気に入らない!」 というクレーム。

「『いや、見たままですよ』 とも言えず、かなり修整をしたら満足いただけましたが、もはや別人 ……」 ( 42歳・男 )と、周囲には理不尽だろうが、このへんは慣れたもの。 納得ずくで修整可能。

逆に 「最近はキラキラネームのカップルや参列者が多く、司会者の名前の呼び間違いに関するクレームが多い」 ( 40歳・女 )ことに関しては、 「確認しておくべきだった」 と言いつつも 「内心では、文句を言うのならご両親に、と言いたい」 と怒りも収まらなかった様子。

一方、葬儀の場では 「精進落としの料理が冷めていておいしくない!」 という場所にそぐわぬ苦情。 「こちらは予定の時間通りに出しているのに、挨拶が長すぎて冷めてしまったんです」 と 「許せない」 に一票。 その半面、 「故人の生前のVTRをBGM付きで流す演出に、参列者から 『いかにも泣いてという感じがあざとい!』 と苦情。 確かに我ら 『泣かせてナンボ』 ですから!」 ( 38歳・男 )と、図星のクレームは認めざるを得ないのである。

<公務員> 「水道管の工事に立ち会った際、現場近くのおばちゃんが 『この市はなんでこんなに水道代が高いん? こんなんやったら家の前の川に水汲みに行ったほうがええわ』 とまくしたてられた」 ( 42歳・男 )件では、 「じゃあ解約して水汲みしてくれや!」 と怒り心頭。

「市民課の同期は 『仕事中にネットしてるでしょ!』 と、女性から湯飲み茶碗を投げつけられた。 窓口の端末にたまたま天気予報の画面が出ていたようで ……」 ( 39歳・女 )とはさすがに許せないかと思いきや、 「公務員 = 税金ドロボーという先入観で文句を言われるのは悲しい」 と怒りを通り越して悲しみに打ちひしがれる人も。

「公僕」 なれど、下僕にあらずという心の叫びが聞こえてくる!?



<風俗業> 風俗嬢も驚いた、変態客の斜め上行くクレーム。 ご対面してからの “ハズレ” が付き物な風俗遊びでは、店側も理不尽だろうが納得できるものだろうがクレーム対応は慣れたもの。

「『写真と全然違う!』 は、カメラマンの撮り方がうまかったと返します」 ( 33歳・男 )、 「『性病うつされた!』 には、本当にウチの店という証明はないのですよね? で客は黙る」 ( 42歳・男 )など、言い逃れは簡単なようだ。 むしろ、理不尽というより変態客の理解不能なクレームに困惑するんだとか。

「飲尿プレイを頼んだお客さまから、 『飲んでから半日たち、酷く気分が悪いんだが』 と言われましても ……」 ( 35歳・男 )、 「マゾプレイを望んだ客から、 『キミんところの女王様があまりにも俺の肛門攻めるから、痔になったじゃないか!』 って怒られました( 笑 )」 ( 33歳・男)。

そしてこういう変態クレームは女のコが受けることも少なくない。

「体臭がバラの香りになる薬飲んだら、 『オマエの股間は臭くない、興奮せん!』 と」 ( 22歳・女 )、 「プレイ開始して男性器に触れただけで射精してしまい、 『この野郎、俺は2回戦はできないんだぞ!』 って、それはアナタが早漏すぎるだけでしょ ……」 ( 28歳・女 )。

変態クレームも入店禁止にすればいいだけだが、店側が真剣に頭を悩ませるのが提携ラブホからのクレーム。

「頻繁に “潮吹き” する人気の女のコがいたんですがホテルから 『ベッドを毎回乾かすのが大変。 その娘をまだ雇うなら提携解消します』 と通告され、犬のトイレシートをプレイ中に敷いてもらう案を出し和解しました( 苦笑 )」 ( 35歳・男 )



  

《病院》

<女性看護師
/ 男性医師>
「『貸し出しの車椅子が少ない!』 と言われて増やせば、 『車椅子が多すぎて出入り口の邪魔』 というクレーム」 ( 38歳・女・看護師 )は、痛し痒し、にも思えるが、 「貸し出し状況を見ながら入れたり出したりすれば解決すること」 と、細やかな対処はさすが病院。

「『他の患者より診察時間が短い』 『自分にだけ態度が雑だ』 といった理不尽な苦情は多い」 というが、そこは 「自分は信念を持ってどの患者さんにも公平に真摯に向き合っていると断言できる。 病院なのだし、文句を言う患者さんの体調が悪く気持ちが弱っているせい、と自分のなかで納得することにしている」 ( 26歳・男・医師 )とはドラマのセリフのようなカッコよさ。

「『待ち時間が長い!』 とは、よく言われますが、そんなときは 『ウチの先生はじっくり丁寧に診察する主義なんです~』 と切り返す」 ( 32歳・女・看護師 )など、時に生死とも向き合う場では、瑣末なことに構っている暇はないが、患者のわがままにも真摯に対応。 患者も甘えすぎないようにしたい。

ただ、 「外来の患者さんが待合室に溢れている時間帯に、アポなしで弁護士まで連れてきて、 『診断書を重症に書き直せ』 と長々と迫られても嘘は書けない」 ( 28歳・男・医師 )とルール違反については当然許せんとの声が。

さらに、 「『主人の担当に若い看護師はダメ!』 と言う奥さん」 ( 29歳・女・看護師 )と、バカバカしすぎるクレームにはさすがにキレざるを得ないようだ。



    

《土木建設業》

 「山奥の送電線建設では、数メートルの差で地面が売れなかった地主のひがみがスゴい。 現場に来ては 『クレーンで吊った資材がワシんちの地面の上を通ったからカネ払え』 と何時間もゴネる」 ( 42歳・男・電気 )、 「雪降る夜、高速道路の出口で料金を払わない人がいた。 曰く、 『道路にできた轍の幅がワシの車と合わへんから払わん』」 ( 42歳・男・道路整備 )とか、思いもよらない言い分が飛び出すことも。

《海外事業》

 「海外単身赴任中の社員のお子さんに 『会社がおとうさんを外国に行かせたから、おかあさんが寂しくて浮気をしている。 家族がバラバラになったら責任を取ってくれるんですか!?』 と泣かれたことがある」 ( 42歳・男・商社 )、あるいは、 「某企業の海外工場を請け負ったとき、その地域の治安が悪くなり、 『何でそんな場所を選んだ?』 と嫌み」 ( 32歳・男・建設 )など。

《IT系》

 また、 「『連絡はメールではなくフェイスブックでDMを送ってください。 DMはすべて見てますから』 と言うクライアント。 その通りにしたが返事がない。 すると、 『友達申請してくれないと読まないんで』 だって」 ( 43歳・男 )。 クレームにも業界らしさが滲むようで。

《CM制作》

 「撮影現場で女性タレントが、 『私、歌舞伎揚げが食べたかった』 と言い、ドン・キホーテまで買いにダッシュ」 ( 27歳・男 )なんて、ギョーカイ感満載だ。

《化粧品メーカー》

 「『イメージキャラクターのタレントが気に入らない、代えろ!』 と言われることがあります。 が、“おとなの事情” なのでどうしようもありません」 ( 35歳・女 )
 そう。 皆、おとなの事情と折り合いつつ仕事をしている。 お互いさまだと思えば、理不尽なクレームもなくなるはず、なのだけど。 …… だが、夫婦関係や国の治安や雪の轍は、残念だがどうにもできない。



  


インターネットニュースに寄せられる [ 許せる / 許せない ] コメント

 ネットニュース編集者がクレームを受けた誤字。 万人に無料で読まれるがゆえ、クレームの数もその分多いというのがネットニュース。 そこで、ネットニュース編集者たちに、ありがちなクレーム話を聞いてみた。

 「まず、ネットニュースで多いクレームは、誤字脱字の指摘ですね。 雑誌や書籍のような校正者を入れていないので、誤字脱字が多いんです。 先日も 『香辛料たっぷりのハンバーグ』 という文章を、 『更新料たっぷりの』 と記載して 『それ、どんな料理だ!』 とツッコミが入りました」 ( 28歳・男 )、 「直接取材して原稿を書くよりは、ネット上から情報を拾って書くケースも多い。 以前、法律についての記事を書いたら、プロの弁護士から 『そんな適当な情報を載せるな!』 と怒られました。 反省の一言です」 ( 31歳・女 )などは、送り手側も真摯に受け止める。

 また、一番クレーム対象になりやすいのがニュースの見出し部分。

 「見出しはその記事を読者が読むか、読まないかを選択させる要の部分なだけに、過激なものが多い。 『女性が好きな夜のおかずは○○○』 などの伏せ字系や、 『あの大物アイドルがAVデビュー?』 など実名をぼかした見出しには、 『大した内容じゃないのに、気にさせるような書き方はやめろ!』 というクレームが。 まぁ、クリックしてほしいからこそなんですが」 ( 36歳・男 )などは、確信犯ゆえクレームも勘定のうち。

