![]() 中高生の頃、皆さんは将来についてどんなことを考えていただろうか。 このほどソニー生命保険株式会社が実施した 「中高生が思い描く将来についての意識調査」 によれば、自分の10年後を具体的に考えている中学生は25.5%、高校生は18.1%だという。 高校生のほうが低い数字になっているが、最近の中学生は、ませているのだろうか。 そんな彼らの将来について見通しを聞いてみると、 「明るい」 「どちらかといえば明るい」 と回答した中学生は合計54.5%。 一方、高校生は 「どちらかといえば不安」 という選択肢を選んだのが32.9%で、最大派閥。 「不安」 だという高校生も20.1%いるので、 「不安」 の合計は53.0%。 将来の自分を不安視する勢力のほうが若干勝ってしまった。 先の質問と合わせて考えると、中学から高校にかけて色々と経験したことで、将来像が揺らいだなんてこともあるのかもしれない。 「やっぱ、俺、野球選手になるの無理だな。 将来どうしよう」 みたいな ……。 |
![]() さて、中高生自身については以上のような結果だったわけだが、彼らは世の中についてどう考えているだろう。 10年後の 「日本」 について、 「不安に思っている」 ( 「不安」 「どちらかといえば不安」 )と答えた中学生は61.5%、高校生は6866%。 どちらも6割を超えている。 10年後の 「世界」 についても、中学生は62.5%、高校生は69.0%が不安だという。 うーむ。 めっちゃ不安がっている。 いったい、何がそこまで中高生を不安にかき立てるのだろう。 そのヒントになりそうなのが、彼らが大人に対して抱いているイメージだ。 ![]() 高校生だと大人が 「大変そう」 「疲れている」 と感じている人が9割を超えている。 「楽しくなさそう」 というのも73.5%。 「暗い」 と感じているのが67.6%。 これらのなかで特に 「疲れているか元気か」 という質問では、他の質問と比べても、 「とても疲れているように見える」 という主旨の回答をした割合が高い。 どうやら、高校生たちは世の大人たちがくたびれているのを敏感にキャッチしているらしい。 そりゃ、日本の未来に不安を抱くのもうなずける。 ちなみに同じ質問、中学生のほうはどうかというと、 「大変そう」 は87.5%、 「疲れている」 は88.5%、 「楽しくなさそう」 は66.5%、 「暗い」 は61.5%と、高校生よりも少々数字が低めだが、やはりネガティブなイメージが勝っている。 さらに悲しいことに、 「大人を尊敬できない」 という高校生は56.9%、中学生は56.0%と、どちらにおいても半数を超えてしまった。 大変で、疲れてて、楽しくなさそうで、暗くて、しかも尊敬できないって、こんなこと自分の子どもに言われたら、悲しくてやり切れない。 空を眺めながら、涙を流してしまいそうだ。 |
大人に対してネガティブなイメージを抱き、これからの日本や世界を不安視する中高生。 彼らはどんな職業を志向しているのだろうか。 ここまでの結果を見ると、 「堅実に公務員とか選んじゃうのかな」 と思っていたのだが、そうでもないらしい。 男子中学生は1位が 「ITエンジニア・プログラマー」、2位が 「ゲームクリエイター」、3位は 「YouTuberなどの動画投稿者」。 おお、10年前には考えられなかった職種が上位を独占だ。 4位になってようやく(?) 「プロスポーツ選手」 が登場し、 「ものづくりエンジニア」、そして 「公務員」 と続く。 思いのほか、夢見てるじゃないか。 |
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中学生だと特に女子のほうがませているなんて言われるが、中学生女子も1位は 「歌手・俳優・声優などの芸能人」、2位が 「絵を描く職業」 だ。 ただ、 「医師」 「公務員」 「保育士・幼稚園教諭」 「教師・教員」 などが男子よりも上位にきているあたり、 「男子ってバカだよねー」 「わかるー。 超わかるー」 的な、あの頃の教室でのやり取りを思い出さずにいられない。 そんなバカ呼ばわりされる男子たちも、高校生になると 「ゲームクリエイター」が3位、 「プロスポーツ選手」 が9位と、中学生と比べればより現実的な選択肢になりつつある。 女子の場合はその傾向がより顕著で、 「公務員」 が1位となり、2位には突如として 「看護師」 が現れるため、やはり 「男子って子どもだよねー」 とか言われそうであるが。 ちなみに、ソニー生命保険は大学生以下の子どもを持つ30~59歳の男女1,000名を対象に 「子どもに就いてほしい職業」 に関しても調査を行っている。 こちらの調査では、 「公務員」 が圧倒的首位。 わかる。 とてもよくわかる。 |
ただ、 「そんな夢みたいなこと諦めて、おとなしく公務員になりなさい」 とか親が言うから、ますます子どもは親たちが大変そうで、疲れていて、楽しそうじゃなくて、暗くて、尊敬できない、と思われてしまうのかもしれない。 でも私だって、正直、子どもが 「ユーチューバーになりたい」 と言ったら、再生数一ケタのYouTuberの動画を見せて、現実を叩きつけてやりたいし、 「ゲームクリエイターになりたい」 と言ったら、ゲームメーカー勤務の友人を呼んで、説教してもらいたい。 いや、もちろん夢を持つことは悪いことではないのだけどね ……。 身近な大人が夢を見させられれば、それに越したことはないのだろうが。 |
「あなたの将来の夢は何ですか?」
「コンビニのアルバイトです」 |