朝から頭痛では、1日が台無しですね。
 睡眠中あるいは睡眠から目覚めた時に起こる頭痛を、 「 睡眠関連頭痛 」 と言います。 頭痛専門の医療機関を受診した患者さんのうち、17%が夜間あるいは早朝に頭痛がある、という報告もあります。

 昼間にも起きる片頭痛や群発頭痛、緊張型頭痛などは、睡眠中にも頭痛発作が起きることがあります。 睡眠障害の中では、不眠や過眠、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群などが、睡眠中に頭痛を起こすことがあります。 さらには、うつ病や脳腫瘍、副鼻腔炎、アルコールが頭痛の原因のこともあります。




 片頭痛の前兆として、光が見えることがあります。
 日本人の約8%が悩んでいる、といわれる片頭痛。 4時間から3日も続くズキンズキンする痛みを、繰り返すことが特徴です。

 多くの場合は左右どちらか一方の 「 こめかみ 」 あたりに痛みを感じますが、4割の患者さんでは頭の両側に痛みが起こります。 光や音に過敏になり、体を動かすと頭痛や吐き気がひどくなるため、暗い静かなところで横になると少し楽になります。

 片頭痛患者の約半数の方で、夜間の睡眠中に頭痛発作が起こったり、逆に頭痛が軽くなることを経験しています。 睡眠不足や眠りすぎなど睡眠パターンが変化すると、片頭痛が起こりやすくなります。 片頭痛のために目覚めた場合には、レム睡眠からの目覚めが多いようです。 また、眠りすぎた時に起こる片頭痛は、深い睡眠が増えることと関係があります。

 睡眠中に起こる片頭痛は休日に起きることが多いため、 「 週末頭痛 」 とも呼ばれています。 これは、平日よりも長い時間眠ることのほかに、精神的にストレスから解放されることや、飲酒も関係しています。 過剰な睡眠やリラックス、アルコールが脳の血管を広げて、片頭痛が起こるのです。

 このような片頭痛の予防や治療には、睡眠の習慣を整えることが大切です。 なるべく平日と休日の睡眠時間を、同じくらいの時間にします。 それが難しければ、平日には積極的に仮眠をとって、睡眠時間を少しでも確保しましょう。

 程度が軽い片頭痛なら、薬局で売っている頭痛薬でも効果があります。 ただし、月に10回以上も薬を飲まなければいけないようなら、慢性化する恐れがありますので、医師の診察を受けてください。 少し高価ですが、片頭痛によく効く飲み薬を処方してもらえます。




 いくら目覚まし時計代わりになるとはいえ、頭痛で目覚めるのは嫌ですね。
 他に原因がなく夜間の睡眠中に感じる頭痛で、 「 睡眠時頭痛 」 というものがあります。 頭痛のために目を覚ましてしまうので、 「 時計頭痛 」 あるいは 「 目覚まし時計頭痛 」 とも呼ばれています。

 中高年以降に始まることが多く、鈍い痛みを月の半分以上も繰り返すことが特徴です。 夜だけでなく昼寝や仮眠の時にも、頭痛が起きることがあります。

 詳しい原因はまだわかっていませんが、レム睡眠や血液中の酸素欠乏が関係しているのではないか、と考えられています。 また、深い睡眠から急に目覚めることも関係しているようです。

 治療には、カフェインやリチウムを眠る前に飲みます。 カフェインは眠気覚ましとして有名ですが、脳の血管が広がりすぎるのを防いで、頭痛を軽くする働きもあります。 リチウムは主に躁うつ病に使われる薬ですが、睡眠時頭痛での働きについてはよくわかっていません。




 睡眠時無呼吸症候群でも、多くの人が治療で良くなります。
 イビキが激しい人の朝の頭痛は、睡眠時無呼吸症候群による可能性があります。

 睡眠時無呼吸症候群では、空気の通り道が狭くなって、イビキをかいたり呼吸が止まったりします。 太った中高年の男性に多い病気ですが、小顔の女性も要注意です。

 症状としては起床後の頭痛の他に、夜中に何度も目覚める、熟睡感がない、日中の眠気が強い、起床時の胸焼けやノドの痛み、性欲減退や勃起障害などがあります。

 ある調査では、イビキまたは睡眠時無呼吸症候群の患者の24%が、朝に10分~2時間持続する頭痛を自覚しています。 この割合は健常者の3倍にのぼります。 痛みは持続する鈍痛で、倦怠感や寝不足感を伴うことがよくあります。

 睡眠時無呼吸性頭痛の原因は、無呼吸により血液中の酸素濃度が低下し、逆に二酸化炭素が増えるため、脳そのものが腫れたり、脳の血管が広がりすぎるためと考えられています。 睡眠時無呼吸症候群が重症だと頭痛がひどくなるという報告もありますが、重症度と頭痛の関係はないとする調査もあり、今のところ両者の関連ははっきりしていません。

 治療としては、睡眠時無呼吸症候群の治療が優先されます。 多くの場合、睡眠時無呼吸が改善されると頭痛も軽くなります。 睡眠時無呼吸症候群の治療には、マウスピースや人工呼吸器の一種である CPAPなどが用いられます。 太っている人は、まず手軽で効果的な減量から始めましょう。