 しかし、なかには 「『人喰いワニが大暴れ』 とか 『数年間少女監禁男逮捕』 みたいな海外のニュースを配信したら、 『日本の事件だと思ったら大恥をかいた! 国内外どっちで起こったものなのかちゃんと見出しで明記してくれ』」 といった苦情は本文を読めばわかるんですけどね ……」 ( 28歳・男 )といったクレームには不満だという。

 釣り見出しが原因なのか、早合点する読者が問題なのか ……。



  

アタマにきた! と思ったものの …… 己のクレームに玉砕言行録

 正々堂々、己の権利を主張したはいいが、振り上げた拳の行き先に困ったという話も。

 「ホテルでネットがつながらず、怒ったら副支配人がお詫びに来た。 ところが、よく見るとそもそも自分のケーブルが違う。 気づいたものの引くに引けず、 『もうけっこうですから』 とお引き取り願った」 ( 38歳・女 )、 「革小物ブランドの 『4点入り2万円』 福袋を購入。 ホクホクして開けると、革小物3点はよかったものの1点が超しょぼい布バッグ。 『チェーンのB店では革小物3点福袋が1.5万円! このしょぼい布バッグで5000円上乗せとはヒドイ!』 と抗議すると、 『メーカーから仕入れた商品をいくらで売るかは小売店の自由』 とキッパリ。 実はそのB店は全く違うチェーン。 福袋にいちゃもんをつけ福を逃した気分」 ( 40歳・女 )など、勘違いによる苦情は恥ずかしい。

 さらに、 「無職のとき、ハローワークがいつも混んでいて長時間待たされるので、 『そんなに職員の数が足りないなら、よその仕事紹介する前に職員募集したら? 応募するで』 と言ったら、 『国家公務員試験をお受けください』 って若いお姉さんが冷たくひとこと」 ( 44歳・男 )。 正論で釘を刺されたら、もはやグウの音も出ない。

 しかし、たとえ玉砕しても希望を捨てるのは尚早だ。

 「夜通し吠えまくる隣の犬に寝不足でガマンの限界。 警察に通報し犬の遠吠えを聞かせたところ、警官が眠そうな声で 『犬を黙らせに出動しろ、と言うんですか?』 と。 『近所迷惑はやったもん勝ちですか、この国は?』 と応戦したがのらりくらりかわされ退散。 眠れない日々は続いたが、 『犬とババアいなくなれ!』 と念じ続けた1ヵ月後、犬は突然死」 ( 39歳・女 )

 クレームよりも呪いが効いた!?



  

 日々、客のさまざまな苦情や要求に神経をすりへらす現場の人々。客商売では避けて通れない 「クレーム」 とうまく付き合うには?

 「『クレーム』 と一口に言っても、 “正しい苦情” と “いちゃもん” は全く別物です。 ほとんどの場合、お客さまが苦情を言ってくるのは本当に困っているから。 その中には2割ほど “勘違い” もありますが、あとの8割は正しい苦情です」

 そのわりには 「また、いちゃもんか」 と感じるケースも多い。

 「そう捉えてしまうのは、対応能力が低いからでは? 大切なのは、お客さまの話から原因と事実を的確に理解すること。 豊富な知識や経験が必須です。 受け手が不勉強で保身に走るなら、お客さまの心理を察することは難しいでしょう」

 確かに、自分が客側で文句を言ったとき、相手にわかってもらえずイラッとさせられることも。

 「実際問題、悪質なクレーマーなんてごく一握り。 多くの場合、受ける側の対応の悪さがお客さまをクレーマーにしてしまう。 『おっしゃるとおりです』 と受けるべきを、苦情を避けようと突っぱね、相手をどんどん怒らす。 わかってくれないから、お客さまは大声を出し、エスカレートするんです」

 では、苦情を受けたときの正しい対応法とは?

 「まずは低姿勢で謝り、とにかく丁寧に対応すること。 お客さまの言い分をじっくり聞いたうえで、もし間違った指摘があれば正しい説明に入ります。 一方、無理な要求には応じず、毅然とした態度で臨むことも大切ですね」

 対応する人の能力次第では、収まるものも収まらなくなることも。

 「うまくまとめたつもりで、実は失敗しているケースは多い。 つまり、お許しをいただいたのではなく、呆れて二度と来店しないという最悪の結果。 そもそも苦情対応はお客さまを離さないためのもの。 誠意ある対応は顧客とより良い関係を築くきっかけにもなります。 少子高齢化で人口が減り、全企業が縮小していく時代、今いるお客さまを絶対に離しちゃいけません」

 苦情対応で百戦錬磨のプロの、徹底的なお客さま目線に学ぶべし。









  

 すき家やワタミなど、 “ブラック企業” の烙印を押された飲食チェーンは従業員不足に泣いている。 その原因は多々あれど、ド底辺クレーマーに辟易して辞めていく店員もいた!



 多くのサービス業が危機的人材不足だと報じられるなか、当の従業員たちに意見を聞くと、意外な答えが返ってきた。 会社への不満以前に、客のクレームが理不尽すぎてやってられないと言うのだ。 そんな悲鳴を上げるのは、デフレ経済下で成長してきた飲食・小売りチェーンの従業員たちばかりだ。

 企業へのクレーム処理に詳しい関根眞一氏は言う。

 「モノやサービスが安く手に入る環境が当たり前になると、 『安いからこんなもんか』 が通用しなくなり、顧客は不満を持つようになる。 私は 『ロー( LOW )クレーマー』 と名づけましたが、こうした現象がいつか出現すると以前から予想していました」

 実際、現役の従業員から漏れ出る客からのクレームは、想像を絶する理不尽さ。 まず飲食業から。

 「とにかくすき家の客は 『待てない』。 入店後の対応や会計が30秒遅れただけでも怒鳴られ、店員呼び出しベルを連打する。 何度も呼び出して 『あと何分何秒で出る?』 とか、もはや嫌がらせですよ。 ベル連打がなければもう少し早く提供できるのに …… というのは 『すき家クルーあるある』 ですよ」 ( すき家店員♂・34歳 )

 「朝からビールを飲んでいた中年男性は 『冷えてなかったから無料にしろ』 って言うし、 『このメニュー、この間までキャンペーンで安かったから同じ値段にしろ』 とか。 ドリンクバーだけ頼んで弁当食ってる人もいるし、毎回、滅入ります」 ( ガスト店員♀・24歳 )

 一方、小売業も凄まじい。

 「『消費税込みで100円じゃないのは詐欺だ』 って食ってかかる客は増税前からいる。 『他の店で88円で売ってる商品を100円で売るな!』 とか、ウチは100円ショップだよ! 私らレジはいいけど、対応する社員スタッフはどんどん退職していく」 ( 100円ショップ店員♀・40歳 )

 「ヤンキー彼氏と来店して気が大きくなった姉ちゃんは特にタチが悪い。 ウチで買ったブランド品を持ってきて 『質屋で買い取り不可って言われた。 偽モノでしょ!』 ってキレたり、買った香水の匂いがサンプルと違うとか、ドッグフードを犬が食わないとか、もう、私の知ったことじゃない!」 ( ドン・キホーテ店員♀・28歳 )

 「買った食品を店内で食べながら立ち読みするおばさんを注意したら、店員教育がなってないとSV( スーパーバイザー )に猛クレーム! 宅配便を出す客が 『家で測ったときよりサイズが大きい。 ここのメジャー、狂ってるでしょ』 とクレームをつけられたことも。 送料をそこまでケチりたいのか ……」 ( コンビニ店員♂・38歳 )

 前出の関根氏は 「クレームの背景には社会や生活の中に溜まった不満がある。 彼らは現在の日本社会の映し鏡かもしれません」 とは言うものの、果たしてこれに 「耐えるのも仕事」 と言えるのか?



