先輩OL智子が裏でサボり放題なのを、支店長に相談した京子。 だが支店長は智子に、うっかり密告の主が京子であることを漏らしてしまう。 職場の空気が悪化する中、ある日の朝礼で、社内結婚が決まった智子に1人ずつお祝いのスピーチをすることになり ……。
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「智子先輩の件で話があります」 ある朝、事務の京子から休憩室に呼び出された池内支店長は、「何かあったのか?」と尋ねた。 「朝の掃除は事務職全員で行うことになっていますよね?」 「そうだが…」 「智子先輩は全くやりません」 支店長が京子の表情を見ると、彼女はよほど不満がたまっていたのか、話が止まらなかった。 「それに、始業時刻を過ぎても、買ってきた朝ごはんをほおばりながらスマホ三昧。 営業が出払った日中は、サボって会社のパソコンでネットサーフィン。 夕方、営業が戻ってくると、仕事頑張ってるアピール。 支店長や営業の男性の前と、私たち事務の女性の前では態度が全く違います。 支店長、何とかしてください!」 智子に対しては、いつも明るく、てきぱきと仕事をしている印象だった支店長は、京子の訴えに驚いた。 「え? まさか太田さんが…。 本当か?」 「智子先輩は上手いんです。 事務は営業より出勤が1時間早いので、その間は特にやりたい放題ですよ」 京子が嘘を言っているとは思えないが、支店長は戸惑いを隠せない。 京子は徐々にヒートアップ、 「会社がきちんと対応してくれないなら、辞めます!」 とまで息巻いている。 支店長は、 「とにかく本人に確認してみるから」 と京子をなだめつつも、内心では 「女性同士の面倒なことに巻き込まれたかな……」 と憂鬱な気持ちだった。 |
支店長としてこの問題を対処しないと、火の粉が飛んできて自分の立場が危うくなりかねない。 気乗りしないまま支店長は翌日、智子を呼び出した。 「同じ事務の人から、太田さんが朝の掃除をしなかったり、営業部員がいない日中にネットサーフィンをしている話が出ているんだけど、どうなの?」 智子は、支店長の話を聞くうちに目に涙をためて、今にも泣き出しそうだった。 「そんな……。 朝は花瓶の水を替えたり、郵便物の仕分けをしたりしています。 ネットは物件の相場や周囲の環境を調べたりしているんです。 サボってはいません」 こう言うと、智子は泣いてしまった。 このため慌てた支店長は、 「まさか君に限ってそんなことはないと思うって、細野さんには言ったんだけど……」 と思わず、京子の名前を出してしまったことに気づき、慌てて口をつぐんだ。 「京子さんが言ったんですね!?」 支店長は黙って聞いている。 「彼女は井上さんのことが好きだったんです。 だから、婚約者の私に嫉妬しているんです」 思いもよらなかった話の展開に、支店長は 「本人にはとにかく誤解しているって注意しておくよ」 とそそくさと話を切り上げた。 |
席に戻った智子は、周りに人がいなくなると、京子に詰め寄った。 「ちょっと、支店長に何言ったの? 仕事はちゃんとやっているんだから、空いている時間に対して、私はあんたに迷惑かけてないでしょ?」 「仕事をちゃんとしていても、空いている時間で会社のパソコンで好き勝手するのはおかしいと思います」 「それなら、私が井上さんと結婚するのが悔しいんでしょ。 嫉妬して言いつけるなんて信じられない!」 京子は悔しさに顔をゆがませつつ、怒りを込めて反発した。 「私は嫉妬なんかしていません」 智子は京子を睨みつけながら、 「支店長は井上さんと私のことはお気に入りだから、あなたが何言っても無駄よ。 自分の立場をわきまえたら?」 と言って、席に戻った。 その後、京子を呼び出した支店長は、 「事情を聞いたけど、例の話は細野さんの誤解じゃないかな」 と太田さんの話を伝えた。 京子は、 「支店長は何も分かっていないですね」 と言うと、プイッと席に戻ってしまった。 その日以来、京子と智子はお互いに必要最低限の会話しかしなくなり、支店内には重い空気が漂っていた。 |
