睡眠の 『質』 を上げれば睡眠 『時間』 は必要最低限に収められ、さらにこれまで以上に日中を快適に過ごせるようになる。
 科学的にも効果が証明されている、眠りの質を上げ睡眠薬に匹敵する 「4つの香り」 とは?


 『 朝5時起きが習慣になる 「 5時間快眠法 」 』 では、気軽に取り入れられるのに、睡眠の質を劇的に上げられる “あるもの” を紹介している。
 それは 「 香り 」 だ。 香りには、人間の心理状態を変える効果がある。 眠りやすくなる香りの研究も進んでいて、科学的な効果が証明されているものもいくつかある。 代表的なものは、次の4つだ。

   ● ラベンダー
   ● セドロール( シダーウッド : ヒノキやスギの香り )
   ● コーヒー
   ● タマネギ

 それぞれの効果について説明していこう。
 まず、人間を睡眠に誘う香りとして最も有名なのがラベンダーだ。 最近では、医療機関や介護施設でも使われている。

 英・ロンドンの老人病院での研究では、睡眠薬を常用している患者にラベンダーの香りを嗅いでもらったところ、睡眠薬なしでも眠りが深くなり、深夜の徘徊がなくなったという報告がある。 さらに、日中の眠気は減り、メリハリのある一日を送れるようになったという。

 日本でも研究が進んでいる。 大学生を被験者とした睡眠中の脳波実験で、大学生にラベンダーの香りをつけたふとんで眠ってもらったところ、ふつうのふとんで寝たときと比べて、深い睡眠をとれている時間が明らかに増えたのだ。 ラベンダーの香りは、眠りを確実に促す。

 次に紹介したいのがセドロールだ。 セドロールとは、ヒノキ科やスギ科の樹木の香りに含まれる物質。
 ヒノキでできた浴槽に浸かると、ふつうのバスタブよりもリラックスできているように感じるのは、セドロールによるところが大きい。 針葉樹林での森林浴がストレス解消に効果的なのも同じ理由だ。

 大学生の被験者に、就寝2時間前から就寝2時間後までの計4時間、セドロールの香りを嗅いでもらった実験がある。 この実験で特筆すべきは、セドロールの香りを嗅ぐと、嗅がないときに比べて、ふとんに入ってから寝つくまでの時間が45%も短くなったという結果が出たこと。 これは睡眠薬の効果にも匹敵する数字だ。 さらに、夜中に目覚める回数が減ったという結果も出ている。

 セドロールとラベンダーは、アロマオイルとして売られている。 市販のアロマディフューザーを使って、寝室の香り環境を整えるとよい。


実は睡眠を促す 「コーヒー」 の香り

 そして、コーヒーの香りも睡眠にはもってこいだ。 鎮静効果より覚醒効果のほうが高そうなコーヒーだが、香りを嗅ぐだけならば睡眠を促す効果がある。 コーヒーの香りを嗅いだときの脳波を調べると、リラクゼーションの指標であるアルファ波が多く出ていることがわかっているのだ。

 ただ、豆の種類によってその効果は異なる。 睡眠作用を高めるのは、グアテマラとブルーマウンテン。 アルファ波を増やし、気持ちが落ち着いて眠りやすくなる。

 また、意外かもしれないが、タマネギの香りにも睡眠を促す効果がある。
 過去に企画協力したテレビ番組で、いつも昼寝をしないで先生の手を焼かせている幼稚園児に、タマネギの香りを嗅がせ、眠るかどうかを調べたことがあった。

 タマネギの香りがない部屋の園児たちはいつも通り眠らずに元気そのものだったが、刻んだタマネギを置いた部屋の園児たちは、ほとんどが自然に昼寝に入っていた。

 実は、タマネギの香りに含まれる硫化アリルという物質には、気持ちを落ち着かせ、眠りを誘う効果がある。 硫化アリルはタマネギだけでなく、ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウなど、独特の刺激的な香りを放つ食材に多く含まれる。

 ただ、香りが強すぎるのは逆効果。 タマネギを刻んで部屋に置く場合は、香りがするかしないかくらいの少量でよい。