  


 ド底辺クレーマーの被害は、飲食・小売りだけにとどまらない。 他業種で働く人々の悲痛な叫びにも耳を傾けよう。 まず、証言するのは関東某県の中古車販売店経営者( 47歳 )だ。

 「10万kmを超えた中古車を5万円で買って、壊れるたびに 『故障車売りやがって!』 って怒鳴り込む。 『無償で直せ 』 ならまだマシで、修理のために車体預かったら、今度は出した代車が返ってこない。 電話しても出ない。 これ、単なる泥棒でしょ!」

 お次は宅配便のドライバー。

 「不在通知表で携帯番号を客に知られてるのが致命的。 悪質な届け先は、通販などで取り寄せた商品が気に食わないと、わざと箱や商品を壊して、ドライバーに 『今すぐ来い』 と、謝罪と弁償を要求する。 ネット上でウチがバッシングされてるのが原因なんでしょうが、殆ど弱いものいじめです」 ( 佐川急便のドライバー♂・35歳 )




 だが本当に恐ろしいのは、店員が 「身の危険」 を感じるようなクレーマーだ。

 「パチンコ店のクレーマー客は、とにかく怖い。 殺気立ってます。 一番多いのは 『玉が出ないのはコンピュータに細工してるからだろ!』。 あと 『大当たりしたのに出玉が少ない』。 とにかく店側に不正があると。 最悪なのはそういう客に限って毎日、来るんです。 報復行為で店の車のタイヤを切り裂かれたこともあるし、最初にクレームを受けるホールの人間は、帰宅するのもドキドキします」 ( パチンコ店員♂・28歳 )

 意外にも、警備業も危険が多いという。

 「イベント警備や会場整理では、基本的に客は警備を “敵” として認識する。 開場と同時に走る客へ注意するときでも体重100kg超える女の肘鉄は、本気で肋骨が折れますよ。 また、会場で 『スタッフがみんなで痴漢した』 『警備員に強姦された 』 とか、被害妄想の人も少なくない。 クレーム客を事務所に連れていくときも、相手が刃物を持ってるんじゃないかと常にビクビクしています」 ( 警備員♂・39歳 )

 最後はネットカフェ。 こちらも変わったクレーマーの宝庫だ。

 「ハイスペックなPCを求めるネットゲームオタクのクレームが多いです。 『回線が遅い、ショボいグラボ積んでんじゃねえ! 』 とか、 『30分100円で入ったのにパソコンの起動が遅いので、起動時間を入店時間にしろ』 といった設備面のクレームです。 一方、いわゆる住人( 宿泊施設として使っている人々 )のクレームは命懸け。 『隣のイビキがうるさい。 眠れないなら料金払わない』 など環境に関するクレームや 『靴が盗まれたから弁償しろ』 と言う人も。 メンタルを病んだ人も多く、 『店員が私の心を読んでいる!』 と叫び出して警察に通報する客もいます」 ( ネットカフェ店員♂・27歳 )

 こんな恐ろしい職場、確かに辞めたくもなる。 あらゆる産業に出没するド底辺クレーマーを撲滅しなければ、日本のサービス産業は滅んでしまう!?



  


 ド底辺クレーマーの無理な要求がエスカレートし、労働力の流出が起きている昨今。 矛先を向けられる格安チェーン店などにとっては、抜き差しならない問題だ。 企業側も対策を練るべきなのだが ……。

 「そもそもクレーム処理は話の文脈を理解する高い判断能力や思考能力、会話能力が必要な業務。 また、ひとくちにクレームと言っても、提案や意見、改善要求と多面的で複雑なんです。 ところが、顧客のクレームの本質を理解できない担当者には、すべてただの文句にしか聞こえない」

 そう指摘するのは、クレーム処理の専門家・関根眞一氏だ。 百貨店から行政まで、さまざまな分野のクレーム処理を請け負ってきた関根氏は、ド底辺クレーマーの増加した現在、格安チェーン店や激安ショップといえども 「クレーム処理の力を養うことが必要」 と付け加える。

 「現場で働く従業員も、責任感や企業に対する愛着があれば、クレーム処理もつらいことばかりじゃない。 顧客と新しい関係を築くきっかけにもなりますから」

 クレーム処理は商売をする限り避けては通れない。 現場レベルでの高い処理能力が発揮されなければ、クレームは解決せず、さらに増加していくしかない。




 一方、非正規雇用労働者の相談を数多く受ける労働組合で、すき家と現在も係争中の首都圏青年ユニオンの事務局次長・神部紅氏は 「労働環境の悪化が、責任感や愛着を持てなくしている」 と指摘。 特に大型チェーンなど、いわゆるデフレ勝ち組企業でその傾向が顕著だと話す。

 「格安チェーン店は、人件費削減のために正社員を極端に減らして利益を出すというビジネスモデルです。 正社員ひとりが5~10店舗を掛け持ちで担当するケースも見受けられます。 現場にアルバイトしかおらず、彼らは過剰な負担や、負うべき義務のない責任の矢面に立たされている。 しかも、そのような企業が、残業代未払いなどの違法行為を行っている場合も少なくありません。 人を人扱いしない企業で働いている現場のスタッフが、技術を向上させたり、商品に愛着を持ったり、付加価値をお客に楽しんでもらおうというモチベーションを持つことは難しい」

 こうしたアルバイト店員が、理不尽なクレームにさらされれば、どうなるか想像に難くない。

 「現場のアルバイトは、クレームを処理する技術なんて満足に教えられていません。 むしろクレームがあれば責任を背負わされ、真っ先にクビにされているのが現状です」

 クレーム処理には高い能力が必要だが、人件費を削減したい企業は教育も対策もとらない。 ド底辺クレーマーの増加と企業の無策、そして労働力流出の負の連鎖はどこまで続くのか。 問題は思った以上に根深い。

<種類別クレームと対策>
確信犯型
 社内で悪質なクレーマー情報が共有されている場合、毅然とした姿勢で対応。 「髪の毛が入っていた」 というケースは 「疑って恐縮ですが、DNA鑑定で確認します」 と強い姿勢を見せることも必要。
せっかち型
 待てない客には、例えば 「すぐに用意いたします」 という言葉を使う、急ぐ表情や動作も一緒に付け加える。 言葉に動作や表情が伴うと説得力が上がり、相手の気持ちも和らぎやすくなる。
感情優先型
 感情が先立っている相手の話は腰を折らずに最後まで聞くのが大前提。 現場で頻繁に見られるのは、従業員のほうが我慢できず反論するケース。 話を最後まで聞かないと不満に油を注ぐことになる。
常連主張型
 「常連さんなので、ウチのことよくわかりますよね。 ○○はできますが、○○はできないんです」 と相手の論理の逆手をとる。 常連である事実は否定せず、感謝の気持ちを伝えるのが効果的。




( 2014.07.11 )

    


 すき家やワタミなど、 “ブラック企業” の烙印を押された飲食チェーンは従業員不足に泣いている。 その原因は多々あれど、ド底辺クレーマーに辟易して辞めていく店員もいた!




 1億総クレーマー時代を経て、ド底辺クレーマー時代に突入したニッポン。 これまで日本におけるクレーマーはどのように変化してきたのか。

 「まず注目すべきは製造物責任法( PL法 )が施行された'95年。 同法の施行により企業に申し立てをしやすい環境が醸成されました。 消費者にとって法的な後ろ盾となったのです。 続いて'00年に雪印乳業の集団食中毒が起こり、産地偽装など、企業の不祥事が続いた。 消費者の不信感が募っていき、企業に対するクレームが増加する温床になっていったんです」

 「原因すべてではないが」 と前置きしながらも、関西大学の池内裕美教授はクレーム増加とインターネットの普及には相関関係があると指摘する。

 「ネットが発達し、他人のクレームや申し立てを目にすることができるようになった。 その方法や結果も共有されています。 他人の苦情に触れた人々は、 『自分も言っていいんだ』 という心理状況になる。 結果的に、それまで内に秘められていた多くのクレームが噴出するようになったのだと思います」

 一方、そんな日本の “クレーム文化” に警鐘を鳴らすのはコラムニストの小田嶋隆氏だ。

 「近年ではクレームが完全にゲーム化してしまっている。 当事者の不満に乗っかった第三者が、世論的なリンチや制裁を加える状況が当たり前になった。 いわゆる炎上や叩きですね。 一方、ド底辺クレーマー現象の背景には、行きすぎた顧客対応を一般化させてしまった、日本企業の問題もある。 というのも、企業にとって原料などのコストカットには限界があります。 そこでスタッフに対してサービスを向上させる競争をさせてきた。 現在、消費者は過剰なサービスに慣れすぎてしまっている。 それがド底辺クレーマー問題に繋がっているのではないか」

 企業はお客を甘やかすべきか、厳しく育てるべきか。 それとも、消費者自ら不満をのみこむべきか。 いずれにせよ、この問題は新たな転換期に差しかかっている。





( 2015.03.15 )

  
    


 1947~49年頃の第一次ベビーブーム時代に生まれた人々は 「団塊の世代」 と呼ばれる。 この3年間は年間出生数がいずれも260人を超えており、世代別人口比率において大きな割合を占めている。 そんな現在60代後半に当たる団塊の世代をめぐり、公共の場でのマナー違反やクレーマー化がメディアなどでもしばしば話題に上っている。

 今回、20~40代の男女に団塊の世代に関するアンケートを実施したところ、特に多かった声が店舗内や電車内でのマナーに関するものだ。

 「男性が電車の中で電話していたのです。 小声なら別に気にならなかったと思いますが、かなり大きな声だったので乗客全員の冷たい視線を集めていました。 本人は一切気に留めない様子でしたが」 ( 42歳・男性 )