そんなある日、朝礼で支店長から智子と優作の結婚の日取り決定の報告があった。 皆が拍手をすると、智子は 「仕事と家庭の両立を目指して頑張ります」 と嬉しそうに話し、優作は照れながらも、 「今後仕事に一層邁進します」 と宣言した。 支店長が 「皆からも一言ずつお祝いの言葉を」 と促すと、皆が順番にお祝いの言葉を贈った。 京子の番が来ると、笑顔で 「結婚おめでとうございます」 と言った後、表情を変えずに皮肉を込めて言った。 「智子先輩はすごく要領がいいんです。 朝の掃除をしなかったり、日中にネットサーフィンをしていても、皆の前ではいい子でいたから、きっと上手く両立できると思います」 これを聞き、皆が凍りついた。 京子はさらに続けた。 「でも、会社のグッズをネットオークションで売ったのはまずかったですね。 大胆すぎますよー。 なぜならパソコンの利用履歴って本社で全部記録されているからです。 ネットオークションの件については、後に本社から問い合わせがあると思いますよ」 京子が笑顔で言い終えると、智子は顔を歪ませながら休憩室に駆け込んでいった。 優作が智子の後を追いかけて休憩室でなだめる中、支店長は京子に詰め寄った。 「細野さん、太田さんの件は誤解だって言ったのにどういうつもりだ? ひどいじゃないか!」 京子は冷静に支店長に言い放った。 「支店長、智子先輩の行為、どれぐらい把握されているのかご存じないんですね」 「……」 「物件成約のお客様に渡しているノベルティグッズの在庫が合わないので、おかしいなと思って調べたんです」 「証拠はあるのか?」 「はい、これです。( 該当箇所を指し示しながら )本社では各パソコンの利用履歴は取っており、先輩が勤務時間中、ネットオークションのサイトに頻繁にアクセスしていたことが判明していますよ」 「見せてくれないか」 と言って受け取ると、支店長は愕然とした。 支店長が智子と話をしようと休憩室に行くと、優作が1人で呆然と座っていた。 支店長が尋ねた。 「おい、細野さんは?」 「 『今日はショックが大きいから帰る』 と言って、今さっき帰ってしまいました」 優作はうなだれている。 その後、本社が調査を行ったところ、智子の職務専念義務違反とグッズのオークション出品について、事実が確認されたという報告が入った。 |
翌日、智子は体調不良を理由に会社を休んでいたが、優作には連絡を入れてきた。 ● 私は京子にはめられた ● 優作さんは、私を信じてくれるよね? ● 仕事は辞めて、このまま結婚して家庭に入りたい こんな内容のメッセージが何度も送られてきたが、京子が智子の行為を皆の前で暴露して以来、優作は智子の言い分を信じることができなくなっていた。 優作は熟考した後 「結婚は破談にしたい」 と智子に伝えた。 その後、本社からの正式な処分があり、智子は解雇となった。 異性や上司の前では要領よく振る舞っていた智子だが、結局は本性がバレて仕事も婚約者も失った。 今回、 「支店長や営業の男性の前と同性の前で智子先輩の態度が違う」 という相談があったが、このタイプはモラル低下型社員と自己愛型モンスター社員のコンボである。 支店長が智子に情報源をうっかり漏らしてしまったために、女性同士のトラブルに発展、後輩が不正を暴くまで誰も智子の暴走を止められなかったのである。 支店長はこのトラブルで猛省し、以来、部下の相談に対して真摯に対応するようになったが、本件のように、人間関係の相談や訴えは、一方の言い分だけを信じたり対処を誤ったりすると、職場環境を悪化させかねない。 上司はいつでも公正・中立の立場で判断、対処してほしいと思う。 |
![]() 職場を含め、自分の身近なところに必ずいる 「めんどくさい女」。 そんな 「めんどくさい女」 に悩まされていないだろうか…? 男性の立場から見ると、 “異文化交流” として楽しめているならば申し分ない話だが、これが “異星人” のように感じられてきたとしたら…。 「めんどくさい女」 について、3つのタイプに分けて紹介する。 断言しよう。 女は誰しも 「めんどくさい」 のだ。 たぶん、女の多くは自らの 「めんどくささ」 を内観しつつも、その溢れる 「マグマ」 を持て余す。 そうは言っても、人は違う文化に憧れを抱きやすいので、男は女に、女は男に夢中になるのも世の常ではある。 しかしながら、男性の立場から考えるならば、それを “異文化交流” として楽しめているならば申し分ない話だが、これがひとたび、目の前の彼女が “異星人” のごとくに感じられてきたとしたら……。 それは、あなたの平和な人生の “不可侵条約” が破棄される 「スターウォーズ」 寸前の状況かもしれないのである。 あなたの人生に限りなく浸食してくる 「めんどくさい女」 の特徴をお伝えしよう。 |
1.取扱注意の地雷女 地雷源マップ不携帯女には要注意! ダメージを防ぐには速やかに撤退も …… |