 「駅のプラットフォームで帰宅ラッシュの時間帯に、大勢の人が順番に整列して電車を待っていました。 すると60代後半ぐらいの女性が、電車が着いた瞬間に現れたかと思うと、悪びれもせず横入りしてすーっと車内に入って行ったので唖然としました」 ( 26歳・女性 )

 「私が妊娠していた頃、気分が優れなかったので優先席に座っていたのです。 そこに突然、60代後半ぐらいの女性が現れて 『あんたいい加減、席譲りなさいよ!』 と怒り出したのです。 私はマタニティマークのキーホルダーを見えるように付けていたのですが、改めて 『妊娠しているので』 と伝えました。 でもその女性は自分の非を認めず、 『私の若い頃はそんな世間に甘えてなかったわよ!』 と逆ギレ。 ちなみに同じ車両の一般席には、空いている席があったにもかかわらずです」 ( 32歳・女性 )




 また、団塊の世代が職場で軋轢を生むことも多いようだ。 定年が65歳まで延長されたり退職者の再雇用制度を導入している企業が増える昨今、この世代と共に働いていたという人々からの声も多かった。

 「同じ工場で働く男性に、 『最近の若いもんはダメだなー』 と思いっきりステレオタイプなことを言われたことがありました。 毅然とした態度で 『具体的にどこがダメですか?』 と聞いたら 『いや、もうなんか芯がないよ』 と抽象的な言葉で濁されてしまいました」 ( 25歳・男性 )

 「団塊の世代の男性に Excel の資料を送った時、その人が 『頼んだデータが入ってない!』 と文句を言ってくるのですが、要求されたデータはきちんと sheet2 に入っていました。 要するに、いくつもの sheet があるというのを知らなかっただけだったので、丁寧にそのデータの見方を教えてあげたら 『わかりにくいんだよ!』 と一喝されてしまいました」 ( 30歳・男性 )

 「アルバイト先のコンビニエンスストアのオーナーが67歳なのですが、僕らには 『最近の人はさ、 “ゆとり” っていうんだっけ? 自分で考えて動くってことはしないのかな?』 などと遠まわしに嫌味を言ってきます」 ( 24歳・男性 )




 そんな団塊の世代だが、彼らが10代後半から20歳前半くらいまでの時代は大都市への集団就職が盛んで “金の卵” と呼ばれ、日本の高度経済成長期を支えた層であることは間違いない。 そのため、次のような声も聞かれる。

 「最近は悪い側面ばかり取り上げられがちですが、団塊の世代のバイタリティはやっぱりすごいと思います。 日本という国が、このまま右肩下がりを続けないためにも、あのパワフルさは見習うべきです」 ( 36歳・男性 )

 「年功序列、終身雇用が当たり前だったからなのか、しっかりした上下関係を重んじて、会社への忠誠心も高い世代なのだと思う。 今のご時世でその姿勢は一概に良いとも悪いともいえないが、まがりなりにも日本が今でも豊かな国でいられるのは、彼らのおかげです」 ( 26歳・女性 )

 世代が違えば価値観も様変わりし、どの世代にも特徴的な長所や短所があるともいえる。 団塊の世代も下の世代も、お互いに理解を深めようと努力することが大切なのかもしれない。





( 2016.07.08 )

 



 お金を払って時間を使っているのに、なんでこんな不快な思いをしなければならないのか ……。 飲食店で、そんな思いをしたことはないだろうか。 人気のチェーン店で、隠れ家的個人店で、私たちは不運なことに 「モンスター飲食店」 に出合ってしまうことがある。 こんな飲食店、二度と訪れたくない! そんな悲鳴に近い声を集めた。

 世界でも類を見ないほど細やかな対応だと言われる 「ニッポンのおもてなし」。 外国人観光客からすると不自然に見えることもあるほど、日本の接客は丁寧だと言われている。

 しかし一方で、客をあざ笑うような 「モンスター飲食店」 も存在している。 「お金を払ったのに、どうしてこんな接客、いや、こんな仕打ちを受けなければいけないのか ……」 そう思ってしまうほどの対応に、時として戸惑ったことはないだろうか。 お客と店員とのトラブルは、時として事件沙汰にもなる。

 時給の安いチェーン店でさえ、 「笑顔での接客」 が強制されているためのストレスなのか。 それともただ単に、接客業に向いていない人がその職に就いてしまったための不幸なのか。

 大なり小なり、誰しも飲食店で嫌な思いをしたことはあるだろう。 今回はその中から、通常の神経では理解できないような 「モンスター飲食店」 のケースを集めてみた。


「オーダー取ったら許さねえ!」 犬も食わない店員同士のケンカ


 話を聞いた中でも多かったのが、店内で店員同士がケンカをしているというケースだった。 忙しさによるイラ立ちをスタッフ同士でぶつけ合ってしまうのか。 しかし、その姿をお客はしっかり見ている。

「観光で訪れた地方の揚げ物店。 席がかなり空いているのに、席に案内されず、数十分待たされる。 注文したら 『オーダーが詰まっていて、いつできるかわかんないけどいいですか?』 と言われ、その後でフロアスタッフと厨房スタッフが怒鳴り合いのケンカをしているのが聞こえてきました。 厨房から 『これ以上オーダー取ったら許さねーぞ!』 とか ……。 その上出てきたメニューはおいしくなかったです」 ( 30代女性 )

「ラーメンを食べている間中、店長が女性バイトをネチネチいじめていた」 ( 40代男性 )

「ラーメン店で店長がバイトを叱りつけているときは、ゲンナリしましたね。 『早くしろよ。 お客さんが待ってんだよ!』 『ちげーよ! 何度言ったら覚えるんだバカ!』 といった怒号が終始飛んでいて、正直気分が悪かったです。 客がいなくなってからにしろよ、と思いました」 ( 30代女性 )

「チェーンの居酒屋で厨房のスタッフと店長が殴り合いのケンカをしていた。 はずみでグラスが大量に割れて、うるさいし危ないしひどかった。 その後、客に対するフォローも大してなかった」 ( 40代男性 )

「若者に人気の街にあるカフェ。 店員の知り合いが客として来ていたらしく、その店員がオーナーの悪口や待遇の悪さをその客に延々と話していた。 ほかの客もいるのだから自重してほしいと思った」 ( 40代男性 )

 漫画 『孤独のグルメ』 のなかにも、飲食店の店員がアルバイト店員をいじめ、それを主人公が注意する描写がある。 食べているときに傍らで 「指導」 やケンカを見せられるのは、決して気分の良いものではない。


客引きは 「地雷率」 が高い? 料金プランの異なる説明


 しかし、店員同士のケンカならまだマシなのかもしれないと思わされるのが、次のようなエピソード。 路上での客引きに引っかかってしまった人たちの話だ。

「客引きで入った居酒屋。 店に入ると自分たち以外にお客さんが全然いなかったので、その時点で地雷臭したのですが ……。 お皿ばかり立派で料理がちょこっととか、これ絶対冷凍食品だよね? みたいなコロッケとか、値段に見合わない料理ばかりでした」 ( 20代女性 )

「客引きに乗せられて入った店。 いかにも居抜きで、いま出来上がりましたーみたいな店で、家具もバラバラ。 で、客引きのときに 『飲み放題1500円で、おつまみは500円以下のものもたくさんあるので、お得ですよ!』 と言われて入ったのに、メニューを見たら500円以下なんてなくて、しかも店員は日本語が通じない。 全然注文も取りに来ないので、怒って即店を出ました。 もう客引きについて行くのはやめようと思いました」( 20代女性 )

「20代の頃に新宿で客引きされて入った飲食店。 店員が全員男性で、客は女性ばかり。 なんだかおかしいな …… と思っていたら、飲み放題のプラン料金が客引きのときに受けた説明と違うし、時間制なのにオーダーも全然取りに来ない。 店員はたくさんいるのに、呼び止めても 『はぁ ……?』 みたいな感じで、あまりにもおかしいので苦情を言ったら、奥からオーナーみたいな高齢女性が出てきて、 『まあまあこれでも食べて』 とみかんを出された。 『みかん食べたいんじゃないんで』 と言って店を出た。 でも、他の席の女性グループは店員の男性に話しかけようと頑張っている雰囲気で、イケメン店員がウリの店だったのかもしれません」 ( 30代女性 )

「繁華街の客引きで入った店。 席に着いたら料金が説明と違うので文句を言ったら、投げやりな態度で 『じゃあ帰ってもいいですよ』 と言われて心底びっくりした。 都会は怖いなと思った」 ( 30代男性 )

 客引きをする店は、客引きをしないと席が埋まらない店だから客引きをするのだろう。 客引きを行う店のすべてがこうしたケースばかりとは限らないが、その確率は高い。 初めて訪れる街でどの店に入ればいいかわからなかったとしても、現代ならばネットやアプリの口コミで情報を探すほうが、客引きについていくよりはマシなのではないだろうか。


常連客にケンカを売られる? いたたまれない 「客層の悪い店」


 また、店や店員にそれほど問題はなくても、 「客層が悪い」 ことがあるのが飲食店。 他の席の客の態度が悪く、楽しい時間が台なしになった経験を持つ人も多いのではないか。

「カウンターだけのバーで友人と飲んでいたら、いつの間にか自分たち以外が全員常連だった。 それだけならいいのだが、その常連たちが誕生日パーティを始めて、カウンター席の真ん中あたりに座っていた自分たちを挟んでハッピーバースデー・ソングを歌うかたちに。 その後でコールも始まり、さすがに居心地が悪いのでお会計を頼んだら、常連客たちは 『お客さん、お帰りで~す』 『バッテンコールで~す!』 とはしゃぐ始末。 店員からは一応謝られたが、すごく気分が悪かった」 ( 30代男性 )

「たまに行く飲食店で個室に常連の芸能人が来ていたらしく、そちらの対応にかかりっ切りで、こちらへのサービスが何もかも遅かった。 金払いのいい客への対応が良いのはしょうがないと思うが、他の客が帰った後に、店主が 『あっち( 帰った客 )はまあまあの客。こっち( 常連客 )はお客様々』 というようなことを言っていたのを聞いてしまった」 ( 40代男性 )

 店が悪いから客層が悪くなるのか、客層が悪いから店が悪くなるのか。 どちらが先かはわからないが、 「店はお客が育てる」 という言葉もあるように、マナーの良くない常連客が幅を利かせている店は将来が心配だ。


生卵を投げつけられた……。 取材申し込みだって楽じゃない


 飲食店に取材申し込みをする記者やライターからも、証言が集まった。

「飲食店への取材申し込みはとにかく、営業だと間違われることが多い。 取材と称してネット上に情報を掲載し、後から 『掲載料』 を請求するような悪質な業者もいるようなので、飲食店の人が取材申し込みを警戒するのはわかるのだが、こちらは本当にその店を取材したいと思っているので怪しまれるのはつらい。 たいがいの店は真摯に話せば誤解が解けるが、厨房から生卵を投げつけられたときはつらかった」 ( 30代女性 )

「駅前にあるそば店。 取材申し込みに行ったら、他の情報誌と間違われて店のおばさんから 『あんたのところの雑誌はウソばっかり、ねつ造ばかりだから嫌いだ』 と散々言われた。 違う雑誌だと言ったが信じてもらえないし、そもそもその情報誌に対する評価も思い込みによる偏見が強すぎて話にならなかった」 ( 30代男性 )

「ある取材が終わった後、オーナーが記事を気に入らないという理由で呼び出された。 オーナーは店のソファーに靴を履いたままヤンキー座りしていて、まともな店じゃないと感じた」 ( 30代男性 )

「あるビストロに取材を申し込んだとき、広報担当から 『事前に質問をください』 と言われたので送った。 当日はその通りに質問を進めていたが、月商や客数について店長に聞いたら、広報から 『そういうのはまとめた資料があるんで、後からメールで送るのを見てください。 こっちは仕込みの時間に手を止めて取材受けてるんだから』 と言われた。 専門誌なので必須の取材項目だし、事前に質問を送っているのだから、その場に広報が資料を持って来ればいいのに。 こんな広報ならいないほうがましだ、と店に言いたくなった」 ( 20代女性 )

 取材を申し込みする記者たちは、確かにその場では客ではない。 しかし気に入った店であれば、プライベートでも足を運ぶことはもちろんある。 飲食店も取材と見せかけた営業で嫌な思いをしたり、取材自体が嫌いだったりという事情もあるのだろうが、せめて人間らしいコミュニケーションは取ってほしいと思ってしまうもの。


オーナー女性が男性客とデレデレ まだまだある飲食店での悲劇


 この他にも多様なエピソードが集まった。

「数年前の同窓会。 2時間制の宴会で 1時間半、飲み物も料理も一切出てこなかったことがありました。 温厚な子ばかりの同窓会だったので怒る人も誰もおらず、みんなで 『もうラストオーダーの時間だし~!』 と言いつつ笑ってたのですが、幹事は相当落ち込んだだろうな~と思います」 ( 30代女性 )

「そば店で、そば湯は自分の席の近くにあるものを取るというその店のローカルルールを知らずに 『そば湯をください』 と言ったら、店のおばさんから 『なんて横着なんでしょう!』 と聞こえるように嫌味を言われた。 そんなローカルルールは知らないし、そのルールがあったとしても客に 『横着』 なんて言わなくてもいいのに」 ( 40代男性 )

「夜中までやっている人気のカフェ。 うるさい女性客がいるなあ、と思ったら店のオーナーだったらしく、常連客の男性と親密そうにしゃべっていた。 他の常連客が来たら席を移ってまたボディタッチを繰り返していて、おしゃれな店なのにオーナーが雰囲気を壊していて残念だと思った」 ( 20代女性 )

「行列のできる寿司店。 安くてうまいのだが、混んでいるせいか店員が殺気立っていることが多い。 並んでいたおばあさんが杖をつきながら入店しようとしたら、歩調が遅いことにいら立ったのか、女性の店員が後ろからわざとぶつかっていた。 注意したが、軽く 『すみません』 と言っただけだった」 ( 40代男性 )

「日本人の友人と行ったときは普通の対応だったのに、外国人の友人数人と一緒に行ったら冷たい対応をされたことがある。 外国人客はマナーが悪いという思い込みがあるのか、 『禁煙席で』 と言ったら 『後から喫煙席には移れませんよ』 とわざわざ言われたり ……。 外国人の友達に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった」 ( 30代女性 )

 空腹を満たすため、仕事の疲れを癒すため、友人と楽しく語らうために利用するのが飲食店だ。 そんな場所でストレスフルな経験をすることになってはたまらない。 「モンスター飲食店」 で金と時間を無駄にしないために、できるだけ事前に見極めるスキルを持ちたいものだ。





( 2017.03.31 )

  簿


 「お客様は神様です」 の本来の意味を知っているのか知らないのか、自分の行動を正当化するための文句として使おうとするモンスター顧客。 関わる従業員の心身にストレスを与え、ときに店や会社に損害を与えることも ……。 20~40代男女が 「怖い」 「おかしい」 と感じた、絶対に関わりたくないモンスター顧客の事例を集めた。

 「お客様は神様です」 を振りかざして大暴れ

 「お客様は神様です」 という有名な言葉がある。 昨今、モンスター顧客、もっと一般的な表現で 「クレーマー」 について語るときに、よく用いられる言葉であるが、真意とは異なる意味として捉えられ、広まってしまっているようだ。

 この言葉が生まれたのは1960年代。 浪曲師で演歌歌手の三波春夫さんがステージに立っているときに、司会を務めた宮尾たか志さんから 「三波さんは、お客様をどう思いますか?」 と問われ、 「お客様は神様だと思いますね」 と答えたのが始まりだとされる。

 三波さんの言う 「お客様」 とはステージを観にきた聴衆のこと。 聴衆がいなければ歌手の商売は成り立たないわけで、本来は客席にいるお客とステージに立つ演者の関係性からできた言葉なのだ。 決して飲食店や小売店に来るお客のことを指しているわけではない。 また、客側が自分で言う言葉でもない。

 しかし、昨今はモンスター顧客が自身のひどい言動を正当化するために 「お金を払って( サービスを受けたり、モノを買ったりして )いるんだから、もっと丁寧な対応をしてよ。 『お客様は神様』 でしょ!?」 と恫喝するような形で使うことがある。 もともとの意味を勘違いし、 「客がどんなことを言っても受け入れるべき」 と当然の権利のように思っているような場合もある。

 「お客様は神様です」 を振りかざし、暴れまわるモンスター顧客は、対応する従業員の心身にストレスを与えるだけではなく、その言動がエスカレートしてしまうと、店や会社に損害を与える恐れもある、と知っておきたい。

 通常の感覚では理解しかねるような 「モンスター顧客」 の事例を20~40代男女に聞いて集めてみた。 こんなモンスター顧客と関わったことはないだろうか。


 体調不良を装って女性店員に介抱されたがるセクハラ顧客

 まずは、セクハラ顧客と極端な冷やかし客の事例から。

「家電量販店に勤めています。 都心にある大型店舗なので、本当にいろいろなお客さんが来ます。 店内で体調が悪くなった風を装って、女性店員に介抱してもらおうとする男性客はときどきいますね。
決まって新卒から勤続2~3年目の若くてかわいらしい女性店員が標的になります。 特定の女性店員を気に入ったのか、同じ男性客が2週間後にやってきて、同じように体調不良を装って同じ女性店員に抱きついたことがあり、さすがに 『お客さま……』 と呼びかけました。
他にも前に勤めていた店舗で遭遇したんですが、暇つぶしなのか、何か恨みがあるのか、商品について片っ端から店員に解説させて、何も買わずに帰るお客もいました。 そのお客は “常連” でしたね。 ただ、 “買わないのに常連” というたちの悪い人ですけど」 ( 40代男性 )