西野カナさんの 「トリセツ」 というヒット曲がある。 歌詞の概略を伝えるならば、こうである。 「私は突然、不機嫌になることがあるの。 ( 心配したあなたが )理由を聞いても、答えたりはしないから。 でも( じゃあ仕方ないと )放っておかれるとますます機嫌が悪くなるから、( そこのところは空気を読んで )よろしくね!」 女心をチャーミングに歌った、女の子から愛されている曲である。 歌詞に出てくる女の子の行動は、女性目線で見れば 「あるある」 なのだが、男性から見ると 「こういう状況で、どう “よろしく” しろと言うんだ!?」 であろう。 ここで警告しよう。 恋愛関係において、女性のほどほどの甘えは可愛く思えるかもしれないが、特に好きな人には甘えが過剰に出るタイプの女は要注意なのだ。 こういう女を 「ギブミー女」 と呼んでいるが、人生は何事においてもバランスが大事。 「ギブとテイク」 は同じだけの分量配分で調合しなければ、結果として幸せはドンドン遠ざかる。 しかし、この 「甘え」 よりも問題なのは、むしろこちらであろう。 「取扱注意の女」 が困った存在になるのは、彼女の “地雷” がどこにあるのかが不明で、かつ、地雷源が豊富にあるところなのだ。 最悪なことに、その 「地雷源マップ」 の持ち合わせは彼女にもない。 この広大すぎる危険な野原を潜り抜けて行く勇敢な戦士になれる自信がなければ、速やかに撤退した方があなたの傷はまだ浅いだろう。 |
2.魅惑の食虫植物 「私を楽しませてみなさいよ」 の上から女 かぐや姫思考の 「最上級おもてなし」 要求に あなたは耐えられるか? |
時々、妙に強気な女が出現する。 その女から見れば、たぶん、他人は自分に尽くして当然な “召使い” 的存在に映るのであろう。 「誰かが何かをやってくれて当然」 であるから、その相手が男であっても女であっても、思考がこうなる。 「私のために( 私の思う通りに )動かないなんて! 私を誰だと思っているのよ!?( 怒 )」 このように何もやらない、あるいは相手が些細なミスをすると、いきなり怒り出すのだ。 これはデートの時に実感できることが多いかもしれない。 自分では一切、計画は立てないくせに、相手には 「最上級の私へのおもてなし」 を無意識に要求するタイプである。 常に 「提案待ち」 なくせに、その 「提案」 が気に入らなければ文句を言うか、 あるいはただ黙って、大きなため息をつくだろう。 こういう女性はこのシチュエーションが好きなだけなので、あなたが孤軍奮闘でどんなに頑張ったとしても、素直にはお褒めの言葉はいただけない。 これを 「かぐや姫的思考の無理難題女」 と思っている。 こういう人はかなりの確率で相当に美人であり、かつ魅力的である。 あなたが “魅惑の食虫植物” 好きな昆虫思考であるならば、喜んで溶かされていくのも良い選択かもしれないが、一般人が巧みに御することができるとはとても思えない。 女から見ても、このタイプは強烈にめんどくさい女の部類に入るのだ。 |
3.感覚第一主義女 脳が高速スピードで回転、話についていけない! “相槌” のタイミングを誤るとさらなる “泥沼” の世界に…!? |
よく言われる話だが、男は合理的で、女は感覚的と評される。 つまり、男は目的や行動に意味付けをしたがる生き物であるのに対し、女はそんな意味付けをするのはどうでもよくて、常にフィーリングで判断しやすいという意味だ。 これは男性には心当たりがあると思う。 ビジネスの場面は除外するが、女性と話すと 「結論が出ない!」 ことはないだろうか。 男性はその思考の特徴として、ある原因があったならば、そこから推定し何らかの結論を欲するところがある “帰結属” であると思う。 しかし、多くの女性の日常会話にそれはない。 要するに 「結論」 なんて求めていないのだ。 これは女性の感性なので、良いも悪いもないのだが、もしこのタイプと付き合うなら、相当なる覚悟と忍耐が必要かもしれない。 例えば、こんな時である。 「ね~、聞いてよ! 美沙いるじゃん? 美沙の彼氏の従弟の彼女が読モ( 雑誌の読者モデル )をやっててさぁ…」 あなたの頭は既に大混乱である。 「人物相関図」 を出そうとしても、追い付かず、こういう感想しか思い浮かばなくなるだろう。 「( 登場人物の )関係が遠すぎて、もはや知り合い( の話 )でもねぇし…」 あなたが何とか頑張って頭を切り替えて 「読モの話か!」 と話を合わせようとしたら、女の話は既に別ジャンルに移っていることだろう。 こういう女は脳がフルスピードで回転し出すので、主語も抜けがち。 もはや、何の話なのかにさえ付いていけないことになる。 しかし、ここで “相槌” のタイミングを間違ったならば、さらなる “泥沼” の世界に呼び込まれることは確実だ。 あなたができることはただ一つ。 西野カナさんの 「トリセツ」 の男性バージョンを作成し、 「然るべくタイミングで、適切な言葉をセレクト、相応しく振る舞うのは自分には難易度が高過ぎます」 ということを訴えることだ。 かように、女という生き物はしばしば、めんどくさくなるものである。 |