 セクハラ顧客は店自体には被害を与えていないと思う人もいるかもしれない。 しかし見ず知らずの男性から抱きつかれた女性店員としては、まったくもっていい気はしないだろう。 精神的に傷ついている可能性も高く、もし 「こういうことがあるならもう働きたくない」 と辞めてしまったら、店としては損害を被ったことにもなる。


 真昼のファミレスでキレまくり! 店の教育方針をネチネチ指摘する顧客

「ファミレスでパートをしています。 お客としてファミレスを使っていた頃には全然気づかなかったんですが、ファミレスで働き始めてから 『ここにはモンスター顧客がウヨウヨいる』 と気づきました。
たとえば 『( バイトの子が )注文を復唱しなかったのは、教育がなっていないだろう』 とか 『コーヒーのお代わりにもっと気を配らないとダメだ』 などと、店長を呼びつけて延々と説教する男性客には困りましたね。 店中に響き渡るくらいの大声で喚いていて、店に入ってこようとしていたお客さんの中には、その剣幕を見て帰ってしまう人もいました」 ( 40代女性 )


 自分自身のイライラやストレスをファミレスの店員にぶつける、単なる八つ当たりとしかいえない行為。 各店舗に売上ノルマというものはあるだろう。 来店しようとしていた客を逃したり、 「この店には悪質なモンスター顧客がいる」 と周囲の客に思われ、客離れが起きたりすることを考えると、明らかに店ひいては会社に損害を与えていると言わざるを得ない事例である。


 数量限定商品なのに大量買い営業妨害する顧客

 続いての事例を見ていこう。

「自分が新卒で入社・配属されたスーパーマーケットは、クレーマーというかモンスター顧客が西日本エリアで一番多い、という噂の名物店舗でした( 笑 )。 社員の左遷先としても有名で、やっぱりモンスター顧客との遭遇率は高かったです。
たとえば、タイムサービスの数量限定商品( ひとり当たりの購入可能数が決まっている )を、規定の個数を無視して大量買いしようとする客は珍しくなかったです。 『おひとり様◯個までです』 と断ると、こちらが折れるまで何時間でも大声で騒ぐ悪質な客も……。
毎回警察沙汰にすると店のイメージが悪くなるので、そういう場合は仕方なく売っていましたね。 この手の目玉商品は原価割れしていることが多く、普通に仕入れるより安いので、ネットなどで転売して利益を得ていたようです。 そこまでして得られる額なんてたかが知れているのに。
他にもひどい客はたくさんいました。 たとえば、不要なレシート入れから高額商品の載ったレシートを盗んで、店内で万引きした商品を持って返金を求めにくる客 …… こちらの想像を超えた、普通なら考えつかないことをやってのけるのが彼らです。 『該当日時の監視カメラの映像を確認します』 と言ったら撃退できました。
モンスターが跋扈している店に勤めたことで、ある意味で鍛えられましたが、人間としての底辺を見てしまったな、という感想も持ちましたね」 ( 30代女性 )


 店側としては件のモンスター顧客の対応に時間をとられ、店全体のオペレーションに不都合が生じることになる。 人件費を考えると営業妨害になっていることは間違いない。 万引き×詐欺のコンボで攻めてくる2つめの事例はもはや犯罪である。


 当事者ではなく“第三者”が怒鳴り込み 美容室で彼女の代わりに大暴れする顧客

 衝撃のモンスター顧客エピソードはまだまだ続く。

「美容師をしています。 後輩美容師が数年前、ものすごいモンスター顧客に当たって、そのストレスで辞めていったことがありました。 お客さんは女性で一見おとなしそうなタイプに見えました。 黒いロングヘアで 『ミディアムにしてパーマをかけてください』 というオーダーで、後輩美容師はその通りにしたのですが、気に入らなかったみたいで ……。
当日は 『切りすぎだと思います。 もう2cmは長いほうが良かった』 『パーマが強くかかりすぎな気がする』 などと、静かに文句を言っていましたが、まさか翌日になって強面のヤンキー風な彼氏が怒鳴り込みにくるとは想像もしませんでした。
女性は一歩後ろに下がって何も言わないんですが、彼氏のほうが 『こいつ( 彼女 )昨日変な髪になってもーたって泣いてたんやで』 『誰が担当したんや?』 『美容師免許本当に持っとんか?』 『下手すぎるやろ』 『金返せや!』 『訴えたろか』 など、関西弁風の口調で暴言を吐き続けて、美容室全体がシーン ……。
店長が出てきてなだめても、返金対応をすると言っても、1時間以上居座って延々とキレ続け、明らかに営業妨害でしたね。 ほかのお客さんも怯えていましたし。 その後、お店宛てにメールもしつこく届いて、結果的に後輩は退職してしまったんです。 がんばっていたのに残念でした」 ( 30代女性 )


 まさか当事者のパートナーと思われる人間が、当事者の不満を代弁するために翌日来店するとは、思いもよらなかったことだろう。 しかも、1時間以上も美容院で怒鳴り続け、その後もメールでネチネチと文句を書き送ってくる …… その執念には背筋が寒くなる。

 美容室側は謝罪し、返金する旨を伝えても、この人物は折れることなく、美容室は最終的に若い貴重な人材をひとり失っている ……。


 「不良品売りやがって」とキレて商品を投げつける顧客

 最後は、傷害罪では? と思われる驚愕の事例を見て締めたい。

「某大手おもちゃ屋に正社員として勤めていたときの話です。 『買ったものが不良品だった!」 とキレて怒鳴り込んできた客が、その商品をバイト店員に思いっきり投げつけたことがありました。
その商品は子ども用のクルマ型の乗り物で、けっこうな大きさと重量感がありました。 一歩間違うと大怪我を負いますし、暴力行為に他ならないですよね。 何よりも疑問だったのは、その客の暴れっぷりを目にしても、毅然とした対応をとってくれない店長でしたが ……。
とはいえ、店長が怯え気味だったのにも一応理由はあって、その気持ちはわからなくもないんです。 店舗の近隣に反社会的勢力の人が多く住んでいて、治安も良いとはいえない地域で、ガラの悪い客がとにかく多かったんですよね。 暴れた客はおそらく普通の人ですが、怖そうな外見や話し方をする人でした」 ( 30代男性 )


 本来、子ども用のクルマ型の乗り物とは、子どもが乗って楽しむおもちゃである。 使い方を明らかに誤っている。 「それを人間に向かって力いっぱいぶつけていいですよ」 と教えた教科書や参考書などは存在しない。 「そんなこと、しちゃう!?」 とたまげるしかない、常識を超えた使い方をするモンスター顧客も中にはいるのだから恐ろしい。


 もし、あなたが業務中にモンスター顧客に遭遇したら?

 身も蓋もない言い方をすると、モンスター顧客は避けようがない。 繰り返し言っているが、世の中には実にいろいろな人間がいる。 極端な話、自分の常識は他人にとっての非常識である。 自分が思いもよらぬ行動に出る人間がいても何らおかしくはないのだ。

 ただ、モンスター顧客の発生率が他と比べて高い立地や場所、というのは存在するだろう。 とはいえ、一介の従業員が、その店舗を自らの意思で避けようとしても難しい。 配属先や転勤・異動先は会社が決めることである。

 では、どうすればモンスター顧客の被害を最小限に食い止めることができるのか。 最も手軽にできることは、 “傷口” が広がるのを抑え、流す “血” を極力少なくすることではないだろうか。

 店側・従業員側に非はないのに、モンスター顧客が起こしたトラブルの模様が、SNSやネットの掲示板などで広まり、店が閉店に追い込まれた事例もある。 あまりにも理不尽すぎる …… と絶望的な感情を抱いてしまうが、その類の無用な情報拡散を防ぐことが、モンスター顧客と対峙した際、店側に求められるリスク管理策ではないだろうか。

 できることなら縁を持ちたくない、関わりたくないモンスター顧客だが、もしものときの対応を個別に考え、用意しておきたいものだ。





( 2018.09.13 )

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UAゼンセンが今年2~5月に実施した悪質クレームに関するアンケート調査では、
3万件余りの回答が集まった
 「レジ打ちを間違えたら、15分くらい暴言を言われた」 「 『殺すぞ、子どもが泣いているのに景品をくれないのか』 とクレームを受けた」 「 『介助したら蹴るぞ』 と言われた」 ――。

 飲食店やレジャー施設、介護施設などで見られる悪質クレーム。 9月11日、産業別労働組合 「UAゼンセン」( 以下、ゼンセン )が、今年2~5月に実施した悪質クレーム( 迷惑行為 )に関するアンケート調査の結果を発表した。 調査は外食、タクシー、ホテル、病院・介護などサービス業の現場で働く組合員を対象に行われた。




 調査結果によると、回答した組合員3万人余りのうち約75%に当たる2万2440人が、 「業務中に悪質クレーム( 迷惑行為 )に遭遇したことがある」 と回答。 そのうち9割以上が 「ストレスを感じた」 と答えた。

 ゼンセンは繊維・衣料、食品、流通、レジャー・サービスなど多種多様な業種の企業別労働組合で構成される、 日本最大の産業別労働組合である。 2017年9月時点で2428組合、172万人余りで構成されている。

 昨年、ゼンセンは百貨店やスーパーなどで働く組合員を対象に同様のアンケート調査を実施。 5万件を超える回答を得た前回の調査でも、今回と同じく暴言や何度も同じ内容を繰り返すクレームを受けたといった回答が数多く見られた。

 今回の調査についてゼンセン総合サービス部門の北山淳政策委員長は 「関心を持って応じてもらえ、非常に多くの回答が集まった」 と振り返る。 実際、3万件余りの回答のうち1万9000件については具体的な事例の報告もあった。

 たとえば、 「 『今日は予約が入っていない』 旨を伝えると、受付2人に向かって 『馬鹿面さげて何やってんだ』 と暴言を吐かれた」、 「 『俺は○○( 親会社 )の社長と知り合いでおまえなんかすぐクビにできる』 と言われた」 といった、暴言や権威的( 説教 )態度による脅迫などがあったという。


調

 調査では 「性的な内容の話を我慢して聞いていたらエスカレートして尻や胸などを触られたり抱きつかれたりした」 などセクハラ行為も3000件以上報告されている。

 こうしたセクハラ行為は医療・介護・福祉に多く、悪質クレーム( 迷惑行為 )を受けたことがある医療・介護・福祉従事者のうち、17.1%がセクハラ行為を受けたことがあると回答している。

 また、威嚇・脅迫行為も、医療・介護・福祉従事者だけで4042件を占めるなど、ほかの業種に比べて多いことがわかった。

 このような事態を受けゼンセンは、法整備も含め社会全体で対策を推進していく必要性を強調する。 事業主には従業員を守る 「安全配慮義務」 があるものの、 「アンケートを見ると、最前線の人間に全部押し付けられて、会社は現場に対応を任せきりにしているというケースもある。 そこを何とかしていきたい」( ゼンセンの高松和夫副書記長 )。

 また、セクハラについて高松副書記長は 「会社の内部でのハラスメントだけでなく、顧客や第三者のハラスメントに対応できるものを法制化できないか」 と話す。

 対策は法整備にとどまらない。 ゼンセンは厚生労働省に対して悪質クレームの実態調査や、倫理的な消費行動の啓蒙や教育も求めている。 8月10日には賛同する176万人余りの署名を集め、加藤勝信厚労相に提出した。




 実際、アンケート中の 「迷惑行為が発生している原因をどう考えるか」 という質問( 複数回答可、以下同 )に対し1万6333人が 「顧客のモラル低下」 と回答。 「迷惑行為からあなたを守るためにどのような措置が必要か」 との質問には1万0215人が 「顧客への啓発活動」 と答えている。

 厚労省の統計によると、2018年7月時点で 「サービスの職業」 の有効求人倍率は3.45倍で、求職者1人に対して3~4件の求人がある状況。 中でも 「接客・給仕の職業」 は3.93倍、 「介護サービスの職業」 は4.03倍と、より深刻だ。 悪質クレーム( 迷惑行為 )問題の解決は、人手不足の解消を考えるうえでも重要となる。

 従業員の定着率が上がればスキルが蓄積し、生産性が向上して従業員の処遇改善にもつながる。 サービス業の現場では外国人労働者の受け入れ拡大に向けた議論や、機械化・省人化の動きも進められているが、悪質クレーム対策を含む根本的な職場環境の改善も欠かすことはできない。















( 2018.09.23 )




きっかけは、1つのケーキだった

● 【サービス向上 → クレーマー増加】 という図式

 「お客様は神様」 「クレームは宝の山」 というお客様第一主義の考え方は、今も多くの企業に浸透しています。 たしかに、クレームは、サービス向上や商品開発に役立てられることもあります。

 しかし、企業が目指す 「顧客満足」 を逆手にとって、やりたい放題のクレーマーがいるのも事実です。 むしろ、企業努力によって商品の性能やサービスが向上し、世の中が便利になればなるほど、消費者の期待値が上がり、クレーマーが増殖するの図式があるのです。

 たとえば、保証期間が過ぎた製品を無料で修理させようと、メーカーにくってかかる人は少なくありません。

 「購入してからまだ10年なのに、スイッチが入らなくなった。 大金をはたいて買ったんだから、そちらの責任で修理しろ!」

 「待たされる」 ことに過敏な人も増えています。

 「いつ商品が届くんだ? 明後日だ? 今どき、そんな商売は通用しない!」

 あるいは、正論で店員を叱責する 「紳士」 もいます。

 「釣り銭はトレイに置きなさい。 お札はきちんと表裏をそろえるのが礼儀だ!」

 これはスーパーやコンビニなどのレジで見かける光景です。 高級ホテルでの会計ならいざ知らず、レジ待ちの行列ができている商店では通用しない、過剰要求でしょう。

 こういうような現場を経験すると、 「お客様は何様ですか!」 と、思わず叫びたくなることもあるでしょう。 ホスピタリティに慣れすぎた消費者が 「行き届いたサービス」 を求め、モンスター化するケースはあとを絶ちません。


● 「お客様第一主義」の呪縛

 そうした流れに対処しようとする企業も現れ始めています。 コンビニやファミレス、ファーストフード業界では、一部の店舗で24時間営業をとりやめています。 また、宅配便では、大手企業が率先して時間帯指定の配達の再検討に乗り出しています。

 こうした見直しは、人手不足や過重労働問題などの解決策の一環ですが、言い換えれば、顧客に利便性を訴えるだけでは、企業として立ち行かなくなったのです。 クレーム対応においても、従来の 「お客様第一主義」 だけでは担当者の身がもちません。

 警察官から民間流通業の渉外担当者に転身してまもない頃に、しつこいクレーマーを前にして、進退窮まる状況を経験したことがあります。

 警察では、傷害・暴行、恐喝・窃盗など、 「刑法に触れるかどうか」 で、クロかシロを判断すればよかったのですが、クレーム対応では、そうはいきません。 いくら理不尽なことを言われても、あくまで相手はお客様だからです。 クレーマーに対して、警察官時代に身につけた逮捕術は役に立ちません。 かといって、つたない接客術でその場を切り抜けることもできませんでした。

 しかし、ある日を境に私は変わりました。 そのときの情景はいまでも忘れません。

 食品への異物混入を訴える高齢男性のクレームに対応したときのことです。 私は男性の自宅を訪れ、板の間に正座しました。

 男性は、

 「責任をとれ!」
 「誠意を見せろ!」
 「オマエのようなやつは死んでしまえ!」

 などと、私を罵倒し続けたのです。

 私は、ひたすらお詫びしていました。
 時間だけがむなしく過ぎていく中で、茫然自失の状態でした。
 しばらくすると、男性が私の額を小突いて、こう言い放ちました。

 「おまえじゃ話にならん! 出て行け!」

 その瞬間、私は我に返り、お客様第一主義の 「呪縛」 から解き放たれました。

 「そうですか。 それでは失礼します」 と丁寧に断ったうえで男性宅から退出しました。

 そして、その翌日、男性に電話をかけました。

 「申し訳ありませんが、商品を交換したことで、私は誠意を尽くしていると思っています。 これ以上の要求をされるのであれば、警察・弁護士とも相談のうえ、対応させていただきます」

 受話器の向こうからは、 「もうええ。 なかったことにしてやる」 という声が聞こえました。

 私は、この経験をきっかけに、明らかに度を超えたクレーマーには、毅然とした対応をしなければならないということを学んだのです。


● 恐るべき 「常習クレーマー」 の事例

 大衆モンスターの中には、悪質な 「常習犯」 も見られます。

 ------ 洋菓子店の事例 -----------

 2015年9月、45歳( 当時 )の女性が詐欺容疑で兵庫県警に逮捕された。 洋菓子店やパン屋に 「ケーキに髪の毛が入っていた」 などと偽りのクレームを入れ、商品代金や代替品をだまし取った容疑である。

 事件が明るみになったのは、大阪府豊中市の洋菓子店と神戸市北区のパン店から、それぞれ 「ショートケーキ1個」 「現金1085円とクリームパン2個」 を詐取したことが発端だった。

 ところが、捜査の過程で驚くべき事実が浮かび上がってきた。

 携帯電話の通信記録を洗い出してみると、犯行が発覚するまでの8ヵ月間で、全国各地の洋菓子店やパン店など約3200店に、計1万2000回もの電話をかけていることがわかったのである。

 手当たりしだいにターゲットを物色していたのか、電話番号案内 「104」 にも5000回以上かけていた。

 その後、女は 「これまでに500回くらい( 詐取に )成功した。 現金や商品で60万円以上をだまし取った」 と供述。 また、 「2013年の秋、大阪市内のケーキ店で商品を購入した際、 『髪の毛が入っている』 とクレームをつけたら、レシートや現物を見せなくてもお詫びの商品をもらえた」 と、常習化のきっかけを明かしている。

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 この女性は、大手食品メーカーなどで名の通ったクレーマーでした。

 一部の報道によれば長年、生活保護を受けながら高齢の母親と二人暮らしだったようですが、年齢からいえばバブル世代。 かつては、華やかな暮らしぶりだったようですが、劣等感や不満を抱えるようになり、そんな中、企業や店の丁寧な対応ぶりに優越感を覚えたとしても不思議ではありません。 そして、思いがけない 「成功」 で味をしめ、常習クレーマーの道を歩みだし、犯罪者となってしまったわけです。

 これは極端な例だと思われるかもしれませんが、理不尽な要求を一度受け入れてしまい、クレーマーが成功体験を得て常習化するケースは、非常によくあるのです。 担当者がクレーマーを育ててしまった、とも言えるでしょう。

 だからこそ担当者は、クレーム対応の原理原則を知り、一度でもクレーマーの理不尽な要求に屈してはいけないのです。

 ただし、役所などの公的機関では、複雑な問題を抱えています。 クレーマーであっても納税者である以上、担当者はどうしても弱腰になりがちだからです。 いわゆる 「お役所仕事」 は市民からバッシングを受けがちですが、今や、そんな悠長に仕事をしている職員は少数派ですし、民間企業より激しいクレーマーの被害に遭っている職場もあります。

 たとえば、保健衛生に関する通知を出すと、

 「どうして、そんなことを行政が独断で決めるんだ!」
 「杓子定規な対応をするな!」
 「公務員でいい身分だな!」

 と、敵意をむき出しにするモンスタークレーマーも少なくありません。
 「顧客満足」 ならぬ 「市民ファースト」 を逆手にとって、傍若無人な振る舞いをするのです。

 しかし、公的機関であっても、クレーム対応の原理原則に変わりはありません。 『対面・電話・メールまで クレーム対応 「完全撃退」 マニュアル』 では、こうした時代背景の中で、急増するモンスタークレーマーの “終わりなき要求” を断ち切る23の技術を、会話術から法律知識まで、余すところなく紹介しています。

 ぜひ、日々のクレーム対応に使い倒していただき、万全の危機管理体制を整えた上で、 「顧客満足」 を追求してください。





( 2018.11.24 )

退



警察・弁護士の連携は 「事前相談」 が基本

 警察との連携では、まず 「110番通報」 が思い浮かぶでしょう。 しかし、これは本来、暴力事件や交通事故を目撃したり、ひったくりの被害に遭ったりするなど、事件や事故の現場に居合わせたときの緊急通報です。

 クレームについて相談したいときは、警察相談専用電話 「♯9110」 が便利です。 この番号にダイヤルすれば、クレームを含めた困りごとの相談に乗ってくれます。

 このほかの相談窓口としては、各警察署の相談係があります。 また、交番に連絡するという方法もあります。 いざというときにあわてないよう、こうした相談先の電話番号を職場に掲示しておくか、携帯電話に登録しておくといいでしょう。

 警察との連携で大切なのは、事前に相談するということです。 警察からの具体的なアドバイスもありがたいのですが、それ以上に 「警察に相談している」 という事実をクレーマーに伝えることで、 「これ以上つきまとえば、事件になるぞ」 と、プレッシャーをかけることができるからです。


悪質クレーマー対策の最終手段

 弁護士との連携も、警察と同様に事前相談を中心に考えます。 「法的な手段も視野に入れている」 ことを相手に伝え、プレッシャーをかけるのです。

 言い換えれば、こうした抑止力の下支えによって 「放置」 が可能になるのです。

 たとえば、こんな表現で最後通告をすればいいでしょう。

「今回のお申し入れについては、顧問弁護士とも協議し、警察にも相談いたしました。 これ以上のお話ですと、しかるべき対応をとらざるをえないと考えております。 ただ、それは本意ではございませんので、なにとぞご理解いただけないでしょうか」

 なお、弁護士の協力を得るには、弁護士と顧問契約を結んだり、個別相談に出向いたりするのが一般的ですが、弁護士団体による無料相談や、日本司法支援センター( 法テラス )などを利用することもできます。


「文書」 による回答で完全撃退する

 話し合いが堂々巡りになったり、クレーマーが 「これで終わりにするつもりか?」 などとくい下がってきたりしたら、 「回答書」 「通知書」 「通告書」 といった文書による意思表示が効果的です。

 文面は事案に応じて変わりますが、意思表示である以上、丁寧な表現でありながらも、きっぱり言い切ることが大切です。

 たとえば、文脈としてはこんな具合です。

「このたびはお客様に多大なご迷惑をおかけして、誠に申し訳ございません。 心よりお詫び申し上げます。 しかしながら、これ以上、社会通念を逸脱した要求をされるのであれば、甚だ遺憾ながら、これまでの記録をもとに法的手段をとる所存でございます。 なお今後、貴殿からの申し出を口頭で受けることはできません」

 こうした文書を配達証明郵便で送れば、確実です。 また、通告書や一部の通知書で内容証明郵便を利用すると、心理的効果も大きくなります。

 メールで回答( 通知・通告 )する場合も、文面が多少くだけた表現にはなるものの、基本は変わりません。

 ただし、次のような一文を加えておくといいでしょう。

「後日、正式な回答文書として郵送させていただきたいと思います。 つきましては、個人情報の取り扱いには十分配慮し、厳重に管理いたしますので、○○様のご住所をお知らせいただければ幸いです」

 ネットモンスターの多くは、自分の正体を隠し、表舞台に引きずり出されることを嫌う傾向があります。 実際に住所・氏名を明かすかどうかはわかりませんが、多かれ少なかれ、プレッシャーを感じるでしょう。

 こうした文書を作成するにあたっては、その内容を吟味しなければなりませんが、その作業を通して、自分たちが覚悟を決めることになります。 これも、 「足場を固める」 ことにつながります。

   相手と文書をかわすときには、もうひとつ覚えておいてほしいことがあります。 それは、悪質なクレーマーに言葉尻をとられないように細心の注意を払うことです。

 たとえば、示談で解決する場合は 「示談書」 をかわしますが、その際には領収証を兼ねた示談書を作成します。 そのうえで、ただし書きに 「和解金として」 と明記します。 「見舞金」 といった曖昧な表現では、決着が先送りされ、2回目、3回目の見舞金を要求されかねないからです。


次のうち、あなたが「正しい」と思うものに、チェックを入れてみてください。

□ クレーム対応では、とにかく「スピーディな行動」を心がける。
□ お客様第一主義を貫き、常に「目配り」を怠らない。
□ 自分が受けたクレームは、何が何でも責任をもって解決する。
□ クレーマーも「お客様」だから、顧客満足の視点を忘れてはいけない。
□ 相手が納得するまで、とことん話し合うべきだ。
□ 事実関係がはっきりしないうちは、「お詫び」してはいけない。
□ 相手の理不尽な要求に対しては、論理的に反論するべきだ。
□ クレームの実態を把握するために、どんどん相手に質問するべきだ。
□ 相手が大声を張り上げたら、悪質なクレーマーとして警戒すべきだ。
□ クレーマーの本性を暴くために、相手の心情まで踏み込んで考えたほうがいい。
□ 相手の誤解が原因だとわかったら、話の腰を折ってでも、すぐに指摘するべきだ。
□ 「ネット炎上」には最大の注意を払い、特別な警戒態勢を敷く必要がある。
□ クレーマーの要求に対しては、できる限り補償内容を小さくするべくギリギリまで交渉するべきだ。
□ どんな相手でも、要求を断るときには、言い分をすべて聞いてからにしたほうがいい。
□ クレーマーは千差万別だから、事前準備するよりも「でたとこ勝負」するしかない。

 いかがでしたでしょうか。

 実は、上記のチェックリストは、すべて、クレーム対応において「やってはいけないこと」です。
 もし、1つでもチェックを入れていたら、あなたは、クレームを長期化させる可能性があります。


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